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免疫力の低下からくる着床障害~体外受精を成功に導く不妊鍼灸~

2017年12月3日8:50 AM カテゴリー:不妊鍼灸

採卵はたくさんできるのに、移植しても妊娠には至らない。

「お医者さんは、良い卵だと言ってくれるのに、なぜ妊娠しないの?」

あなたを悩ませる着床障害の理由は、本来あなたのからだを守るべき『免疫』なのかもしれません。



【子宮の免疫】

子宮や卵管では、様々な免疫活動が行われています。

子宮や卵管は、膣を通じて、外部から雑菌の侵入に遭いやすいため、免疫活動を活発に行う必要があります。

あなたが10カ月の間、安心して妊娠を維持するためには、お腹の赤ちゃんを守る高度な免疫システムが必要です。

でも、過剰な免疫活動は、あなたの一部であるはずの受精卵まで排除しようとします。

妊娠中は免疫活動が低下して、受精卵やお腹の赤ちゃんを守るようになりますが、こうした免疫寛容が起こらなければ、妊娠しにくく流産をしやすい状態になるのです。

免疫寛容を起こし易い状態にすることが、胚移植成功に繋がることは間違いありません。

【免疫寛容を起こすためには】

免疫寛容を起こし易い条件が幾つかあります。

・慢性子宮内膜炎が起きていない。
・子宮の血液循環が良い。
・調節性T細胞であるTreg細胞が活発である。
・Th1とTh2のバランスが良い

こうした条件が揃うと、免疫寛容が起こりやすく、妊娠しやすい状態になることが分かっています。

【慢性子宮内膜炎とは】

免疫活動の主役であるリンパ球には、T細胞やB細胞、NK細胞と呼ばれる細胞があります。

慢性子宮内膜炎を起こしている方は、B細胞が姿を変えた「形質細胞」が子宮内膜へ入り込んだ結果、免疫反応を誘発し炎症を起こします。

この慢性子宮内膜炎を起こしている女性は、着床にしにくくなります。

不妊専門病院では、胚移植の失敗を繰り返す方に対して、慢性子宮内膜炎の可能性を考え、スクラッチ検査と呼ばれる生検を行います。

スクラッチ検査では、子宮内膜の一部を取り出して検査するのですが、この時に付いた傷から起きる炎症活動が元で、妊娠率が上がることが分かっています。

子宮内膜の一部が傷付けられると、炎症や免疫反応と共に血液循環量が増加します。こうした反応が、妊娠率の増加に繋がっている可能性もあります。

鍼灸治療を行うと、免疫活動の適正化と、子宮の血液循環が増加することが分かっており、その結果妊娠率が上がることも分かっています。

【子宮の血流が良い】

子宮内膜の血流が良ければ、不必要な炎症が収まりやすく、酸素や栄養を含んだ新鮮な血液が流れ込むため、子宮の活動性が高ります。


免疫活動が適正化されるためには、子宮内の環境が適正である必要があります。

また子宮内の血流が良いと、分泌物が多くなるため、着床しやすい内膜になります。

鍼灸治療で子宮の血流を増やすことで、妊娠率の向上に役立つことが分かっています。

【調節性T細胞とは】

調節性T細胞と呼ばれるTreg細胞とは、免疫寛容に深くかかわる細胞です。このTreg細胞が多ければ、免疫寛容が起こりやすく、過剰な免疫活動は抑えられることが分かっています。

膠原病やアレルギーなども、Treg細胞が活発であると免疫寛容が起こるため、発症しにくくなります。

Treg細胞は、Th17と呼ばれるリンパ球と拮抗関係にあることが分かっています。

このTregとTh17のバランスによって、免疫寛容が起こりやすいかどうかが決まります。

鍼灸治療を行うと、Tregを増やしTh17を減らすことで、妊娠しやすいからだになることが分かっています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26612993
鍼治療は、漢方医学における喘息治療の有効な治療法である。ここでは、気道過敏性(AHR)に対する鍼治療の効果、および関連する炎症性変化ならびに卵白アルブミン(OVA)誘発実験喘息におけるTh17およびTreg活性を評価した。この実験の結果は、鍼治療が実験的喘息マウスのAHR、肺の炎症、および粘液分泌を有意に阻害することを明らかにした。さらに、鍼治療を受けたマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)において、リンパ球および好酸球ならびに好中球の減少が観察された。鍼治療は、実験的喘息マウスの血清中のIL-17A、IL-17FおよびIL-22を含むTh17サイトカインレベルと同様に、OVA特異的IgEレベルを低下させた。鍼治療群でも、BALFではCD4 + IL-17A +細胞数が減少し、CD4 + Foxp3 +細胞数が増加しました。さらに、鍼治療は、IL-17R、RORγt、p65、およびNF-κBキナーゼ-α(IKKα)タンパク質発現の阻害剤を阻害する可能性がある。我々の結果は、鍼治療が、Th17およびTreg活性およびNF-κB経路の調節に関連し得るOVA誘導性の実験的喘息におけるAHRおよび炎症の阻​​害に有効であることを示した。

上の論文では、マウスの喘息モデルを使って、鍼治療が喘息になぜ効果を挙げるかを検証しています。

Th17とTregのバランスを整えて、炎症反応を抑えることが書かれています。

胚盤胞移植当日に行う鍼灸治療でも、同じようなことが起こった結果、1度だけの鍼灸治療でも、妊娠率の向上が見られます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16600232
胚盤胞移殖当日と、その2日後に鍼灸治療を行った結果、当日の鍼灸治療では妊娠率の向上が認められた。
2日後の鍼灸治療では、有意な変化は認められなかった。

また移殖2日後の鍼灸治療では効果的でなかったことを見ると、鍼灸治療は着床には有利に働きますが、それ以降の着床後の成長にはあまり関与しないことが予想されます。

着床には子宮内膜の免疫環境が強く関与し、着床後から心拍確認までは、卵の質が強く関与するのではないかと予想されます。

そのため当院では、既に移植するための受精卵が凍結保存できている方では、肺移植当日のみの鍼灸治療や、子宮の活動性や免疫バランスを整えるために2~3回のみの鍼灸治療も行っています。

その場合には、胚移植当日とそれ以外に1~2回の通院をお勧めしています。

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