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予めご了承ください。

初めての顕微授精で妊娠することができた症例

2018年11月30日6:17 PM カテゴリー:不妊鍼灸,体外受精・顕微授精,症例

大阪府在住 30代女性 顕微授精での妊娠症例

 

この女性患者Aさまは、職場の友人が当院で鍼灸治療を受けていたため、その御紹介でご来院された患者さまです。ご紹介下さったご友人は、一足先に妊娠され、先日に無事ご出産されました。

比較的早い段階で妊娠されたご友人に触発され、熱心に通院して頂きましたが、今回の妊娠までには、色々な紆余曲折がありました。

初診から、約8カ月かけて妊活に励んだ、この患者さまの症例をご覧下さい。

仕事にも妊活にも疲れている状態です

Aさまが、初めて鍼灸院 天空にご来院されたのは、まだ寒い日も残る3月下旬のことでした。

職場の友人からご紹介されたものの、鍼灸治療は初めてのため、半信半疑で当院にご来院頂いたそうです。

まずは、今までの妊活やお身体について伺うため、カウンセリングをさせて頂きました。

<カウンセリングで分かったこと>

 

・2013年卵巣嚢腫で手術をした。
手術後卵管が癒着し、卵管を通すためにFT(卵管鏡下卵管形成術)を受けたが、
現在も卵管が通っているのかは不明。
・生理周期は整っている。
・生理前の胸の張りやイライラが強い。
・生理に血の固まりが混じる。
・肩こりがきつくて頭が痛くなることもある。
・自覚的に疲れやストレスが溜まっていると思う。
・ご主人は体外受精には反対のため、人工授精で妊娠したい。

 

<血液検査で分かったこと>

・中性脂肪が低い
・腎機能が低下している
・コレステロールも低め

<身体を診て分かったこと>

 

・肩甲骨のまわりから腰にかけての強い凝り
・足のむくみ
・肌荒れ
・お腹の固さ
・足の冷え
・のぼせ

 

<施術の方針>

・ホルモンバランスを整える
・自律神経のバランスを整える

とにかく人工授精のために体調を整えたい

 

病院で受ける体外受精に対しては、不自然な感じがして、抵抗感の強い人は多いようです。

私自身も、現在のような不妊鍼灸をする以前は、抵抗感が無かったわけではありません。

今回のAさまのご主人も、体外受精には強い抵抗感を訴えていたようです。

そのため、「とくかく人工授精で妊娠するためのからだ作りがしたい。」というご希望でした。

 

初回の鍼灸治療

 

Aさまには、強い首肩のコリ、背中のコリ、全身疲労、胃腸の不調などが見られました。

こうした症状は、自律神経の交感神経が過緊張した時に現れる症状です。

フルタイムで忙しく働くAさまは、知らず知らずのうちに交感神経が働きっ放しの状態になっていたようです。

交感神経は、活動的にからだを動かすための神経ですので、休息時には緩まるのですが、お仕事があまりにも忙しかったため、交感神経が緊張したままになったようでした。


こうした筋肉のコリを取り除き、不快症状を無くすことで、リラックスした状態を作り出すことを目的に施術をしました。

うつ伏せ:首や肩、背中、腰、に合計7か所鍼を刺しました。
太さ0.18mm長さ30mmの鍼を使用

仰向け:お腹に3か所、足首に2か所鍼を刺しました。

施術後は、肩こりや疲労感が抜け、強い眠気を感じたそうです。週1回の頻度で、タイミング指導も併用しながら、人工授精を受けて頂くことにしました。

 

2~3回目の施術

 

基本的に、1診目と同じような施術をしました。いかにリラックスして頂くか、いかに血液の流れを良くするかをテーマに施術をしました。

 

4回目の施術

 

本日、産婦人科を受診したところ、卵胞が18mmになっていると言われたそうです。卵胞は20mm前後で排卵することが多いため、タイミングを取るように指導しました。

タイミングは、排卵の2日前が最も妊娠率が高く、排卵当日にタイミングを取るよりも、はるかに妊娠率が高くなります。

排卵当日にタイミングを取った場合、流産率が高くなることが分かっています。

 

5~7回目の施術

 

治療内容は変わりませんが、6回目の施術の少し前に生理が来てしまいました。以前ほどの、気分の落ち込みはないようです。

鍼灸治療では、施術の時に色々とお話をする時間があるため、カウンセリング効果が出ているのかもしれません。

ホルモンバランスや自律神経のバランスが取れてきたことで、気持ちの揺らぎも少しずつ減っているのかもしれません。

 

8~9回目の施術

 

治療間隔が少し短いですが、来れるときに来ておきたいという気持ちだったそうです。18日目ですが、体温が上がりきらず、36.4度と低温期並みの体温でした。

お仕事が非常に忙しく、あまり気が休まらない時期だということでした。

 

10回目の施術

 

「生理が来そうな感じがする。」ということでした。万が一のことも考え、あまり体調を変化させない程度の施術で、妊娠にも備えて施術しました。

 

11回目の施術

 

結局、前回の施術後に生理が来ました。2日目までは、良い感じの出血だったそうですが、3日目から下痢や頭痛を感じるようになり、出血が止まったとのことでした。

血液が固まりやすい傾向が強まると、こうした現象が出てきます。これは、交感神経が高まっている状態ですので、お仕事の影響が強く出たものと思われます。

お仕事を頑張り過ぎると、こうした生理に伴う痛みや不快な症状が強まることは、多くの女性が経験されると思います。

この場合も、不快な症状を無くすように、コリや冷えを感じている部分に鍼を刺して、血流を良くして筋肉を緩めます。

痛みが和らぐだけでも、交感神経の働きは弱まり、副交感神経の働きが強くなって、リラックス状態が訪れます。

 

12回目の施術

 

卵胞チェックの1日前に、来院されました。こうして週1回鍼灸治療をしていると、生理周期の色々な時期に施術ができるため、非常に便利です。

うつ伏せ:首に2か所、背中に5か所、腰に2か所の計9か所に鍼を刺しました。

仰向け:お腹に3か所、足首に2か所の計5本の鍼を刺しました。

 

13回目の施術

 

4日前に人工授精を受けて来院されました。子宮内膜の厚さが10mm、卵胞は18mmだったそうです。受信日にhcg注射を受けたということでした。

hcgを打つと、約1日後に排卵をしますので、人工授精の1日後に排卵をすることになります。精子を洗浄して使用する場合には、精子の生存期間が約1日ですから、方法としては悪くありません。

子宮内膜の厚さも10mmを超えていますので、そちらも悪い状態ではありません。

 

14~15回目の施術

 

15回目の施術の前に生理が来ました。Aさんの状態は悪くないため、ご主人の状態が関係しているのかもしれません。

施術内容はあまり変わりなく、首肩のコリを取り除き、交感神経の緊張を鎮める施術をしました。

 

16回目~20回目の施術

 

20回目の施術が生理3日目に当たりました。最近、生理の出血量が増えてきたと感じるようです。体調が回復してきた証拠だと思います。

また、肩コリや頭痛で苦しむ日が明らかに減っています。

 

21回目~25回目の施術

 

今までは、人工授精をたまに受けながら、約5カ月間タイミング法を中心にしてきましたが、Aさまから、「主人が最後に1回だけ体外受精を受けても良いと言ってくれた。」というお話がありました。

Aさまにとっては、最後の不妊治療として許された1回ですので、この1回に全てを賭けて、体外受精に挑むことになりました。

 

1回きりの採卵

 

1回きりの体外受精と言うのは、採卵を1回だけ許可されたということですので、採卵数が多ければ、複数回胚移植をすることができます。

そのため、栄養面でもサポートして、質の良い卵を複数育てるための施術をすることになりました。ここから1カ月は、採卵に備えたからだ作りをすることに専念しました。

 

26回目の施術

 

うつ伏せ:首に2か所、背中に2か所、腰に2か所の計6か所に施術をしました。

仰向け:前腕に1か所、お腹に1か所、足首に2か所の計4か所に施術しました。

 

からだ作りは既に終わっていますので、自律神経を通して免疫のバランスを整える施術にしています。大きな体調の変動を無くし、安定した体調を維持するために施術をしました。

 

27回目の施術

 

うつ伏せ:首に2か所、背中に3か所の計5本

仰向け:前腕に1か所、お腹に1か所、足首周辺に3か所の計5本

 

28回目の施術

 

うつ伏せ:首に2か所、肩に2か所、背中に3か所の計7本

仰向け:お腹に1か所、足首に2か所の計3本

 

29回目の施術

 

いよいよ排卵誘発が開始されました。クロミッド1錠とフェリング300の自己注射です。

フェリングは、hmg製剤のことで、脳の下垂体から分泌されるLHとFSHを補充する薬です。

 

排卵誘発剤に反応してか、肩コリが強く出てきたため、肩コリを取り除く為に肩に鍼をしました。

また卵胞にしっかりとホルモン剤が届くように、卵巣の血流を良くする施術も意識して行いました。

 

30回目の施術

 

病院の診察で、両方の卵巣に合わせて、5個の卵胞が見えているようです。少し少な目ではありますが、質の良い卵を育てるように施術しました。

子宮内膜の厚さは、7.7mmでした。

 

31回目の施術

 

前回の施術から、少し期間が空きました。採卵数は、育っていた5個全てが採卵できました。

今回は体外受精の予定でしたが、ご主人の精子の状態が非常に悪く、顕微授精になりました。

受精は5個全てで成功しましたが、胚盤胞に育ち、凍結できたのは2個でした。

2/5ですから、決して悪い数字ではありませんが、本人的にはかなりショックを受けていらっしゃいました。

胚盤胞の質は非常に良く、二つともG4AAでした。

今周期で1個移植することも決まりましたので、移植に向けての施術を行います。オプションとして、SEET法を使用することが決まっていました。

SEET法は、分割培養した時の培養液を、あらかじめ子宮内に注入してから、胚移植を行う方法です。この培養液の中には、受精卵が分割した時の成長促進因子が含まれていると言われています。

うつ伏せ:首に2か所、背中に2か所の計4本

仰向け:お腹に1か所、足に2か所、手首に1か所の計4本

生理3日目からプレマリン、ユベラの服用が始まりました。

 

32回目の施術

 

プレマリン、ユベラに続き、エストラーナテープ、プレドニン、バイアスピリンも始まりました。

プレドニンは、副腎皮質ホルモンですが、免疫作用を緩めて、胚に対して免疫が攻撃をしないようにしています。

バイアスピリンは、血液凝固を防いで血栓症を起こさないために服用しています。

Aさまは、血液が滞りやすく固まりやすいため、こうした処置も有効ですが、鍼灸治療を継続しているため、血液凝固は防げていると思います。

 

33回目の施術

 

胚盤胞移植当日でした。ここまでは、理想的な形で治療が進んできました。

うつ伏せ:首に2か所、背中に2か所、骨盤に2か所の6本

仰向け:お腹に1か所、下腿に2か所の計3本

胚盤胞移植当日の鍼灸治療は、胚移植の前後どちらが良いのかとよく聞かれます。

Aさまのように、継続して来院して頂いている方の場合、受けていて頂くのは、前後どちらでも、あまり関係ないとお話しています。

1回きりの施術の場合には、できれば数時間前に来院して頂くようにお話ています。

ところが実際のところ、病院が指定した時間によっては、選択肢がない場合もあるため、あまり気にしないようにとご説明しています。

 

34回目の施術

 

本来なら、既にしっかり着床している時期です。ご本人的には全く変化がないため、諦め気味です。

一般的に言われる妊娠超初期症状というのは、実際にはあまりないことをご説明しました。

多くの方は、妊娠したことに気付かないまま過ごす時期ですから、気にせず生活をするようにお話をしました。

 

妊娠超初期症状が出ました

 

前回の施術の時に、Aさまには妊娠超初期症状は、殆ど見られませんとご説明したのですが、今回受診した際にしきりに訴えていた症状が超初期症状でした。

私としても、非常に興味深い症状でした。


 

35回目の施術

 

二日後に判定日を控えてご来院されたAさまは、しきりに寒気を訴えていました。

「体温が下がったのか、すごく手足が冷たくて寒いんです。もうダメです…。」

実はこの寒気こそ、Aさまが憧れていた妊娠超初期期症状だったのです。

妊娠中は、ホルモンの影響もあり、血流が内臓の方に多く通うようになります。

消化器に血流を集めて消化吸収を良くし、その血液を赤ちゃんの成長の為に、子宮に多く集めます。

そのため、からだの中心部に血液が集まることで、手足には行きにくくなってしまうということのようです。

そのことを知っていた私は、「あまり心配せず結果を待っていて良いと思いますよ。」とお話しました。

 

うつ伏せ:首に2か所、背中に1か所の計3本

仰向け:お腹に刺さない鍼、足首と肘に1か所ずつ計3本。

 

そしてついに妊娠判定

 

35診目の2日後に、LINEで妊娠判定が出たというご連絡を頂きました。

長い間通院して頂き、色々と悲しい思いも悔しい思いもしましたが、努力が実を結んだ瞬間でした。

タイミング、人工授精、顕微授精とステップアップをしながらの妊活でしたが、どんどんAさまが元気になる様子を見ていると、成功は時間の問題だったのだと思います。

顕微授精といえども、必ず妊娠できるわけではありません。特に、心身ともに元気な状態で顕微授精を成功することは、案外難しいことです。

薬の副作用もなく、フルタイムの忙しいお仕事の合間で成功したことは、少なからず鍼灸治療がプラスに働いた結果だと思います。

また思いがけず経験した妊娠超初期症状も、非常に勉強になりました。普段はあまり目にすることはありませんが、過去に数例このような経験をしたことがあります。

今回のような症例の他には、腰痛や背部痛、腹痛、下痢などの不快症状が見られることが多い様に思います。中にはぎっくり腰のような症状に驚いて、整形外科に行った方もいらっしゃいました。

何かと勉強になった症例でした。
writer
院長 冨田 秀洋
業界歴25年。国家資格、鍼灸師、柔道整復師免許を所持。平成13年鍼灸陽和堂開業以来、15年間以上院長として不妊鍼灸、眼科鍼灸の研究を重ねてきたが、平成28年に師匠である卯野代表の下で、鍼灸院 天空の一員となる。現在は、鍼灸院 天空の院長として、かつての不妊鍼灸や眼科鍼灸だけではなく、広く痛みの鍼灸治療や自律神経失調症、精神科疾患の鍼灸治療の研究に取り組んでいる。
全日本鍼灸学会所属、日本カウンセラー学会所属、日本生殖医学会正会員。

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