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鍼灸はバランスを取ることで妊娠に導きます

2018年5月15日8:31 AM カテゴリー:お勉強,お話,不妊鍼灸

東洋医学の中心的な概念に、陰陽論というものがあります。陰陽論は、全てのものは陰と陽に分かれ、また分かれたものの中にも、更に陰陽があるというものです。

陰と陽は対立する概念ですが、互いにバランスを保っているものでもあります。例えば、人間のからだで言うなら、自律神経のようなものです。

自律神経は、交感神経と副交感神経という二つの神経が、互いに拮抗関係で働いています。

交感神経は、活動的に動くときに働く神経で、最も特徴的な働きは、外敵と対峙した時です。

目の前に自分と戦える程度の敵が現れ、逃げることができなければ、選択肢は戦うしかありません。



【陰陽論と自律神経】

外敵と戦う時には、より大きな力が出せるように、大きな筋肉に血液を巡らせます。逆に皮膚や手足の先は、敵と戦った時に傷口からの出血を防ぐために、細く収縮した状態になります。

そして直ぐに動けるように、心臓は走った後のようにバクバクと心拍数を上げています。


逆に副交感神経は、外敵と戦った後の休息時に、からだを回復させるための神経です。そのため、血液は大きな筋肉から、からだの隅々や内臓に送り込まれます。

大きな力を出す必要がないため、筋肉に血液は必要ありません。休息時は、消化吸収を高めて、傷の修復に必要な栄養分を傷付いた細胞へ運ぶのです。

こうした自律神経のバランスを調整するということは、東洋医学に古くから伝わる陰陽論という概念と、非常に近しいことなのです。

そして自律神経のバランスを調整すると、妊活にとって役に立つことがたくさんあります。

【自律神経のバランスと妊活】

自律神経は、内臓働きをコントロールする神経です。消化吸収の為の胃腸だけではなく、子宮や卵巣も自律神経の働きで活動しています。

また子宮や卵巣に繋がる血管も、自律神経の働きで調節されています。交感神経ばかり高ぶっていれば、あなたの卵巣には十分な血液が送られず、卵胞の成長に影響が出てしまいます。

子宮に血液が送られなければ、子宮内膜の肥厚や、分泌物にも影響が出てしまうため、着床をすることができません。

鍼灸治療でしっかり副交感神経を働かせると、あなたの妊娠する力を高めることができます。

また自律神経が妊娠と関わる、もう一つの大きな働きが、免疫の力です。

【自律神経と免疫の働き】

子宮や卵管の中は、膣を通じて外界と繋がっているため、常に感染症の危機と戦っています。そのため免疫が発達し、雑菌などが子宮や卵巣に入らないようになっています。

ところが妊娠するためには、精子というあなたにとっての異物を、体内に導く必要があります。

しかも受精卵となってからは、あなたの子宮内膜にそれを取り込み、ある意味一体化しなくてはいけません。

受精卵も1/2は異物ですので、免疫が働いていしまうと、受精卵を攻撃することになります。

そこで受精や着床が起こる排卵後には、一定期間免疫の働きが弱まる、免疫寛容という現象がおこります。

この免疫寛容を起こすためには、体内のリンパ球のバランスが重要になってきます。リンパ球のバランスは、あなたの自律神経が調節しています。


自律神経のバランスが崩れると、Th1/Th2という免疫のバランスが崩れ、どちらが亢進しても不妊傾向が出てしまいます。つまりバランスが大事だということです。

鍼灸治療も、どちらか一方を上げたり下げたりするものではありません。あくまでもバランスを取るということなのです。

陰陽論のように、古くからこうしたバランスを取る医学として考えられてきた東洋医学は、一方的に力を強める西洋医学と違い、バランスを取って現代医療が扱えない不妊に強い効果を発揮するのです。

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