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2020年妊活鍼灸の振り返り ―症例を中心に―

2021年4月21日12:14 PM カテゴリー:不妊鍼灸,人工授精,症例,自然妊娠

前回に引き続き症例の簡単な報告になります。

 

前回にブログをアップしてからかなりの時間が経ち、続報のご紹介が遅くなり申し訳ありません。

 

できるだけ多くの方の参考になるようにと思いながら書いていきます。

 

 

1.30代女性

 

これまでの経過

 

・結婚後、1年ほど避妊期間がある

 

・3年前より不妊治療を始める

 

・人工授精を2回、試みた

 

・2回とも着床はしたが、それ以上は進まなかった

 

・体外受精で1度、妊娠したが、染色体異常で流産

 

・現在、移植周期で、今回で3回目の移植

 

・社会人になってから生理周期が不規則になった

 

・お薬を飲まないと生理が来ない

 

・不妊クリニックで黄体機能不全と言われた

 

・肩こりがひどく、なかなかほぐれない

 

・腰痛、目の疲れもある

 

・鍼は1年前まで別の鍼灸院で妊活の鍼を受けていた

 

・そこの鍼灸の先生がARTに否定的で、自分の考えと会わないので、こちらに転院した

 

 

鍼灸の経過

 

・初回と2回目

 

移植周期に入るとのことでしたので、緊張感をほぐすことや、血液の質を高めること子宮・卵巣への血流が多くなることを目的に進めていきました。

 

肩こりが強く腰痛もありますので、初めにうつ伏せの状態で、肩・腰に鍼を刺し、10分程度、そのままで寝てもらい、その後、鍼をすべて抜き、残りのコリを取りのぞくような鍼をしました。

 

使用した鍼は、使い捨てで直径 0.18ミリ、長さ30ミリです。

 

次に仰向けになってもらい、血液の質が良くなる、子宮・卵巣への血流が良くなる、緊張感が緩むことが期待できる手足のツボ、8ヶ所に鍼を刺し、20分程度、寝てもらいました。

 

使用した鍼は、使い捨てで直径0.16ミリ、長さ15ミリです。


 

・3回目

 

体外受精の結果、陽性反応が出たと報告がありました。

hcgの値も200を超えており、うれしかったとのことでした。

 

妊娠が持続することを目的とした鍼に切り替えました。

 

肩には軽く鍼をし、5分程度、そのままにし、その後、鍼を抜きました。

 

また、子宮に血液がいくような手足のツボに鍼をし、5分程度、そのままにして、その後、鍼を抜きました。

 

使用した鍼は、使い捨てで、直径0.16ミリ、長さ15ミリです。

 

・4回目

 

前回の後、流産になったそうです。

 

なかなか上手くいかないので、ストレスが強くイライラしやすいとのことでした。

 

鍼は初回と同じです。

 

・5回目

 

移植後、今回は順調に進んでいるとありました。

 

鍼は3回目と同じです。

 

その後、心拍確認が取れたと連絡がありましたが、予約のタイミングが合わず、それ以降は来院されていません。

 

 

2. 30代女性

 

〇これまでの経過

 

・2年前に妊活を始める

 

・タイミング法を試みるが、仕事が忙しく、うまくタイミングが取れなかった

 

・一度、タイミング法で妊娠するが、心拍確認できず流産

 

・その後、人工授精を3回ほど、試みるが結果は出ず

 

・生理周期は30日周期、5~6日間の生理

 

・3~4年前には、仕事が忙しく、生理痛が酷く、薬を服用

 

・残業は多くないが、PC作業が8時間で座りっぱなし

 

・慢性的に肩こり

 

・冬は足が冷え、朝が起きにくい

 

・後、何回か人工授精を試し、だめなら転院を考えている

 

・体外受精へのステップアップも考えている

 

・鍼は初めて

 

 

〇鍼灸の経過

 

・初回

 

人工授精後でしたので、妊娠を継続することを目的とした鍼をしました。

 

うつ伏せ状態で、肩に軽く鍼を刺しました。

 

次に仰向けになってもらい、子宮への血流が良くすることを目的に手足にツボに鍼をし、そのまま状態で20分ほど寝てもらいました。

 

使用した鍼は、使い捨てで、直径0.16ミリ、長さ15ミリの鍼です。

 

その後、妊娠力を高めるツボにお灸をしました。

 

 

・2回目

 

生理予定日になっても生理が来ないので少し期待しているとありました。

 

鍼灸は初回と同じです。


 

・3回目

生理が来て、少しがっかりした。

 

鍼灸は、肩こりや冷えを取りのぞくことを目的とした施術と、子宮・卵巣への血流改善を目的に行いました。

 

使用した鍼は、使い捨て、直径0.16ミリ、長さ15ミリと直径0.18ミリ、長さ30ミリです。

 

・4回目

先週、風邪を引き喉が痛いとありました。

排卵が予定をより早く、昨日、人工授精をし、レトロゾールを飲んだそうです。

 

鍼灸は初回と同じようにしました。

 

 

5,6回目

昨日、自己検査をしたが反応がなかったとありましたが、念のために初回と同じ施術をしました。

 

7~9回目

転院を考えているとありましたので、この患者さんに合いそうな不妊クリニックをいくつか紹介し、そこから転院先を決めてもらいました。

 

鍼灸は3回目と同じようにしました。

 

 

10,11回目

 

転院先の不妊クリニックで改めて詳しく検査をしてもらったところ、プロラクチンの値が下がっており、他のホルモン検査も異常なしということでした。

 

鍼灸は前回と同じです。

 

 

12回目

気づいたら自然妊娠していたので、主治医の先生も驚いていたとのことでした。

胎嚢確認もできたとありました。


 

妊娠をされたので、今回から妊娠を維持する、丈夫な赤ちゃん育つことを目的とした鍼灸に切り替えました。

 

うつ伏せの状態で肩と腰に数ヶ所、筋緊張を緩めることを目的に、肩と腰に軽く鍼を刺し、直ぐに抜きました。

 

その後、仰向けで妊娠維持、赤ちゃんが丈夫に育つことを助けるツボ数ヶ所に鍼を刺し、20分程度、寝てもらいました。

 

また、血流を良くするツボ数ヶ所にお灸をしました。

 

使用した鍼は、使い捨てで直径0.16㎜ 長さ15㎜です。

 

・13回目

心拍確認ができたとありました。

 

鍼灸は前回と同じです。

 

 

・14~17回目

赤ちゃんは順調に育っているとのことでした。

 

鍼灸は、つわりの症状が出てきたとのことでしたので、つわりを改善するツボに鍼を刺し、その他は前回と同じです。

 

・18~19回目

順調に進み、妊娠13週目を迎えました、ここまでくれば一安心です。

 

この後も、妊娠維持と元気な赤ちゃんを産むことを目的に通院してもらいました。

 

・20~27回目

順調に進んでいましたので、通院間隔も2周から3週に1回になっています。

 

鍼灸は12回目と同じです。

 

今月で会社は産休に入ったとの戸で、ここで鍼灸は一旦、終了となりました。

 

その後、無事、出産した報告を受けています。

 

 

3.20代女性

 

〇これまでの経過

 

・今年の春から妊活を始めた

 

・まだ詳しい検査は受けていない

 

・基礎体温を測り、アプリで計測していたが、日にちがバラバラでしんどくなり中止した

 

・タイミングで1度、妊娠したが胎嚢確認後、流産した

 

・甲状腺機能低下症の疑いでチラージンを1ヶ月、服用

 

・タイミングと取りながら体外へのステップアップを考えている

 

・貧血気味で10代の頃、電車の中で何回かクラクラしたことがある

 

・社会人になりPC作業をするようになり後頭部を中心に頭痛になることがよくある

 

・頭痛は汗をかくと良くなり、雨が降ると悪くなるという特徴がある

 

・便秘が酷く、お薬を飲んでも出ない時がある

 

・生理周期は31日で一定

 

・生理痛が酷く、5年前まではピルを飲んでいた

 

・冷え症で、手足が冷え、上半身がのぼせる感じ

 

・鍼は美容鍼と肩こり・腰痛で経験がある

 

 

〇鍼灸の経過


 

・初回

 

肩こりと腰痛の改善を目的にうつぶせの状態で、首、肩、腰の反応のあるツボに鍼を刺し、そのまま10分程度、寝てもらいました。

 

その後、全ての鍼を抜き、残っているコリを丁寧に取り除く鍼をしました。

 

使用した鍼は、使い捨てで、直径0.18㎜ 長さ30mmです。

 

次に仰向けになってもらい、冷えを改善するツボや、子宮・卵巣への血流を良くするツボ数ヶ所に鍼を刺し、そのまま20分程度、寝てもらいました。

 

使用した鍼は、使い捨てで直径0.16㎜ 長さ15㎜です。

 

 

2回目

便秘気味だか鍼の後に直ぐに排便があり驚いた、また、生理が初めて28日で来て、生理痛もあまりなかったので、「鍼って凄い」と思ったとありました。

 

鍼灸は初回と同じです。

 

 

3~7回目

卵管造影検査をしたそうです。

この間の生理の時も、生理痛が少なく経血もちゃんとあったとありました。

 

8回目

人工授精を受けて来られたそうです。

この間にご主人が精子検査を受けられたそうですが、異常なしとのことでした。

 

鍼灸は妊娠しやすくなる、妊娠を継続できる施術に切り替えました。

 

 

9回目

 

3ヶ月間ほど来院されなかったので、いろいろ心配していましたが、前回の人工授精で妊娠をし、つわりが酷くなったので、その改善をして欲しいと来院されました。

 

鍼灸はつわりの改善と妊娠維持や丈夫な赤ちゃんに育つような施術に切り替えました。

 

 

10,11回目

つわりも落ち着いてきたとありました。

 

鍼灸は9回目と同じです。

 

その後、通院がありませんが、無事、出産されていると思います。

 

 

少し長くなりましたので、残りを次回にし、そこで総括もしたいと思います。

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