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不眠に悩む現代日本人:不眠症が鍼灸で改善する理由とは?

2017年10月31日4:35 PM カテゴリー:不眠症

☆鍼灸で不眠症が改善する!?

あまり知られていませんが、鍼灸治療は不眠症に有効な治療法の一つです。

鍼灸が不眠症に聞く理由は、多くありますが、その中でも、最も大きく作用するのは、睡眠に関するホルモンの分泌量を正常化できることにあります。

 

〇睡眠に関係する2つのホルモン

 

睡眠のメカニズムに関係しているのは、脳の松果体というところになります。

この松果体から睡眠を制御している2つのホルモンが分泌されます。

それは、メラトニンとセロトニンです。

 

1.メラトニン

 

睡眠は体内時計(生物時計)の作用で、覚醒と睡眠を切り替え、自然な眠りを呼び込みます。

この体内時計(生物時計)に、働きかけるホルモンに、メラトニンと呼ばれるものがあります。

このホルモンは、脳の松果体というところで作り出しています。

メラトニンは、概日リズム(サーガディアンリズム)および、睡眠-覚醒周期を制御しており、睡眠と深い関係があります。

朝、強い光を浴びますと、目から取り込まれた光が、信号変換され松果体まで送り込まれます。

光信号を感じた松果体は、メラトニンの分泌を抑制します。

メラトニンは目覚めてから約14~16時間経ちますと、生物時計から指令が出て、再び分泌され、眠気を催すように働きます。

仕事や勉強で夜遅くまで起きていますと、このメラトニン分泌のリズムが崩れ不眠症を引き起こします。

昼夜交代制の仕事も、同じように、不眠を生じやすいといえます。

 

2.セロトニン

 

松果体は、冷静な感覚を高める、ストレスや不安を低下させる、眠気を誘導する神経伝達物質であるセロトニンを作っています。

このセロトニンも強い光を浴びることがない、概日リズムを乱す日常生活により、作られる量が減少します。

セロトニンの不足により、眠気が強くならず、不眠症を引き起こします。

また、このセロトニンはうつ病との関係も深く、不安感や抑うつ症状なども生じるようになります。

 

3.メラトニンとセロトニンの関係

 

メラトニンには夜間に多く分泌され、セロトニンには昼間に多く分泌されます。

睡眠にはメラトニンが必要ですが、メラトニンはセロトニンから作られます。

そして、セロトニンはトリプトファンから作られます。

トリプトファンは必須アミノ酸で、体内で作られることがありませんので、食べ物からとる必要があります。

ただ、セロトニンを増やすことはできます。

セロトニンを増やすことにより、メラトニンの量が増え、不眠改善につながります。

 

☆睡眠に関係するホルモンに作用する鍼治療

 

1.メラトニン、セロトニンを増やす鍼治療

 

鍼治療は、この睡眠に関係するメラトニンやセロトニンの量を増やすことができます。

特に、セロトニン量を増やすことに関しましては、動物実験などでいろいろ確認されています。

参考になるサイトを挙げておきます。

http://www.meiji-u.ac.jp/research/files/9863ae720edc0da7984122b5a0dfe7db.pdf

脳内セロトニンには、ストレスの緩和、心を落ち着かさせる作用がありますので、睡眠状態を作り出すことに繋がります。

そして、セロトニン量の増加によりメラトニン量が増え、睡眠を呼び起こします。

 

2.脳の働きを改善する鍼治療

 

鍼治療は脳血流を改善できることが分かってきています。

片頭痛に関する研究ですが、そのことを研究したサイトを紹介しておきます。

http://www.saitama-med.ac.jp/jsms/vol39/01/jsms39_039_040.pdf

睡眠に関係する松果体は視床、視床下部に挟まれたところにあります。

上のサイトでは、視床、視床下部の血流量が増えたとありますので、松果体の血流が増えるといえます。

このように血流が改善されますと、改善された部位の働きが正常化されていきます。

鍼治療により、松果体への血流量が増えることにより、概日リズム障害により傷ついた松果体の働きが改善されます。

これによりメラトニンが、規則正しく分泌され、不眠の改善につながります。

このように鍼灸治療は、メラトニンやセロトニンの量を増やす、松果体の作用を改善するという2つの方向から、不眠を改善することができるわけです。

また、不眠の要因に精神的ストレスやうつ病などの心の病気があります。

鍼灸治療により、セロトニンが増えることにより、心地よさが得られ、ストレス対応ができ、抑うつ症状の改善にもつながります。

脳血流量の改善により、自律神経の働きも改善され、不眠による不安感を解消でき、不眠を改善できます。

自律神経の働きの改善は、不眠だけでなく、不眠から生じるさまざまな症状や、逆に不眠を引き起こすいろいろな症状を解消することができます。

 

まとめ

 

不眠症への鍼灸治療は、脳血流量を増やし、睡眠に関するホルモン分泌量を正常化にする、それと同時に、自律神経系の働きを活性化する、前向き感や、やる気が出るホルモンの分泌を増やすことができます。

鍼灸治療は、不眠症を改善するだけでなく、快適な日常生活をもたらすことができるのが、他の治療との違いといえます。

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