PAGE TOP

母親の腸内細菌叢は新生児の免疫系に影響を与える

2018年7月27日12:54 PM カテゴリー:不妊症,産後の体調

海外で面白い研究がされていました。この研究では、母親牛の腸内細菌叢(フローラ)が子牛に与える影響を調べたそうです。

研究では母体の腸内細菌叢を人為的に乱す為に、細菌を殺す働きのある抗生物質を餌に混ぜ、腸内細菌を人工的に殺菌することで、腸内細菌叢を乱した状態を作り出したのです。

実験では、出産の5日前から産後15日まで、バンコマイシンという抗生剤をエサに混ぜました。そして母親牛の腸内細菌叢を破壊した上で、授乳を通して子牛にどのような影響を与えるかを観察しました。

すると、母親牛の母乳には抗生物質は含まれませんでしたが、子牛の腸内細菌叢にも影響が及んだそうです。また子牛の免疫抗体を調べると、そこにも影響が見られたということです。

つまり、母親の腸内細菌叢を乱したことが、間接的に子牛の腸内細菌叢にまで影響を与え、免疫力にも影響を与えるということです。

このことは、実に多くのことを示唆しています。

 

【腸内細菌叢の変化が子宮内環境や免疫力の変化を生む】

 

赤ちゃんに与える初乳には、免疫に関係する物質が含まれていることは有名です。この抗体と呼ばれるものが、今回の実験では少なくなっていました。

恐らく腸内細菌叢が乱れたことで、適切な免疫応答ができない状態だったため、免疫抗体も上手く作ることができなかったのでしょう。

また胎内では、赤ちゃんのお腹の中には細菌叢が無く、分娩時に、母親から感染と言う形で細菌叢を受け継ぎます。つまり母親の細菌叢が、子どもに受け継がれるのです。

赤ちゃんが初めて最近に感染するのは、産道だということです。この産道と呼ばれる子宮頚管や膣の中は、乳酸菌が生息しているため、この乳酸菌を母親から受け継ぐのです。

この時、母親の産道に雑菌が繁殖していると、赤ちゃんはその雑菌を受け継ぐことになります。勿論、その他のウイルスや病原微生物でも同様です。

特に性感染症などは、赤ちゃんに深刻なダメージを与えることがあります。母親の胎内は、常に赤ちゃんとリンクしているという意識が必要です。

これから赤ちゃんが欲しい方は、自分の腸内環境や子宮内環境が、適切であるかを考える必要があります。

特に腸内環境は、子宮内環境にも強い影響を及ぼします。腸内細菌叢は、血行性に子宮にも影響を与えるようで、腸内細菌叢と子宮内細菌叢はリンクしているようです。

そのため、子宮内細菌叢が乱れた状態である慢性子宮内膜炎は、乳酸菌を口から摂ることで、症状が改善されることがあります。

これは膣内細菌叢も同様ですから、腸内細菌叢を整えることが、産道の細菌叢を整え、赤ちゃんんに良い細菌叢を与えられる条件になる、ということです。

 

【母親として腸内細菌叢を整えるには】

 

生まれたての赤ちゃんが、全く無菌状態だった腸内細菌叢を急激に発達させることができるのは、母親からの菌の提供と、もう一つ大きな役割をしているものがあります。

それは母乳です。母乳に含まれるオリゴ糖が、乳酸菌のエサになり、急激に腸内細菌は増えているのです。

オリゴ糖は、短い分子構造の食物繊維です。‘オリゴ=短い’という意味で、短い分子構造を持つ糖類を、全てオリゴ糖と呼びます。

そのため、乳児用の人工ミルクには、全てオリゴ糖が入っています。オリゴ糖は、大人の腸内でも同様に、乳酸菌のエサとして働きます。

そのためオリゴ糖を食べると、腸内の乳酸菌が増えることで、様々な変化が起こってきます。

<乳酸菌が増えることで起こる変化>

・おならが出る。お腹が張る。
・便が水に浮かぶ
・腸の蠕動運動が活発になる。
・便が黄色くなる。

こうした変化が起こってくると、免疫系にも変化が及ぶことがあります。例えば、アレルギー疾患が軽くなるといった変化です。

腸内細菌叢が整うと、免疫が適正化されるため、免疫系疾患は改善されることがおおくなります。但し、急激に変化が起こった場合には、下痢の傾向が出たり、お腹の張りが痛いほど出ることがありますので、注意が必要です。

 

【妊活中は腸内細菌叢を気にして下さい】

 

良い腸内細菌叢の状態とは、どのように知ることができるのでしょうか?それを最も簡単に知るには、あなたの便の状態を日々観察することが重要です。

先程、乳酸菌が増えた時の身体の変化をご紹介しました。その延長線上に、便の変化があります。便の状態を観察することで、あなたの腸内に、しっかりと赤ちゃんに与えることができる腸内細菌が育っているか、を知ることができます。

<良い腸内細菌が育っている時の便>

・快便で便秘をしない。
・便がトイレの水に浮かぶ。
・便が臭くない。
・便が黄色っぽい。

こうした便と違い、黒く臭い便が、少量だけ便秘がちに出るなら、あなたの腸内には悪玉菌が沢山いる状態です。

腸内細菌叢と子宮内細菌叢が連動していることを思うと、腸内環境が悪くなれば、子宮内細菌叢も悪くなることで、不妊や流産の原因になる慢性子宮内膜炎にある可能性もあります。

たかだかお腹の具合とか、たかだか便秘などを言っていると、それが不妊や流産にも繋がる可能性があるということです。

また、安易な抗生物質の使用も戒められるべきです。日本は海外と比べて、極めて薬使用量の多い国です。比較的高価な抗生剤も、保険適応なせいで安易に使用される傾向があります。

子どもの頃から抗生剤をたくさん飲んで育てば、妊活年代になってもお腹の細菌叢は育っていない可能性があります。

子どもの頃から、こうした先を見据えた薬の使用や、健康教育が必要だと私は思います。

宜しければ記事のシェアをお願い致します。

診療時間のご案内 トップページへ戻る
2018/8/7
昨日の鍼灸院日記
2018/7/4
ご夫婦で不妊鍼灸を受けることで胚盤胞移植が成功
2018/6/24
今週は3人の方から妊娠報告を受けました
2018/6/12
多嚢胞性卵巣症候群の鍼灸と投薬併用による妊娠治療
2018/5/15
胚盤胞移植を目指した女性に対する不妊鍼灸の症例
2018/3/27
不妊鍼灸で妊活に前向きになれる理由3つ
2018/3/27
血液検査は注意マークだらけ…でも妊娠できました
2018/3/19
胚盤胞移植が成功しないのはなぜ?初期胚でも妊娠できる理由
2018/2/23
起立性調節障害の鍼灸治療【中学1年生13歳男子の症例】
2018/2/6
お蔭さまで双子を授かることができました。【妊活鍼灸症例】
>>もっと記事を読む
診療時間のご案内 当院アクセスマップ
トップページへ戻る

カテゴリ別記事

過去の記事

※免責事項:掲載された事例や患者様の体験談は個人の感想や成果によるものなので、全ての人への効果を保証するものではないことと御理解ください。施術による効果には個人差があります。