PAGE TOP

【緊張型頭痛】大阪市在住、20代 男性、鍼灸治療のケース

2013年9月13日2:10 PM カテゴリー:症例,頭痛

緊張型頭痛へ4回の鍼灸治療「1年以上続いた頭痛が無くなりました!」

頭痛というと、一時的に頭がガンガンするあの症状が想像しやすいかと思います。


ですが慢性的に続く頭痛は、日常の至る所で発症してしまう症状であり、その症状から関連した他の症状に結びつくケースもあります。
今回のケースは1年間続いた20代の男性への緊張型頭痛に対する鍼灸治療の経緯です。

改善するまで回復した症状を、当院来院日から振り返ってみます。

こめかみから後頭部にかけて締め付けられるような頭痛がする
1年前から、慢性的に頭痛がしている
慢性的な肩こり症
近所の内科で診てもらい、緊張型頭痛といわれた
朝起きて、会社に行き、デスクワークをすると痛くなる
連日性に痛み、最近は、ほぼ毎日、頭痛がする
マッサージを受けたり、お風呂に入っても、少しもよくならない
不眠気味で、2,3年前より、寝入りが悪くなり、途中で目が覚めるようになってきた

緊張型頭痛の鍼灸治療と施術後の状態について

来院当日の状態は頭痛のせいか少しくらい顔つきでした。
来院当日も朝から頭が痛く、気持ち悪いとのこと、 肩こり感がひどく、肩に何か乗っている感じとのことでした。

遺伝的に尿酸値は高いが他は問題がありませんでした。

冷え症で、冬場は特にひどく、手足がともに冷え、また腰痛も時々あるとのこと。
鍼治療は、初めてのことだったので、緊張された様子でした。

・初回の鍼灸治療
まず、うつ伏せになってもらい、首から肩にかけて、直径0.20ミリ、長さ48ミリの鍼を軽く刺していきました。また、背中にも筋肉に沿わすように同じ種類の鍼を左右に1か所ずつ刺しました。
 
このままの状態で、約20分間寝てもらいました。その後、すべての鍼を抜き、凝り感の残っているところに、丹念に鍼をしました。

その際に、右側の頭の付け根辺りに、筋肉の力が感じられないところがありました。そこだけは、筋肉が充実するような鍼をしました。

その次に、仰向けになってもらい、自律神経の乱れを改善するツボに鍼を刺し、「気(エネルギー)」の流れを調整し、脳への血流量が改善されるようにしました。

そのままの状態で、約20分寝てもらいました。

治療後は肩こり感は改善されたようでした。また、頭痛は少し軽くなった感じでした。

・2回目の鍼灸治療
頭痛を感じなくなってきたが、ぼんやりとした違和感が残っている様子でした。また、10日前より、右腕が痛み、力が入らないとありました。

頭痛の治療は、初回と同じにし、それに、腕の痛みを改善する治療を加えました。右側の頭の付け根の力のなさは少しだけ改善されていました。

治療後は頭痛はほとんど感じないが、腕の痛みは残っている様子でした。

ただ、腕への鍼は鍼独特の刺激がきつく感じられるようで、少し怖いとのことでした。このまま様子を見てもらい、次回は治療を変更することにしました。

・3回目の鍼灸治療
右手の脱力感が強くなり、まだらにしびれを感じるようになっていました。少し検査をしましたが、問題はなく、筋疲労によるものでした。

頭痛は消失していました。頭痛の治療は、初回と同じです。腕の治療は、腕の筋肉への負担減らすために、頭の「運動区」と呼ばれる領域に鍼を刺しました。

これにより、腕の筋肉の改善が期待できます。また、腕にも鍼を刺し、鍼に電極を繋ぎ、1ヘルツで、10分間、心地よい感じの強さで電気を流しました。

治療後は右手の握力は少し回復し、しびれは消えていました。

頭痛は全く感じなくなっていました。

・4回目の鍼灸治療で回復傾向にあるため、治療を終了
前回の治療と同じですが、電気を流す時間を20分に変更しました。

治療後は握力が戻った感じになっていました。しびれは前回の治療以降、感じなくなったそうです。頭痛もまったくなくなり、今回で、治療を終了することにしました。

施術者の感想

緊張型の頭痛は、長く続くことがありますが、1年近くになりますと、珍しいです。また、肩こり感がありながら、マッサージや、入浴で効果がないのも、あまり例がありません。痛み止めを飲みすぎることにより、連日性の頭痛になることもありますが、この患者さまは、そこまで飲んでおられませんでした。

他の頭痛のケースも考え、質問してみましたが、緊張型で間違いがないようでした。

ポイントは、他のところにありました。

一つは、不眠です。社会人になって4年目で、2,3年前より不眠傾向が出ています。交感神経の緊張が続き、引き起こしているようです。自律神経の働きが乱れてきているわけです。

このような場合には、マッサージや入浴などは効果が出ません。この患者さま、最近、東京から大阪へ転勤にされています。ここでも、ストレスがかかっています。

ご本人の自覚が無くても、「転勤」は、ストレス要因の上位に挙がっています。

「連日性に頭痛がし、最近は、ほぼ毎日、頭痛がする」がこれで、説明がつきます。

肩こりなどからくる緊張型頭痛に、ストレスからの自律神経の乱れが重なり、問題を複雑にしたようです。

右側の頭の付け根の筋肉に力がなかったのも、これによると考えられます。その場所に上手く血流が行っていなかったようです。

腕の痛みや力が入らないのは、いわゆる、使い痛みの状態でした。

今回の例では、肩こりなどの筋肉の緊張を取り除くことと、自律神経の乱れを改善する方法の両方を用いています。

治療の感覚を空けても、再発が見られず、比較的、早く改善されたのは、「若さ」によるともいえます。

東洋医学からの視点

ストレスから「血(栄養素)」の状態が悪くなり、また、「気(エネルギー)」の働きも落ちたことにより、脳まで血が十分に流れず、頭痛を引き起こしたようです。これを、「血虚頭痛」と呼んでいます。右側の頭の付け根の筋肉に力がなかったこともこれによります。

この患者さまの場合は、「血虚」を作った原因が、社会人になり知らず知らずのうちに「血」を消耗していたようです。

こうなりますと「肝」の働きが落ちます。この「肝」は筋肉を支配していますので、筋肉の働きが悪くなり、更に「血」という栄養素が十分に流れてこないため、固くなり、コリを作ります。

また、ストレスと「肝」の働きは、相関関係があります。「気」、「血」の両方面の不足があったので、1年という長い期間にわたり頭痛が続き、徐々にその頻度が多くなっていったようです。

このようなことで生じた凝り感は、その筋肉をほぐすだけでは改善しません。

原因である、「血」を増やす必要があります。

流れが悪くなっていますので、最初に、肩や首の凝り感を取り除き、流れやすくしました。その後、「気」や「血」を増やす鍼をし、増やしたうえで、頭に流れるよう持って行きました。


実際のお客様の声:【緊張型頭痛】大阪市在住、20代 男性、鍼灸治療のケース

宜しければ記事のシェアをお願い致します。

診療時間のご案内 トップページへ戻る
2022/12/9
2021年 妊活鍼灸の振り返り ー症例と総括ー
2022/12/3
2021年妊活鍼灸の振り返り4 ―症例―
2022/9/23
2021年妊活鍼灸の振り返り3 ―症例を中心に―
2022/4/17
2021年妊活鍼灸の振り返り2 -症例を中心に-
2022/2/14
2021年妊活鍼灸の振り返り1 -緒言と症例-
2021/11/30
2020年 妊活鍼灸の振り返り -症例と総括-
2021/4/21
2020年妊活鍼灸の振り返り ―症例を中心に―
2021/2/12
2020年妊活鍼灸の振り返りー緒言と症例ー
2020/1/7
2019年 妊活鍼灸の振り返り ―その3― (症例とまとめ)
2020/1/5
2019年 妊活鍼灸の振り返り ―その2―(症例を中心に)
>>もっと記事を読む
診療時間のご案内 当院アクセスマップ
トップページへ戻る

カテゴリ別記事

過去の記事

※免責事項:掲載された事例や患者様の体験談は個人の感想や成果によるものなので、全ての人への効果を保証するものではないことと御理解ください。施術による効果には個人差があります。