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不妊鍼灸における遠隔治療と局所治療の違い

2018年7月17日1:24 PM カテゴリー:不妊症

 

不妊鍼灸だけではなく、東洋医学的な鍼灸治療には、遠隔治療と局所治療があります。これを東洋医学では、本治法と標治法と言います。

本治法は、手足の末梢近くにあるツボを刺激して、脳を仲介して五臓を整える方法です。そのため、手首や足首の周囲のツボを刺激するだけで、内臓を動かしたり、ホルモン分泌を調整したりできます。

標治法は、標的とする内臓などを直接的に刺激する方法です。不妊鍼灸の場合には、目的とする子宮や卵巣の近くにあるツボを利用します。海外の文献などを見ても、比較的似たツボを利用することが多いようです。

よく使用されるツボとしては、関元穴、天枢穴、子宮穴、腎兪穴、関元兪穴、次髎穴、中髎穴、命門穴などが多いようです。

これらのツボは、大体腹部ではへそから恥骨辺りまで、腰では第2腰椎から尾骨辺りまでとなっています。

この本治法と標治法を、私たち鍼灸師は少し違った意識で治療しています。その違いについて、ご紹介します。

 

【標治法】

 

標治法は、先ほどご紹介したように、いわゆる局所治療です。そのため西洋医学的に不妊原因がある程度分かると、子宮や卵巣など標的を絞って施術を加えることができます。

どうしても分からなければ、子宮と卵巣の両方に施術を加える目的で、広い範囲に施術すれば大丈夫です。

骨盤や腹部周辺に加えられた刺激により、周辺の交感神経の働きを制限し、その結果、副交感神経が優位になることで、毛細血管が拡張して血流が良くなります。

標治法は、比較的分かりやすいため、簡単に誰でも行うことができます。不妊鍼灸専門治療院ではなくても、鍼灸免許を持つ鍼灸師さえいれば、行いやすい方法だと言えます。

ただ本当に高い効果を出そうとすれば、ツボの位置や深さ、方向、刺激量などの調整が必要ですので、高い技術が必要です。

より高い効果を出すためには、不妊鍼灸を専門的に行う鍼灸院の方が良いと思います。


 

【本治法】

 

本治法は、遠隔治療が主となります。肘や膝よりも遠位にあるツボを使用し、少ない刺激量でも大きな反応を得ることができます。

鍼灸業界では、本治法ができる鍼灸師が、より高いレベルの施術をすることができると考えられています。

そのため知識や経験が問われる、非常にレベルの高い施術が、この本治法だと言えます。当院でも、この本治法を習得するために、非常に長い研修時間を設定しています。

毎週水曜日は、朝10時から夜7時までを、全て研修時間に当てて、社員全員のレベルアップを図っています。

本治法は、その人によって違う経絡と経穴(ツボ)を使用するため、より正確な東洋医学的診断が必要になります。


正しく本治法を使用すると、西洋医学では苦手とする機能性不妊を、妊娠に導くことができます。形になりにくい本治法を正しく伝えるため、当院では後進の育成に時間を掛けているのです。

 

 

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