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【小児不眠症】大阪府在住、女の子、幼稚園児、鍼灸治療のケース

2013年9月28日11:11 AM カテゴリー:小児不眠症,症例

小児不眠症へ鍼灸治療「治療の度に体調が良くなって、とても嬉しいです!」

「夜、遅くまで起きていてなかなか寝ない」という親御さんからの悩みをお聞きして治療が始まった今回のケース。

お子様が幼いこともあり、小児鍼を使用した症例をご紹介します。

・今までの経過
赤ちゃん時からなかなか寝付かなかった
大人の出入りが多い環境なので、顔つきを読むのか、子供らしくない
実家では女の子なのに走り回り、家にいるよりよけいに寝ない
ひどい時は、午前1時ごろまで、ブツブツ言いながら起きている
大阪市内のUSJに行き、1日中遊んでも、遅くまで起きており寝ない
赤ちゃん時から便秘がち、硬いコロコロとしたウンチしかでない


来院当初は1週間前に水疱瘡にかかり、咳が取れず、しんどそうでした。
お腹の筋肉が(腹直筋)が硬くなっていました。足首の辺りに静脈が浮いたところや、出血して起こる蜘蛛状血管腫と呼ばれる暗い赤色の極細い血管が数か所にありました。

背中の首近い背骨のところ(頸椎の7番目)が盛り上がった状態でした。手の親指の付け根のところが赤い色になっていました。


小児不眠症への鍼灸治療と施術後の状態について

・初回の治療
咳がひどく、子供ながらご本人も、「咳をすると、臭い」と訴えていましたので、水疱瘡の後遺症として咳止めの治療をしました。

手と足のツボ合計3か所に、直径0.16ミリ、長さ15ミリの鍼を極浅く刺し、そのまま10分程度寝てもらいました。

治療後は咳が少しましになっていました。ただ、水疱瘡の後なので、小児科への受診を勧めました。

・2回目の治療
小児科で問題は無く、痰を出すくことにより咳を止める薬を貰ったようです。2回目からは、小児鍼をしました。

直径0.20ミリ、長さ15ミリの鍼を刺さずに、背中とお腹の皮膚を鍼先で傷かつかない程度に軽く引っ掻いていきました。その後、足と手のツボ2か所に「鍉鍼(ていしん)」という鍼を用いて軽く圧迫しました。


鍉鍼の写真 鍉鍼の写真になります。


最後に、背中に小児推拿(しょうにすいな)という中国式のマッサージをしました。

治療後は気持ちよくなったようで、ご機嫌な様子でした。

・3,4回目の治療
2回目と同じです。

治療後は2回目に初めて小児鍼をした後、寝つきが良くなり、遅くとも10時ごろになると自分から、「お母さん、早く寝よ」と言ってくるようになったそうです。

3回目の治療の後、寝つきは徐々に良くなり、おとなしくなってきたようです。

また、実家は大阪市内ですが、その近所の奥さま方から、「最近、顔つきが子供らしくなってきたね」とよく言われるようになったそうです。咳も徐々に軽くなり、臭いもなくなってきました。

便秘も改善されてきたようです。現在は、より元気になるために定期的に、通院されています。

施術者の感想

今回の症例は、分類すれば、「小児鍼」となりますが、内容は大人の不眠症と同じです。

大人が多く出はいりするとい環境で、顔色を見ながら生活し、交感神経の過緊張が続き、寝付けなくなったというのが、根底にあります。

お腹の筋肉(腹直筋)の緊張や、背骨と首の付け根の筋肉の盛り上がりが、それを示しています。

交感神経は筋肉にも入り込んでいますので、交感神経の緊張により、筋肉も緊張します。

特に、下腹の辺りに、太陽神経叢という自律神経の大きな「支店」のようなものが有ります。その影響を受け、お腹の筋肉は特に、緊張しやすいです。

ストレスにより胃が痛くなるのは、胃自体が興奮することもありますが、このお腹の筋肉の緊張により、胃が締め付けられることにもよります。
 
緊張している筋肉を緩めることで、交感神経の緊張が改善され、寝つきがよくなっていきました。

この患者さまは女のお子さまでしたが、今回の治療法は、大人でも十分に有効です。

特に、鍼に対して怖さを抱いている方には、鍼をからだに刺さないで、皮膚に接触させるだけですので、安心して受けて頂けると思います。

ストレスや仕事が忙しく緊張感が続くことにより、交感神経の過緊張状態となり、肩こり、腰痛、不眠、胃腸の不調、生理不順などが生じている場合に、有効な治療法となります。


東洋医学からの視点

小児の場合には、手の親指の付け根のあたりの皮膚を観察し、診断する方法を取ります。

この患者さまの場合は、そこが赤い色をしていました。これは、熱があることを示しています。体温としてはなかったようですが、熱がこもっている状態です。

初回の治療では、いわゆる「小児鍼」をせず、普通に鍼をしたのは、このことによります。

お腹の筋肉の緊張は、「肝」のツボの流れの緊張を示しています。「肝」はストレスがかかりますと緊張します。そして、胃を締め付け、胃腸の状態を悪化させます。これを「肝気横逆」と呼んでいます。

また、背骨と首の付け根の辺りは、からだを動かす活動エネルギーである「陽気」が、全身から集まってくるところです。

ストレスや忙しさなどは、「陽気」を多く必要とします。全身から陽気が多く集まってきたことにより、行き場を失った「陽気」が、そこに滞ります。

その場所の筋肉が盛り上がったようになったのは、この陽気の滞りによります。仕事などに頑張っている方には、よく見られます。

この患者さまの場合は、幼児にもかかわらず、周りの大人の「空気」を読むというストレスから、生じています。

小児鍼でこれらの筋肉の緊張を取りのくことにより、「肝」の興奮を抑え、「陽気」の流れを改善しました。

これにより、寝つきの悪さと、熟睡できないことや、便秘の解消につながりました。

「陽気」は夜になると、からだの奥深くに入り、活動が穏やかになるため、睡眠を十分にとることができます。

この患者さまは、「陽気」が首の付け根辺りに滞っていたため、なかなか寝付けなかったわけです。

また、「肝」の興奮は、胃腸の状態を悪くしますので、便秘を引き起こします。

今回の症例は、東洋医学から見ましても、成人に対しても有効な症例であるといえます。


実際のお客様の声:【小児不眠症】大阪府在住、女の子、幼稚園児、鍼灸治療のケース
 

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