あなたの妊活が成功するためには、
・卵胞を育てる
・排卵する
・精子を育てる
・射精する
・受精する
・着床する
・妊娠を維持する
といった全ての過程を、クリアする必要があります。
不妊治療を受けているあなたにとっては、それは非常に長い道のりだとお感じになるのではないでしょうか?
仮に体外受精を行って、多少その道のりが短くなっても、長い道のりには変わりありません。
ところが、実際には排卵までが順調に進めば、こうした長い道のりは、一気に短くなります。
排卵までが大きな山場なのです。
【排卵までが一番重要な理由】
まず排卵までの道のりを簡単にご説明します。
今回あなたが排卵する卵は、卵巣の中で、数か月前に目を覚ました卵です。
出生時に卵巣の中にある卵は、お母さんのお腹の中である程度まで成長してから出生時には眠りに就き、思春期になるまでは、眠った状態で過ごします。
思春期になると、第二次性徴の訪れとともに、毎月数十個の卵胞が成長を開始します。
毎月育つ卵胞は、排卵前には殆どの卵胞が成長を停止し、1個だけが育つようになります。
あなたが今回排卵した卵は、約3ヵ月前に目を覚まし、時間を掛けて卵胞の中で育った卵です。
この3カ月間、栄養やホルモンを十分に供給されると、あなたの卵胞は十分に成長し、質の良い卵が育ちます。
【生理周期とホルモン分泌】
生理が起こってから排卵までの期間は、卵胞期と呼ばれる期間です。卵胞期は、卵胞が急成長し、排卵に向かうための準備期間でもあります。
脳の視床下部からGnRHというホルモンが分泌されると、同じ脳にある下垂体という部分からFSHとLHという2種類のホルモンが分泌されます。
この2種類のホルモンは、同じ卵巣に対して働きますが、卵巣の中ではそれぞれ別の細胞に働きかけています。
LHが働く細胞では、血液中のコレステロールからアンドロゲンという男性ホルモンを作ります。
FSHが働く細胞では、このアンドロゲンからエストロゲンを作る働きをしています。
2種類のホルモンの働きがバランスよく働けば、エストロゲンが十分に作られ、卵胞の成長と共に、子宮内膜を肥厚させることができます。
LHとFSHのバランスが崩れると、卵胞が成長せず、子宮内膜も肥厚しません。
また排卵も起こらない為、排卵後に訪れる高温期になっても、あまり体温が上がりません。
排卵が起こらなければ、妊娠することはありませんので、不妊になってしまいます。
もし排卵が無事起こっても、LHとFSHのバランスが乱れたり、LHとFSHを分泌する下垂体への命令が上手く出ないと、卵胞の成長が悪かったり、卵の質が悪くなってしまい、妊娠しづらい状態になってしまいます。
排卵までをいかにスムーズに行うかが、その後妊娠できるかどうかに大きく関わるのです。
【排卵までをスムーズにして妊娠しやすいからだにしましょう】
今までに不妊の原因が分からなかった方の中には、排卵までの仕組みがスムーズに働かず、卵胞の成長が上手くいかないことで、卵の質が悪くなり、妊娠に至らない方がいらっしゃいます。
またそれとは別に、局所的に卵巣の働きが低下している方もいらっしゃるでしょう。
こうしたからだ全体の働きが低下している方や、卵巣の働きが低下している方には、鍼灸治療がお勧めです。
排卵までの働きをスムーズにできるように調整すると、それ以外の部分でも妊娠しやすい状況が生まれてきます。
『排卵までの働きをスムーズにすることで得られる効果』
・生理周期が整います。
・タイミングが取りやすくなります。
・卵の質が良くなります。
・AMHが高くなります。
不妊に対する鍼灸治療では、生理周期のコントロールタワーである視床下部に働きかけ、生理周期を整える働きがあります。
またFSHとLHのバランスを整えることで、排卵がしやすい環境になることも分かっています。
さらにエストロゲンやプロゲステロンも分泌されやすくなり、今まで原因不明と諦めていたあなたの妊娠する力を高めます。
それ以外にも、子宮の筋肉を働きやすくすることで、排卵時期に精子を受精部位に送りやすくなる効果や、ストレス軽減により、ストレス性の不妊を改善する働きもあります。
つまり、鍼灸治療で排卵までを調節すると、それ以外の要素も改善するということです。
子宮の収縮が正常に行われるだけでも、男性不妊の一部を補うこともできます。
これが題名にある、「排卵までが上手くいけば、妊活の成功率が50%上がる」という意味です。
女性のおからだだけではなく、男性側の要素まで補うことができるのですから、妊活の成功率が50%上がるというのも、まんざわ大げさではないはずです。