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眼科の鍼灸治療 ー中心性漿液性脈絡網膜症についてー

2017年8月6日10:40 AM カテゴリー:眼科疾患,眼科領域

中心性漿液性脈絡網膜症の鍼灸治療

 

中心性漿液性脈絡網膜症は、網膜の中心部である黄斑と呼ばれる部分に浮腫が出来るため、視野が歪んだり視力低下が起こる病気です。


 

比較的若い世代男性に起こりやすく、男女比では3対1となっています。

この中心性漿液性脈絡網膜症には明確な原因がありませんが、高ストレス状態であったり目を酷使する状態であると発症しやすいようです。

当院ではこの中心性漿液性脈絡網膜症に対して鍼灸治療を行い効果を挙げています。

 

こんな症状の改善を確認しています。

 

・視力が低下する
・見えているものが歪んでいる
・物が小さく見える
・景色に色が付いて見える
・中心部が暗く見づらい

 

治療効果の出方は

 

治療効果が出る方に関しては、殆どのかたが最初の3か月までに効果が出始めます。

その後、徐々に効果の発現が緩やかになりますが、約1年程度で視野の回復や視力の向上、歪みの矯正などが改善し、日常生活での支障が無くなるようになっていきます。

症状が完全に無くなり、再発の心配がなければ、完治となり鍼灸治療は終了します。

1年を経過しても、多少の症状が残っている場合や、再発が心配で再発予防を引き続き行う場合には、その後も継続して治療を続けます。

その場合には、お仕事の内容による目への負担、症状の改善度や心理的な状況も考えながら、話し合いの上、通院計画を決定しています。

具体的には、新生血管が存在せず、脈絡膜の状態が良ければ、月に1回程度の鍼灸治療で経過を観察していきます。

 

治療頻度

 

最初の3ヶ月は、最も鍼灸治療の治療効果が高い傾向にあります。

そのため、最初の3カ月間は、週2回の鍼灸治療を受けられることをお勧めしています。

どうしても無理な場合には、週1回程度としますが、発症から時間が経たない場合や活動期の場合には、なるべく週2回をお勧めしています。

これは、この時期に限り週1回と週2回では、治療効果が大きく異なるからです。

最初の鍼灸治療開始後、3ヶ月経過した時点で、もう一度、通院間隔の話し合いを行います。

治療効果がこの時期になっても大きい場合は、週2回の鍼灸治療を継続するのがベストです。

症状の改善が落ち着きを見せていれば、週1回にすると効果的になります。

その後、徐々に通院回数を減らしていき、浮腫の消失などが見られるようになってきますと、月に1回程度の鍼灸治療にして経過を観察していきます。

 

鍼灸治療の効果とは

 

中心性漿液性脈絡網膜症は、網膜周辺の血行不良が原因だという説が有力です。

血行が悪くなりうっ滞した血液の血漿成分が、血管から脈絡膜の上に漏れだし、浮腫となるのです。

鍼灸には網膜の血流を増加させるツボが多数あります。

効果的なツボの中から、その人に合ったツボを選び、網膜の血流を増加させることを目的に、鍼灸治療を進めていきます。

鍼灸治療は、血行状態を回復させることにより、血管外に血漿成分が漏れ出すのを防ぐことができます。

また、一旦、漏れ出た血漿成分を血流に乗せて運び出し、静脈を通じ、肺の送り込み、ガス交換が行われ、新鮮な栄養のある血液となり、網膜に戻り、傷ついた網膜を修復する作用もあります。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28725294

(鍼灸が網膜黄斑部の浮腫を軽減した論文)

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki1962/68/4/68_4_231/_pdf
(光明穴鍼刺激の眼循環動態に及ぼす影響)

 

眼科領域への鍼灸治療法

 

眼科領域への鍼灸治療は、大きく3つの方向から治療を進めていきます。

 

・目の周囲への極細鍼治療
・後頭部、後頚部への鍼灸治療
・身体の機能を上げる東洋医学的治療

 

これらの3つを組み合わせることで、局所的な効果と全身的な効果を合わせて発揮します。

短期的には、目の周囲への鍼治療により、局所の血流増加などが大きく働きますが、長期的には、全身治療が効果を上げる傾向にあります。

そのため、東洋医学的な考えに基づく、身体の機能を上げることを目的とする鍼灸治療が、非常に大切になってきます。

身体に機能を上げる鍼灸治療を適切に受けることにより、再発予防や慢性的に症状が進むような場合の進行を防ぐ効果があります。

また、精神的ストレスに対する効果がありますので、ストレスが溜まることにより、悪化しやすい中心性漿液性脈絡網膜症の方にとっては、非常に効果的な鍼灸治療法であると言えます。

 

http://www.meiji-u.ac.jp/shinkyu/kenkyu/case03

(ストレスの緩和と鍼灸治療)

 

 

中心性漿液性脈絡網膜症の症例

 

大阪府在住 30代男性

ある日、突然、視野の歪みを感じ眼科を受診し、眼底検査の結果、中心性漿液性脈絡網膜症と診断されたそうです。

発症から1年半、服薬のみで経過観察するも、症状は一進一退で、視野の歪みは変わらず、どうしたものかと何か他に方法はないかと、ネット検索中に眼科疾患への鍼灸治療が効果あることを知ったそうです。

 

その中で、眼科鍼灸の第一人者である愛知県の千秋鍼灸院(春日井先生)を受診し、鍼灸で改善が期待できることが分かったそうです。

 

ただ、遠方なので千秋鍼灸院から、大阪 心斎橋の鍼灸院 天空を紹介され来院されました。

 

鍼灸治療を約1年受け、症状が改善し、再発の兆候もなく、視野の歪みも消失しています。

現在は、症状は全く出現していませんが、経過を観察することを目的に、月に1回の鍼灸治療を受けて頂いています。

 

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