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鍼灸治療はあなたの力を高める治療法です

2018年7月30日2:16 PM カテゴリー:お話,ストレスと不妊,不妊鍼灸,男性不妊

排卵誘発の方法や、体外受精や顕微授精の方法を変化させても、今のところは卵の質や子宮内膜の質、体調や精神的な状態を、病院の不妊治療で変えることはできません。

鍼灸治療では、こうした不妊治療では変えることができない部分を対象に、その人の力を利用して変化させ妊娠しやすい状態を作っています。

不妊鍼灸は、あなたの力が頼りなのです。



【卵の質を変える鍼灸治療】

卵の質とは、具体的にどういったものを指すのでしょうか?

・妊娠できること。
・流産しにくいこと。
・親の遺伝子をしっかり引き継いでいること。
・卵の成長に必要な栄養素を、しっかり含んでいること。

こうした、これからの成長を維持するために必要なものをしっかり持っていることが、質の良い卵の条件です。

では、良い卵を卵巣で育てるためには、何が必要なのでしょうか?卵の成長に必要な栄養素は、卵巣(卵胞)周囲の血流により運ばれます。

また、ホルモンなども同様に、卵巣への血流で運ばれます。こうした血流をコントロールしているのが、自律神経の働きです。

卵巣の血流が盛んであるためには、副交感神経が活発に働く必要があります。副交感神経が働くのは、心身ともにリラックスしている状態の時です。

鍼灸治療を受けると、副交感神経が優位になることで、深いリラックス状態になります。

以前来院された海外の患者さまは、鍼灸治療を受けいている時のことを、「瞑想をしている時に似ている。」と表現していました。

こうした深いリラックス状態が、卵の質を良くすることに繋がるのです。そのため、緊張して鍼灸治療を受けている状態では、良い卵を育てることができません。

鍼灸治療を受けているときに、我慢できないような痛みを感じるような鍼や、非常に熱いお灸はお勧めできません。

【子宮内膜の質を変える鍼灸治療】

子宮内膜は、生理周期の中でダイナミックな変化をしています。生理で剥がれ落ちた子宮内膜は、卵胞の成長に合わせて肥厚をするようになります。

排卵が起きると、更に子宮内膜は変化を続け、胚盤胞となった受精卵が着床するのを待ち受けます。

胚盤胞が上手く着床するためには、子宮内膜の受け入れ態勢が整っていなくてはいけません。

こうした排卵後の子宮内膜に起こる変化は、ホルモンと免疫の働きが大きく関係します。

排卵後の卵胞から作られる黄体は、黄体ホルモンであるプロゲステロンを分泌しています。

しっかり成長した卵胞からは、質の良い黄体が作られ、たっぷりと黄体ホルモンを分泌してくれます。

黄体期が訪れるためには、排卵前の卵胞がしっかり成長するということが必要なのです。

また免疫の主役であるNK細胞や、ヘルパーT細胞の働きは、自律神経の影響を強く受けます。

そのため自律神経が整っていることは、卵胞の成長時期と同様に、質の良い子宮内膜を作るためには、非常に重要なのです。

鍼灸治療は、交感神経と副交感神経のバランスを整え、自律神経が適切に働けるように調節することができます。

【心身の不調を調整する鍼灸治療】

心やからだに不調なところがあると、本来あるはずの能力が発揮されないことは多々あります。

妊娠や出産においてもそれは同様で、心に問題があると、ホルモン分泌の中枢である視床下部の働きが乱れたり、ストレスに対抗するためのホルモン分泌から、生殖能力が下がることがあります。

視床下部の周りには、情動に関係する扁桃体があります。情動が乱れると、近くにある視床下部にも様々な影響が出てしまい、生理不順が起こることは少なくありません。


ストレス刺激を感じると、視床下部からは、副腎という内分泌腺に対して、コルチゾールというホルモン分泌を命令します。

副腎からコルチゾールが分泌されると、同時に副腎からはアンドロゲンと言う男性ホルモンも分泌されます。

こうしたホルモン分泌は、更に視床下部にフィードバック、視床下部から分泌されるGnRHというホルモンの分泌を減らします。


GnRHは、男女ともに精子形成や卵子形成、そしてホルモン分泌のきっかけになるホルモンです。

GnRH分泌が減ることで、男女ともに不妊傾向は強まります。つまり、心身のストレスが、不妊傾向を強めるのです。

また強い痛みや慢性的な痛みも、ストレス刺激となり、副腎からのコルチゾール分泌を増やします。

コルチゾールは、抗炎症作用があるため、ケガや炎症の鎮静化にはかかせないものですが、余りにも継続的に分泌が増えると、副腎が疲れてしまって、必要な時に分泌できないようになります。

鍼灸治療は、視床下部に働きかけ、コルチゾールの適切な分泌量を調整する働きがあります。

適切な時期に、適切な量だけコルチゾールが分泌されることで、生殖機能を低下させずに済むため、不妊傾向を弱めることができます。

【自分の力で調節するのが鍼灸治療】

鍼灸治療は、あなたの力を利用して、様々な機能を高める施術ですので、最初から全く機能がない人には効果がありません。

例えば、遺伝的な疾患で不妊である方や、子宮や卵巣がない方などの、先天的な問題には対処できません。

ところが、不規則な生活やストレスの大きい仕事などをしている内に、妊娠する力が抑えられてしまった方には、非常に大きな力を発揮します。

私たちは、あなたが自分で治るきっかけを、鍼灸刺激で与えることができます。また、必要な栄養を指摘することで、あなたの血となり肉となる材料を、摂り入れるお手伝いはできます。

ただ、それをやるかどうかは、あなたの選択肢です。効果的な治療法である鍼灸治療を受けないことも、指導された栄養療法を無視することもあなた次第です。


あなたの先輩からの格言です。深い言葉です。

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