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高脂肪食が肥満や不妊の原因になることご存知ですか?

2017年11月5日8:47 AM カテゴリー:お勉強

肥満が男女ともに不妊の原因になることは、案外知られていません。特に女性の肥満では、排卵異常や無月経などの原因になります。そこで、最近分かってきた、肥満と不妊の関係を考えてみましょう。



【生理周期と脂肪の関係】

女性は思春期を迎えると、皮下脂肪が増えてふっくらと女性らしい体型になってきます。この女性の皮下脂肪からは、レプチンというホルモンが分泌されます。

レプチンが分泌されると、レプチンの量を監視している視床下部からキスぺプチンというホルモンが分泌されます。

キスぺプチンは、視床下部に働きかけ、視床下部からGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されます。

GnRHは下垂体に働きかけ、LH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)という2種類のホルモン(ゴナドトロピン)を分泌させます。

この2種類のホルモンが卵巣に働きかけ、卵巣からエストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンが分泌され、生理周期が起こります。

GnRHから後の反応は、よくネットなどで見られるものだと思います。

こうした生理周期に、脂肪から出ているレプチンと言うホルモンが関係しているのです。

急激な体重減少(皮下脂肪減少)などが起こると、生理不順になるのはそのためです。

【レプチン抵抗性と肥満】

脂肪細胞から分泌されるレプチンは、脂肪の量に比例して増えていきます。このレプチンは、視床下部の満腹中枢に働きかけ、食欲を低下させる働きがあります。

つまり皮下脂肪が増えると、分泌されるレプチンの作用で食欲が低下し、それ以上皮下脂肪が増えないように調節する働きがあるのです。

ところが皮下脂肪が増えすぎてレプチンの放出量が減ると、レプチンの働きが低下します。

最近、基礎生物学研究所・統合神経生物学研究部門の新谷隆史准教授、東覚大学院生、野田昌晴教授らは、PTPRJという酵素分子がレプチンの受容体の活性化を抑制していることを発見しました。

皮下脂肪が増えることでレプチンの量が増えてくると、視床下部にPTPRJという酵素が増えてきます。

PTPRJは、視床下部でレプチン受容体の感度を下げる働きがあり、レプチンをモニターする能力が下がってしまいます。

その結果、皮下脂肪が増えてレプチンが増えても、視床下部でレプチン増加を監視することができず、満腹中枢が働かないのです。

またPTPRJは食事中の脂肪の量に関連することが分かりました。そのため高脂肪食では、PTPRJが分泌されやすく、肥満になりやすいということです。

<正常>               <肥満>

皮下脂肪増加           皮下脂肪大量増加
↓                  ↓
レプチン放出           大量のレプチン放出
↓                  ↓
満腹中枢が働く          PTPRJが放出される
↓                  ↓
食欲低下           レプチン受容体の感度低下
↓                  ↓
太らない            満腹中枢が働かず肥満

【PTPRJと不妊】

PTPRJが放出されると、レプチンの感受性が下がるため、キスぺプチンも分泌されにくくなることが予想されます。

キスぺプチンが分泌されなければ、GnRHが分泌されませんので、生理周期全体に影響が及びます。

つまり肥満が原因で生理周期全体に影響が及び、不妊になる可能性があるのです。

ただ肥満でも妊娠する方がいることを考えると、PTPRJの働きやキスぺプチンの働きには個人差があるというでしょう。

またPTPRJはインスリン抵抗性を持つことが分かっているため、PTPRJが分泌されると糖尿病になりやすいということになります。

インスリン抵抗性が高い方は、排卵障害であるPCOS(多嚢胞性卵胞症候群)を起こし易いことも分かっているため、PTPRJが生理周期の乱れだけではなく、直接的に排卵障害とも関係しているということです。

高脂肪食が多い欧米では、肥満は5人に1人と言われており、このPTPRJが原因のPCOSも多いと予想されます。

実際に、鍼灸の文献を検索しても、海外の論文ではPCOSに対する鍼灸治療の論文が非常に多いのです。

脂肪分を減らした食事は、妊活には欠かせない要素と言えるかもしれません。

【まとめ】

・肥満の方はPTPRJが発現する。
・PTPRJが発現すると、生理周期の乱れが起こる。
・PTPRJがPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因になる。
・高脂肪食がPTPRJの発現に関与する。
・妊活には高脂肪食は止めるべき。

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