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2016年 鍼灸学会(北海道札幌市にて) ―鍼灸師がうつ病患者を診るために― その1、精神科医の立場から

2016年6月13日3:32 PM カテゴリー:うつ病,学会・勉強会

今年の全日本鍼灸学会は、北海道の札幌市にて、開催されました。

蒸し暑い大阪から向かい、新千歳空港に降りたとたんに「寒い」と感じるくらいの気温差がありました。

今年は、弟子が新たに2名増え、5人で参加しました。

予習はしていたようですが、「難しい」というコメントでした。

早く理解できるように、これからも研修に励んでもらいたいところです。

来年は8名程度で、参加できればと考えています。

今年度から学会でも、卒後教育に重点を置くようになったようです。

今回は、その中でも、大阪 心斎橋の鍼灸院 天空に多く来院されているうつ病患者さんに対して、どのように見ていくかというセミナーに参加しましたので、簡単に報告したいと思います。

 

うつ病とは?

まず、うつ病とは、

1.気分の障害
2.意欲の障害
3.思考の障害

この3つの障害を中心に生じる精神症状と、以下のような体の症状

1.睡眠障害
2.疲労倦怠感
3.首凝り、肩こり
4.頭痛
5.食欲不振

これらの症状が、絡み合って現れてくるのがうつ病とされています。

ただ、なぜうつ病が起こるのかは、よく分かっていません。

うつ病を引き起こす要因としては、以下のようなものがあります。

1.ストレスや大きな出来事
2.副腎皮質ホルモンやインターフェロンなどのお薬によるもの
3.慢性的な痛みやがん、心臓の病気、甲状腺の機能低下などの身体の症状によるもの
4.不安障害などの他の精神的な病気によるもの

このように、さまざまなことにより、うつ病が引き起こされます。

ただ、注意したいことは、世間で言われているような「性格」などは、あまり関係していないことです。

どのようなタイプの正確であれ、大きなストレスが長く続く、激しい痛みが長く続くなどのことが起きますと、うつ病を引き起こす可能性はあります。

 

増えているうつ病

近年、うつ病は増加傾向にあります。

厚生労働省の患者調査がそれを物語っています。

うつ病患者さんを含む気分障害の患者数は1999年までは、44.1万人前後で、ほぼ横ばい状態です。

その後、2002年には71.1万人、2014年には111.6万人と増加しています。

また、それに伴い費用も拡大しています。

同じく厚生労働省の調査に、「精神疾患の社会的コストの推計」という2010年に出された報告書があります。

それによりますと、うつ病の社会的コストは、3兆900億5,000万円とあります。

その内、直接的な治療費は、2,000億2,600万円とあり、かかる費用の大部分が、病気であることにより生じる労働損失となっています。

すなわち、うつ病は社会的コストが大きい病気であり、これを早期に改善し、職場復帰できるようになることが、目指す方向性ともいえます。

このようなことから、従来の国民病としての、「がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病」の4代疾病に、2011年から「精神疾患」を加えて、5代疾患としています。

また、うつ病は予防することが大切とされ、2015年より、従業員50人以上の職場に、「ストレスチェック制度」を導入しています。

この制度により、労働者の慢性ストレスや疲労、うつ病を早期発見して、対処することになっています。

 

このような概略の説明の後、3人の先生方による解説がありました。

1.精神科医の立場から「鍼灸師がうつ病を診るポイント・注意点」

 

まず、精神科医の先生からお話がありました。

演者の先生は、神奈川県立精神医療センターの医療局部長である中村 元昭先生です。

先生の勤務されいる病院は神奈川県での精神病での中核病院で、そこには、8名の鍼灸師が非常勤で勤務しており、医師と連携しながら、うつ病を含む精神疾患の治療に当たっているそうです。

 

○うつ病診断に大切な「医療面接」

うつ病のガイドラインに、大切なこととして、以下の内容があるとありました。

「医師とうつ病患者との信頼関係を構築することが、最も大切である。」

この関係づくりには、「医療面接」という技法をマスターする必要があります。

「問診」はよく聞きますが、「医療面接」は聞きなれないと思います。

これは、近年重視されている「問診法」といえます。

患者さんの言葉をしっかりと受け入れ、聴くことが中心になっています。

カウンセリングとは、少し異なりますが、そのように理解して頂ければ、分かりやすいかと思います。

大阪、心斎橋の鍼灸院 天空でも実施している方法です。

この医療面接を通じて、うつ病患者さんの4つの状態を理解するとありました。

4つの状態とは、智、情、意、体です。

それぞれ、以下のようになります。

・智→思考、認知の障害(大脳新皮質)

・情→気分、感情の障害(大脳辺縁系)

・意→意欲、行動の障害(大脳前頭前野)

・体→身体の反応

この4つの障害が重なり合い、ゆっくりと変動していくのが、うつ病になります。

このうち、身体の反応には、

①睡眠、生体リズムの障害

②食欲・性欲

③易疲労性、倦怠感

④自律神経症状

などがあり、複雑な症状を引き起こします。

 

○うつ病の治療に鍼灸はどう関わっているのか?

すなわち、うつ病とは

気分や感情の障害、思考の障害、意欲・行動の障害、身体の障害が同時に起こる病気といえます。

すべてが同時に、同じような強さで出るのではなく、人により出方に違いが生じます。

このうち、身体の障害が強く出た場合が、かなり厄介と説明がありました。

身体の症状ですので、内科や整形外科を受診し、「異常なし」と説明され、納得できず「ドクターショッピング」を繰り返したり、うつ病と、本人も、周囲も気づかずに、悪化していくことが多くあります。

また、この時点で、うつ病と診断された場合も、この身体の症状に対して、西洋医学では、成す手が無いとありました。

先生の勤務先の病院では、このようなときに鍼灸師が、活躍しているとありました。

鍼灸には、うつ病などの精神的な病気が引き起こす、身体の症状を改善することを得意にしているからです。

 

うつ病の原因はよく分かっていませんが、脳の視床下部という場所の変調が引き起こしている可能性は高いとされています。

この視床下部というところは、自律神経の働きを支配し、ストレスや身体が受けた刺激をフィートバックする機能を支配しています。

視床下部ー下垂体ー副腎系といわれる機構です。

うつ病患者さんのうち、50%程度に、この機構の変調が認めらるようです。

また、抗うつ薬の副作用として、自律神経失調症のような症状が出るそうです。

これは、抗うつ薬が視床下部に作用するから生じます。

鍼刺激は、脳の血流量を増やすことが分かっており、視床下部の働きを改善できます。

このことにより、うつ病の改善に寄与できるとありました。

特に、身体の症状が強く出ているうつ病には、効果的であるとありました。

 

○うつ病患者さんを診るにあたり注意すべき点

 

1.高齢者のうつ病

高齢者において、思考障害が強く出ると認知症と誤診されやすい、実際に医療機関でもよくあることなので、注意が必要とありました。

この点でも、ご家族を含めた医療面接により注意深く聞き出し、鑑別することが大切とありました。

また、鍼灸師として判断に迷った場合は、専門医に紹介するようにとありました。

 

2.そう状態

うつ状態だけでなく、そう状態にも注意が必要とありました。

強いそう状態は、周りも分かりやすいですが、軽いそう状態は分かりにくいとありました。

今、流行りの「ポジティブシンキング」に似ているからです。

前向きだから「良い」のではと考えがちですが、大きな落とし穴があるということでした。

落とし穴とは、「もって1ヶ月、早くて1週間」で、落ち込み、うつ状態が出るからのようです。

先生よれば、患者さんから以下のようなことを聞くと危険とありました。

・治った

・何か新しいこと始めようと思う

・明日にでも職場復帰できる

これらをそのまま受け取り、治療を中断すると、また、うつ病になり、これを繰り返し、治りにくいうつ病へと進行していくとありました。

 

3.単極性うつと双極性Ⅱ型うつの鑑別

うつ病には、大きく単極性うつと双極性Ⅱ型うつがあり、この鑑別が最も大切であるとありました。

これは、この2つにおいて治療法が異なるからです。

単極性うつは、抗うつ薬が効きますが、双極性Ⅱ型うつは、効かないだけでなく、悪化させるという、全く異なる反応になるようです。

双極性Ⅱ型うつは、最初に軽いそう状態を示すようです。

この時点では、「良い傾向」と判断され、誰も気づきません。

その後、落ち込みうつ状態になり、休職や治療を受けます。

この際に医療面接にて、軽いそう状態を聞き漏らし、うつ病と判断され、抗うつ薬を出されることは、よくあるそうです。

抗うつ薬により、症状が悪化し、効かないので、飲み忘れるなどにより、そう状態が出現して、治ったと思い、復職すると、また、落ち込み、うつ状態となるということを、繰り返し、徐々に悪化していくそうです。

このように、うつ状態の患者さんが来院された場合は、まず、この鑑別を行ってほしいとありました。

そして、迷った際や、双極性Ⅱ型うつと分かった場合には、専門医を紹介してほしいとありました。

また、うつ病では、「智・情・意・体」が同じリズム・周期で移行していくが、躁うつ混合状態では、この移行に「ずれ」が生じるとありました。

この「ずれ」により、智・情・意・体がばらばらとなり、患者さん自身もどうしてよいか全くわからなくなり、自殺に追い込まれるとありました。

 

4.葛藤の二次的露呈

うつ病患者さんにおける「葛藤」という状態にも、数種類のパータンがあり、それにより対応が異なるとありました。

うつ病による葛藤は「心的エネルギー量」が低下することにより、起こるそうです。

人には誰しも、触れられたくない「過去や思い出、出来事」があります。

心的エネルギーが正常な場合は、それらが表面出てくることはありません。

うつ病により、その量が低下しますと、誰であれ、そのことが表面化します。

その際に、医療者がやりがちなことが、その「トラウ」を解決しましょう」と進めることだそうです。

問題は、心的エネルギー量の不足なのに、「トラウマ」にフォーカスしますと、患者さんは、解決できないことにますます苦しみ、自己を攻め、症状が悪化します。

場合によって、解決できないことに悲嘆し、自殺することもあります。

このようなときには、「励まさず」、「心的エネルギー量」のキャパシティーを上げる治療が必要とありました。

また、心的エネルギー量は正常だが、配偶者の死などの強いライフイベントにより、葛藤が生じることもあります。

この場合は、「時間」が解決したり、原因の具体的解決が必要とありました。

別のパターンには、もともと心的エネルギー量が少ないケースがあります。

この場合は、ちょっとしたことで葛藤が生じます。

時間をかけ、少しづつ心的エネルギー量を増やしていくことが大切とありました。

 

5.うつ病の感情とは?

感情には以下のようなものがあります。

①個体としての感覚的感情→痛み、過大な感覚判断(快・不快)

②個体としての身体感情(生気感情)→特定の感情や身体部位に局在しない全身的な感情(活気、疲労、不調、緊張など)

③集団としての心的感情→集団行動や心理的な文脈により生起する反応性(喜び、怒り、悲しみ、楽しみなど)

④社会としての精神的感情→宗教や芸術などに思いれる感情

一般的な感情は③の集団としての心的感情とされています。

しかし、実際に人の心は②と③の間を行き来しながら起ってきます。

うつ病が起きる際の、初期の感情変化は②で起こるそうです。

例えば、腰が痛い膝が痛いなどのはっきりとした特定の場所の痛みではなく、なんとなく全身が痛いという感じです。

また、原因がなく全身が疲れやすい、意味もなく緊張するなどです。

このような感情の変化が、突然、襲ってくるのが、うつ病初期の心の変化だそうです。

この点を見極めることが、うつかそうでないかの判断につながるとあっりました。

 

6.まとめ

最後にまとめとして、進化生物学から見た心の病というお話がありました。

不安、怒り、抑うつという一見否定的な感情は、人が進化の過程において獲得した感情で、「適応」すれば問題がなく、「非適応」になるとうつ病となるとありました。

すなわち、うつ病は誰でもなる可能性があり、決して性格的な問題で、うつ病になるわけではないということです。

また、不安、怒り、抑うつという感情は、人が生活していく上で、必要な感情であり、これらの感情を持つからと言って、そのことに対して自己を攻め無くてよいということです。

中村先生から、お薬と鍼灸、あるいは、認知行動療法、カウンセリングなどをうつ病患者さんに対して、一番効果的な方法を選択し、治療を進めていくのが良いとありました。

その意味からも鍼灸師や鍼灸治療には大いに期待している、特に、うつ病に伴って生じる身体の症状の改善には効果があることを実感しているということでした。

中村先生ご自身が、うつ病を含む精神的なびょきに対して、勤務先の病院にて所属している鍼灸師との連携しながら、日々、診療に当たられているので、今回の内容は、私たち鍼灸師にとって、励みのある内容でした。

確かに、大阪 心斎橋の鍼灸院 天空でのうつ病に関する鍼灸治療におきましても、身体の症状があるうつ病は、早く改善する傾向にあります。

これは、身体の症状が改善することにより、不快な刺激が減ることによりストレスから少し解放される、うつ病により生じている負のスパイラルが切断され、安心感が生じやすいからではないかと推定しています。

今回のセミナーから、今後、もっと、うつ病患者さんを改善に導けるように努力していかなければならないと思いました。

 

 

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