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パルス通電鍼と通電しない鍼での効果は違うのか【女性ホルモンの分泌】

2018年9月13日4:29 PM カテゴリー:不妊症,更年期障害,生理不順,生理痛

【更年期障害に対する鍼灸治療の研究より】

 

今回は、中国で行われた、更年期障害に対する鍼灸治療を、パルス通電と通電しない方法で比較した論文をご紹介します。

更年期障害に対する治療効果は、幾つかの指標を持って知ることができます。今回の論文では、主に女性ホルモンの分泌に関するホルモン分泌と、自覚症状の指標である更年期評価尺度(MENSOL)および更年期特有のQOL(quality of life questionnaire)で評価しています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29231429
(Comparison between manual acupuncture and electroacupuncture for hot flashes and sex hormone of perimenopausal syndrome)


題名を直訳すると、「更年期障害のホットフラッシュとホルモンにおける電気鍼と手動鍼治療の効果の違い」となります。

もう少し簡単に言うと、更年期障害を持つ女性に鍼通電治療と、通電を用いない鍼治療を行い、ホットフラッシュとホルモン分泌に、違いがあるのかを調べたということです。

ホットフラッシュは、突然の発汗や顔のほてりなどを訴える、更年期独特の症状です。またホットフラッシュは、閉経前後で起こる、ホルモン分泌の変化が原因だと言われています。

 

今回ご紹介する臨床研究では、更年期障害の原因と、その結果出る症状について、鍼灸治療の方法(通電するかどうか)により差が出るかを調べたということなのです。

鍼通電は、中国では一般的な鍼の方法です。日本でも、中医学系の治療院では、鍼を刺して通電という方法は広く採られています。

私たちが専門にしている不妊鍼灸においても、誰にでも気軽に出来る方法として、鍼通電はしばしば用いられています。ただその一方で、鍼を刺して電気を流しておけば、何か変化が出るだろうという、安易な発想で利用されることも多い現状があります。

ちなみに当院では、通電による不妊鍼灸や、婦人科系の鍼灸治療は、現在行っていません。ただ当院は常に研究を重ねていることもあり、今後ハッキリとしたエビデンスや効果を認めれば、使用することがあるかもしれません。

話は今回の論文に戻りますが、今回の論文では、ホルモン分泌において、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体刺激ホルモン)、E2(エストロゲン)を評価するポイントにしています。

更年期障害を訴える女性に対して、8週間に3回/週のペースで鍼治療を加え、治療前、治療開始4週後、治療開始8週後、12週後、24週後に、血液検査とQOL検査をしました。

鍼治療は8週間ですから、12週後と24週後は、治療終了から4週後と16週後ということになります。

その結果、ホットフラッシュは変化なかったものの、QOLに関しては、治療後4~24週の間で、改善したとあります。また、4週後よりも8週後、さらに12週後、24週後とQOLは徐々に改善したそうです。

時間が経つにつれて効果が増してくるのは、鍼灸治療独特の作用の仕方であるように思います。投薬と違い、副作用もなく、鍼灸治療の働きが徐々に強まるのは、臨床的によく見られる働きです。

更にホルモン値の変化としては、LH(黄体刺激ホルモン)は治療の前後で変化がないが、FSH(卵胞刺激ホルモン)とE2(エストロゲン)に関しては、8週後及び12週後に明らかに改善したとあります。

ここには書かれていませんが、更年期の場合、改善とは、FSHが低下、E2は上昇が理想的な形ですので、恐らくFSHの低下とE2の上昇が見られたということだと思います。

そしてもう1つ、非常に重要なことが書かれています。このような変化は、鍼通電でも、通電を用いない場合でも、違いが見られなかったとあります。

 

【更年期障害とFSH、E2の関係】

 

更年期障害には様々な原因が考えられますが、現在主流の考え方は、フィードバックによる脳ストレスが原因というものです。

女性は年齢と共に卵巣機能が低下し、徐々に卵巣内で卵胞を育てる働きが弱まります。卵胞では、卵を育てるだけではなく、女性ホルモンを作るという働きがあります。

卵胞では、低温期にE2(エストロゲン・卵胞ホルモン)が作られ、高温期にはE2とP4(プロゲステロン・黄体ホルモン)が作られます。

この2つの女性ホルモンが正常に働くことで、生理周期や妊娠、出産ができるのです。不妊鍼灸の場合には、この2つのホルモンがバランスよく分泌されるように、卵胞への血流を促す施術を行います。

更年期前後になり、卵巣の働きが低下すると、この女性ホルモンが作られなくなります。特に、低温期に作られ始めるE2は、排卵のきっかけになるため、E2が多く作られないと排卵が起こらない為、高温期に作られるP4も作られないことになります。

このE2を作るために分泌されるのが、LHとFSHというホルモンです。今回の論文でも、このLHとFSHの値について調べています。

LHとFSHは、共に脳の下垂体から分泌されますが、それぞれ違う働きをしています。LHは卵胞で男性ホルモンであるアンドロゲンを作り、そのアンドロゲンを使ってFSHが女性ホルモンであるE2を作っているのです。


そしてE2(エストロゲン)が作られると、その情報は脳の視床下部に伝えられ、排卵に向けた働きが起こります。この時、E2がいつまで経っても分泌されないと、脳からはE2を作るために、更に多くのFSHが分泌されるようになります。


そのため更年期には、高FSHといった症状が見られます。同じようにLHも上がりそうに思いますが、元々FSHはLHに比べて高い数値の為、相対的にもFSHが上がる方が目立つようになります。

ただし、せっかくFSHが上がっても、卵巣機能が低下していてはE2は増えませんので、結果としてFSHの分泌だけは、どんどん活性化されます。

このFSHの急上昇が、脳のストレスとなって、ホットフラッシュなどの症状が出ると言われています。

FSHの急上昇は、卵巣の働きが弱まった徴候として見られるため、早発閉経や卵巣機能不全などの不妊症でも見られます。そのため、早発閉経でも、ホットフラッシュなどの症状が見られることがあります。

 

【結果に差が出ないなら鍼刺激は少なく】

 

鍼を受ける方の中には、好んで鍼通電を選択される方もいらっしゃいますが、その一方で、鍼だけでも怖いのに、そこに電気を流すなんて考えられないという方が多いことも事実です。

私も、出来る限り患者さまには、苦痛が少ない方法で施術を受けて頂くために、できるだけ少ない刺激量で受けて頂く工夫をしています。

その1つが、鍼通電をしないということになります。個人的にも鍼通電をする意味が見出せないため、より苦痛の少ない方法で施術するために、かなり限定した場合以外には通電は行いません。

逆に言うと、通電なしでも、十分に目的を果たしているということでもあります。

この論文にように、通電なしでもホルモン値が改善され、QOLが改善するのですから、優しい鍼で妊娠したり、優しい鍼で更年期障害が改善されれば言うことなしです。

同じような現象は、眼科疾患の鍼灸治療や、肩こり、腰痛、神経痛でも診られ、鍼に通電をしなくても、差がないことは長年の臨床経験で分かりました。

当院では、できるだけ軽い刺激の施術で、患者さまの苦痛を取り除くことができればと、日々研究を重ねています。

 

記事を書いた人:冨田秀洋


不妊鍼灸責任者
日本カウンセラー学会所属
全日本鍼灸学会所属
日本生殖医学会正会員


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