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運動不足と多嚢胞性卵巣症候群の関係

2018年6月11日9:25 AM カテゴリー:不妊症

多嚢胞性卵巣症候群は、比較的よく見られる排卵障害です。多嚢胞性卵巣症候群は、肥満女性に多く見られるという特徴があるため、欧米などでは特に多いようです。

この多嚢胞性卵巣症候群には、生活習慣などが深く関わります。運動不足の方や、糖質をたくさん摂る傾向のある人では、多嚢胞性卵巣症候群になりやすいようです。

そこで多嚢胞性卵巣症候群のことや、なりやすい傾向、更に鍼灸治療についてもご紹介します。

 

【多嚢胞性卵巣症候群とは】

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、卵胞が成長せず、小さな卵胞が排卵されないまま、卵巣の中にたくさん残ってしまいます。

その卵巣の様子が、真珠のネックレスの様に見えることから、ネックレスサインと呼ばれます。


このネックレスサインは、下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)が高いという特徴があるため、生理開始から2~3日の時点で血液検査をすると分かります。

このLHというホルモンが高い方は、血糖値を下げるためのホルモンである、血中インスリン濃度も高いという特徴があります。どうもインスリンが高いと、LHの分泌が増えるようなのです。

LHというホルモンは、卵巣の中で、エストロゲンという女性ホルモンを作るホルモンです。卵巣の中では、アンドロゲンという男性ホルモンからエストロゲンを作っています。


多嚢胞性卵巣症候群の方は、LHが多く分泌されていますので、アンドロゲンが多くなり過ぎてしまいます。

男性ホルモンが多く作られるため、エストロゲンになり切れないアンドロゲンが増えることで、卵胞が上手く育たなくなります。

インスリンが高いということが、LHが高いということに繋がり、アンドロゲンをたくさん作ることで、卵胞の成長を妨げ、ネックレスサインを作り上げたのです。


 

【高インスリン血症と運動】

 

高インスリン血症になる方は、先天的にインスリンの働きが悪い人以外は、肥満の方に多く見られます。

肥満になってしまう方は、糖質の摂取量が多く、大量の皮下脂肪は、糖質をインスリンの働きで皮下脂肪に変えたことで作られています。

そのため高インスリン血症を防ぐためには、肥満を予防することをすれば良いのです。例えば、食事内容の改善や運動習慣がそれに当たります。

ここで面白い論文をご紹介します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22260889


この論文では、10代女性(恐らく中学生~大学生)の運動習慣と多嚢胞性卵巣症候群について書かれています。集められた10代女性81名の内、35名は多嚢胞性卵巣症候群であり、残りの46名は、多嚢胞性卵巣症候群ではない女性でした。

多嚢胞性卵巣症候群の女性は、運動習慣があまりなく、運動習慣と多嚢胞性卵巣症候群は相関関係があることが分かったとあります。

この研究では、運動と言うことだけではなく、日常生活の傾向として座っている時間の長い女子は、多嚢胞性卵巣症候群の傾向があるということのようです。

子どものことですから、座っている時間が短い=活発で動き回るこどもということのようです。つまり、「子どもの頃から活発に動き回る女性は、多嚢胞性卵巣症候群になりにくい。」ということのようです。

 

【鍼灸治療も多嚢胞性卵巣症候群を改善できます】

 

自分で積極的に皮下脂肪を減らす以外にも、鍼灸治療は多嚢胞性卵巣症候群を改善できます。多嚢胞性卵巣症候群は、上で説明したように、下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)が過剰に分泌されるために起こるのです。

鍼灸治療は、LHの分泌をを減らし、FSHとLHのバランスを整えることで、排卵を正常化する効果が、広く認められています。

女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されると、排卵がスムーズに行われるため、多嚢胞性卵巣症候群は改善されます。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29696918
こちらの研究では、鍼灸治療により多嚢胞性卵巣症候群の特徴である、LHが高いということが改善され、生理不順も改善されたとあります。

さらに、流産率が改善され、排卵誘発をして採卵する際のOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の発生率が下がったとあります。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29231341
こちらの研究では、西洋医学のホルモン剤との効果を比べた結果、殆ど差が無かったとあります。また、生理不順が改善するまでの時間や、BMIスコア(肥満指数)は鍼灸の方がより改善されたそうです。

 

その他にも、海外では多くの多嚢胞性卵巣症候群に対する鍼灸治療の臨床研究が進んでいます。その中でも、特に多いのは、投薬治療と鍼灸治療の併用で高い効果を挙げているというものです。

鍼灸治療は、他の治療法との併用効果が高いため、病院に通いながらや、他の治療を受けながら併用できます。

薬だけでは効果が無かった多嚢胞性卵巣症候群の方も、鍼灸治療を併用すれば、妊娠への近道ができるということです。

また多嚢胞性卵巣症候群の女性は、体外受精や顕微授精でも妊娠率が低いため、こうした高度医療との併用もお勧めです。

鍼灸治療と高度生殖医療を併用すると、採卵数の増加、胚盤胞の質向上、OHSSの低下、妊娠率の向上、流産率の低下、などの多くの利点があります。

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