体外受精の胚移植は週末が良いという研究結果
2018年4月16日11:08 AM カテゴリー:
不妊症
こんにちは 不妊鍼灸専門治療院『鍼灸院 天空』の冨田です。
今回ご紹介するのは、「体外受精の成功率が平日と休日で違うのか」という研究です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27123200
「平日および週末における胚移植の成功率の比較:トルコ Celal Bayar大学医学部」
この研究では、体外受精で得られた受精卵を、平日に胚移植を行う場合と、週末に戻す場合で成功率が変化するのかを調べるために実施されました。
平日に胚移植を行ったグループは156名、週末は32名で、合計188名で行われました。
その結果、平日のグループでは40.2%の成功率となり、週末のグループでは54.8%の成功率となりました。
母数が小さく、両者の実施数がかなり異なるため、統計学的に有意な差とは言えないようですが、臨床的に約15%の妊娠率の差というのは、大きいようにも感じます。
【選べるのなら週末かストレスのない時期に】
日本の場合、ホルモン剤で調節して移植日を決める際には、病院の都合に合わせて移植日を決めることが多いと思います。
移植後の過ごし方も病院間で差があり、移植後1~2時間安静を取ってから帰宅をする病院と、数分の休憩で帰宅する病院まで様々です。
移植日を週末にすると、移植後のんびりと過ごすことができるため、ストレスが少なく済みます。
体外受精の成功率とストレスの感じ方には相関関係があり、ストレスが少ないほど成功率が高くなることは有名です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29528174
不妊症カップルのストレスはIVF結果に影響を与える
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29422163
IVFを受けいている女性のストレスを軽減すれば結果に反映する
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29440044
胚移植当日の鍼灸治療は、患者のストレスレベルを下げ結果に影響を与える
3本目の論文にあるように、鍼灸治療は心理的なストレスに対する効果もあるため、胚移植当日に受けて頂くと妊娠率が高くなることが多くの論文で示されています。
それに加えて移植日を週末にするだけで成功率が変わるなら、体外受精の胚移植で成功率を上げるためには、
・週末あるいは休日前に移植日を設定する。
・胚移植当日に鍼灸治療を受ける。
・移植後は自宅でのんびりと過ごす。
・それ以降はあまり結果を気にせず、いつもと同じように過ごす。
という生活が理想的です。
当院のブログや記事でも、胚移植当日の鍼灸治療は閲覧数が多く、不妊に悩む多くの方が、鍼灸治療に興味を持って頂いているのがよく分かります。
胚移植当日の鍼灸治療は、必要最低限の費用で効果を挙げる方法としては優れていますが、質の良い胚を作ることや、子宮内膜を着床しやすくするには、少し時間が足りません。
こうした多面的な効果を得るためには、採卵前から鍼灸治療を受けて頂く方のが理想的です。
そうすれば、妊娠を諦めかけていたあなたにも、良い結果が得られるはずです。