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【緊張型頭痛】大阪府在住、20代女性、鍼灸治療のケース

2013年10月20日6:30 PM カテゴリー:症例,頭痛

緊張型頭痛へ3回の鍼灸治療「頭痛がなくなり毎日が楽になりました。」

仕事がきっかけで頭痛に悩む人というのは確かに存在します。

今回の症例も、就職してから頭痛、肩こり、腰痛と悩むようになった女性の患者様です。
日常生活にも支障が出てきた患者様に対して、3回の鍼灸治療で頭痛が収まり改善できた例を紹介します。
・今までの経過
仕事を始めた頃から、頭痛、肩こり、腰痛になり悩むように。

頭痛は定期的に起こり、こめかみから頭頂部にかけて痛くなる。

時には頭痛に吐き気を伴い、後頭部も痛くなる。

客室乗務員の仕事では、上空にいると頭痛がひどくなる。

天気が悪くなるとぼんやりと頭痛がする。

荷物の上げ、下げで筋肉痛になり、肩、首が痛い。

首の後ろから両手にかけて、じんわりとしびれることもある。

今年の4月からあまりトイレに行かなくなったからか、からだ全体がむくんでいる感じ。

16歳のころから、生理不順で生理痛。

カイロの治療を長く受けていたが、その場しのぎで、全く改善が見られなかった。

初回来院では首、肩の痛みがひどく、そこから頭痛がしているようでした。
 
また吐き気と後頭部痛もあり、荷物の上げ下ろし作業が多かったせいか腰痛がひどくなっているようでした。

他にもふくらはぎにむくみが見られました。

混合型頭痛への鍼灸治療と施術後の状態について

初回の鍼治療

初回の治療ではうつ伏せの状態で、首、肩のコリが強いところのツボを左右5か所選択し、鍼を刺しました。腰も筋肉の緊張が強くなっているツボに左右3か所ずつに、鍼を刺しました。

使用した鍼は、直径0.18ミリ、長さ39ミリです。そのままの状態で約15分間いてもらいました。

その後すべての鍼を抜き、コリ感がまだ残っているツボに、同じ種類の鍼を刺し、丁寧にコリを取り除きました。

また、腰椎の3番から5番にかけ歪みが見られましたので、それを矯正する鍼をしました。使用した鍼は、同じ種類です。

次に、仰向けになってもらい、手足のツボから、むくみ、頭痛を改善でき、血流を要するツボを4ヶ所選択し、直径0.12ミリ、長さ15ミリ、直径0.20ミリ、長さ15ミリ、直径0.18ミリ、長さ30ミリの鍼を刺しました。

むくみや頭痛が、「気(エネルギー)」の滞りからきていましたので、十分に気がからだ全体に流れるように鍼の操作をし、そのまま約20分間寝てもらいました。

治療後は頭痛はすっかり取れ、むくみもなくなり、首、肩の痛みも解消していました。

からだ全体にすっきりした感じで、気力がみなぎってきたとありました。


2回目の鍼治療

初回の治療後、フライトの仕事中に頭痛が起こることは無くなったようです。

ただ、肩こり感、腰痛は少しましになったかというところでした。腕のしびれを感じることは無くなっていました。

立ち仕事のお話から、足の関節を診ますと、左足に関節の遊びが大きく、緩い感じでした。

この足関節の歪みが立ち仕事からの腰痛を引き起こしているようでした。

治療は、初回と同じですが、足関節の緩みを補正する鍼治療を加えました。

治療後は肩こり感、腰痛は全く感じなくなっていました。立った際の足の感じはよく分からないようでした。


3回目の鍼治療

3回目の治療で頭痛は全く起こらなくなっていました。

また、お天気が悪い時は、ぼんやりと頭が重く、何もする気が起きない傾向のようでしたが、それも全くなく、朝から気分は良かったそうです。

仕事中にお客様のキャリーバックを持ち上げる際に首を捻り、寝違いのように首を回すと痛いとありました。

治療は、2回目の治療に、寝違いの治療を加えました。

治療後は首を回しても痛くなくなっていました。

立った際の足の感じがしっくりしており、姿勢よく立っている感じだったようです。また、腰痛も全く感じられないとのことでした。

頭痛は全く起こらなくなり、腕のしびれを感じることもなくなったようです。そして、治療により、元気になれるとのことでした。ただ、仕事上、肩凝り、腰痛はつきものなので、今後も、体調管理で通院するとのことでした。

施術者の感想

頭痛はフライトで上空にいると起きる、天気の悪いときに起きるなどから、緊張型の頭痛と考えられます。

そこに、肩凝り、腰痛などの筋肉の緊張が加わり、首から頭にかけての筋肉も緊張し、頭痛を悪化させていたようです。

腕のぼんやりとしたしびれは、首、肩の筋肉緊張と、荷物を上げ下げする作業から、首の付けにある腕に走る血管や神経の出口を締め付けて生じていた可能性があります。

これを胸郭出口症候群と言います。左官屋さんなど手を肩より上にあげることが多い、お仕事の方によく起こる病気です。

腕のしびれの場合に、比較的多い病気でもあります。女性の場合は、男性より首が細く、筋肉もあまりないため起こりやすいです。

肩こりの治療の際に、首周りのコリを取り除きますと、比較的早く改善されます。

この患者さまの場合は、腰痛の原因に足関節の歪みがありました。

成人になり立ち姿を決めているのは、足関節です。

立っている際に足関節の歪みは、体重を上手く受けることができず、膝関節に負担を掛けます。

そこから、更に股関節、骨盤と影響を与え、腰の関節に大きな負担をかけることになります。

この患者さまは立っているのが腰に負担をかけ、腰痛を引き起こしたわけです。

このことからわかりますように、骨盤歪みは、骨盤矯正しただけでは戻りません。

足関節の歪みや緩みを改善する鍼をし、真っ直ぐ立てるようになり、腰痛の改善にもつながりました。


東洋医学からの視点

この患者さまが、上空や天候の悪化で頭痛になることと、からだ全体がむくみやすいのは、同じ原因です。

新陳代謝が悪く、からだに余分な水分が残っている状態を「湿」と言います。この患者さまの場合は、「湿」が多かったようです。

「湿」は水がまったりとした状態で、上手く流れていきません。滞りやすいといえます。

天候が悪い時や、「上空」は気圧が低くなっています。細胞の中のほとんどが水分ですので、低気圧により細胞が膨張します。

この膨張により周りに神経や血管が締め付けられ、神経や血管が傷ついていますと痛みが生じます。

この患者さまの場合は、「湿」という病的な水分が滞っている状態ですので、より神経や血管を圧迫し、頭痛を引き起こしたようです。

からだ全体のむくみも、この「湿」によります。水分がからだの中で、余っている状態になり、むくみが生じています。

また、「湿」がありますと、細胞間の栄養物質の交換が上手くいきません。これにより、筋肉などは疲労を起こしやすくなったり、硬くなったりします。

この患者さまが、お客様の荷物を上げ下ろしすると、肩や首に痛みが生じやすいのはこのことにもよります。

腰痛も同じような理由によります。

「湿」の停滞は、「気」の停滞を引き起こします。

この両者の停滞は、女性に場合はよく生理不順や生理痛を生じさせます。

今回の例のような症状では、肩凝り、腰痛、頭痛に焦点を当て治療をしましても、あまり改善できません。

本当の原因である「湿」を取り除く必要があります。その上で、足関節の歪みという筋肉や骨格にアプローチし、姿勢を正しくしていくことが大切になります。

実際のお客様の声:【緊張型頭痛】大阪府在住、20代女性、鍼灸治療のケース

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