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精子は運動率・奇形率・濃度よりも総量が大事

2018年5月22日8:41 AM カテゴリー:不妊症

男性不妊の検査を受けると、精液の量、精子の数、運動率、濃度などが調べられます。その検査結果をWHOの基準や、不妊専門病院独自の基準で診断し、男性不妊としています。

精液の質が悪かったり、精子の数や運動率が低かったりすると、洗浄という過程を経てから、更に濃縮して人工授精を行うことも多々あります。

こうして精液に手を加えるということが、妊娠にプラスに働くのかどうかは、難しい問題です。洗浄は、精子の運土率を上げるために処理されますが、洗浄をを施すと、精子の寿命が極端に短くなります。

洗浄を施された精子は1日程度しか生きていませんので、タイミングが正確でなければ、処理をした方が返って妊娠の確率は下がってしまいます。

濃度を高くすることも、妊娠にプラスに働くのかどうかは実際のところ分かりません。そこで海外で行われた研究をご紹介します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29553043


こちらは、カナダで行われた精子の状態と妊娠に関する研究です。この研究では、精子の総量、濃度、運動率の3つの要素の内、妊娠と相関関係の見られるのはどの要素であるかを調べました。

総勢1831人のカップルが2231回の人工授精を行い、精子の状態と妊娠との相関関係を調べたところ、3つの要素を組み合わせて得られた結果は、妊娠率の低下が見られたのは唯一総精子数だったとのことです。

結果分析の中で「妊娠を予測するための重要な要因は、検体中の精子の総量であり、1ミリリットルあたりの精子の濃度ではありませんでした。」とあります。

人工授精は、余り成功率が高くない生殖補助として有名です。医師によっては、人工授精は体外受精前の単なるワンステップと考えている方もいるようです。

今回のように、濃縮すること自体に意味がないとすれば、日本で行っている人工授精の方法自体が間違っている可能性もあります。間違った考えや方法で行えば、成功率が下がっても仕方ありません。

鍼灸治療や栄養療法で男性不妊を改善する場合には、精子の量や質自体が改善するため、男性不妊で人工授精をする前には、男性の鍼灸治療をするべきだと思います。

不妊鍼灸の現場には、あまり男性はいらっしゃいませんが、ご夫婦で来院される場合には、女性単独よりもかなり妊娠率が高い印象は受けます。

男性の不妊鍼灸受診率が増えれば、人口受精の成功率は、体外受精に負けないくらいになるのではないかと考えております。

 

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