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アトピー性皮膚炎と決めつけない!近年の診断基準まとめ

2013年4月23日11:25 AM カテゴリー:アトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎の定義が変わりました。

アトピー性皮膚炎は、皮膚のかゆみのある湿疹などの症状以外に、さまざまな症状を伴うことが多くあります。
そこで近年、アトピー性皮膚炎症候群という概念でとらえられ始めています。

皮膚の症状とそのほか、多くの症状をまとめて、アトピー性皮膚炎としています。
少し難しいですが定義は以下の通りです。

「アトピー性皮膚炎は、憎悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」
分かりやすくは、「アトピー性皮膚炎とは、良くなったり、悪くなったりする、かゆみを伴う湿疹が主で、そのほかの症状もある病気です。患者さんの多くは、もともとアトピーになりやすい傾向にあります。」となります。

アトピー性皮膚炎の患者が持つ「アトピー素因」について

アトピー素因とは、以下のようなものです。

①家族にアトピー性皮膚炎の方がいる
②気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎のうち、いずれかの病気がある(複数、ある場合も含む)
③アレルギーの時に中心的な役割を果たす、免疫物質とされるIgEを作りやすい体質



これらのアトピー素因を持つことにより、アトピーになりやすくなってしまいます。

近年のアトピー性皮膚炎の診断基準をまとめました。

アトピー性皮膚炎の定義が変わり、診断基準も変化しました。
診断基準は、以下の通りです。

①かゆみ

②特徴的な皮膚の湿疹と分布
・皮膚の湿疹→急性、慢性両方を含む
・分布→左右対称性、良く発生する部位がある、年齢による特徴

③ 慢性で、反復性に経過をする
しばしば、新旧の皮膚の湿疹が、混在する
乳児では、2ヶ月、そのほかでは、6ヶ月以上を慢性とする
上の①,②および③の項目を満たすものを症状が軽い、重いを問わず、アトピー性皮膚炎とする

年齢による特徴をまとめますと・・・

乳児期:頭部と顔面
幼児期:顔面、関節部、首
年長期:手足の関節、背中、胸、腹
成人期:顔面が残りやすい、全身性から部分的に移行する
紅斑が強くなり、硬い苔のようになる
老人期:乾燥型の湿疹、硬い苔のようになる
以前の診断基準より、大まかになった印象です。
アトピー性皮膚炎は、比較的、子供に多く、全体の約60%を占めています。
診断に際しましては、参考基準もあります。それは・・・

①家族に、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎など、アレルギー体質の方がいる
②気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎などのアレルギーの病気を持っている
③乾燥肌で、ザラザラとした皮膚
④血清IgEの値が高くなる(参考程度)

いわゆる血液検査のデータは、参考程度です。
アレルギーの体質があり、皮膚にかゆみのある湿疹ができたら、アトピー性皮膚炎と判断しているようです。

アトピー性皮膚炎と診断された時、どう対応するか。

西洋医学的な治療の基本は、以下の3つとされています。

①原因、悪化が何によるかを捜し、対策をとる
②スキンケア
③お薬での治療

この中でも、近年は、スキンケアが最も大切とされています。
スキンケアの基本は、清潔、保湿です。
アトピー性皮膚炎が、悪化する要因を突き止め、対策をとることも大切とされています。

鍼治療による皮膚バリアの研究結果では…

鍼治療に関しても明治国際医療大学と花王との共同研究に皮膚バリア機能に対する鍼治療の影響というのがあります。
少し、引用し、ご紹介します。3つの分野を測定しています。

①角層水分量(肌のみずみずしさ)
②エリスマIndx(皮膚に吸収された光の量によるメラニン、日光に対する皮膚の状態の測定)
③TEWL値(皮膚の表面から水分が蒸発する割合)

鍼治療により、それぞれが、どのように変化するかを実験しています。
結果は以下の通りでした。

①角層水分量→変化なし
②エリスマIndx→若干の効果あり
③TEWL値→効果あり

ここから見えてくることは、鍼治療は、皮膚のバリア機能を高めることができるということです。
また、からだの水分量を増やすことはできないとも言えます。
当然といえば、当然です。鍼を刺すだけで、水分が増えますと、「無から有が生じる」となり、矛盾します。

皮膚バリア機能を高めることで、症状の改善を行っていく。
またアトピー性皮膚炎の原因の一つとされるストレス改善にも鍼治療を役立てることは出来ます。

これまでお薬や治療法などが合わなく、思うような効果が出なかった患者様は一度鍼による治療もお奨めします。

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