あなたも鍼灸治療で、心地よい睡眠を取り戻しませんか?
意外かもしれませんが、鍼灸治療は睡眠の質を高めることができます。
私は、過去30年間に渡り、不眠症の治療をしてきました。
少し古いですが、鍼灸大阪という鍼灸医学の雑誌に論文の投稿もしました。
ア・ラ・カルト/不眠の中医学的アプローチ
患者さまには、よく眠れるようになり、仕事がはかどると喜ばれています。
なぜ、不眠症に鍼灸治療が良いのか??
不眠症の原因は数多くあります。
ここでは、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病など、神経自体が傷ついた病気によるものではなく、ストレスや不規則な日常生活による不眠症の治療についてお話します。
長期に渡りストレスがかかりますと、不眠症になることはよく知られています。
これはからだにおける、視床下部―下垂体―副腎皮質系(HPA系)の働きが興奮することによります。
ストレスを受けますと、脳から命令が出て、この系を動かし、いろいろなホルモンが放出されます。
最終的に副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールというホルモンが分泌されます。
このホルモンは、短期的にはストレスにうまく適応するように働きます。
慢性的なストレスによって長期にわたって過剰に分泌されますと、免疫力が落ち、病気になりやすくなります。
そして、最近の動物実験などで、この視床下部―下垂体―副腎皮質系(HPA系)と睡眠とが深いつながりにあることが分かってきました。
繰り返されたストレスにより、視床下部―下垂体―副腎皮質系の働きが乱れ、ストレスに対応するホルモンが放出され続けます。このホルモンが過剰になりますと、それ自体に覚醒作用があるので、不眠症となるとされています。
鍼治療はこの働きを改善することができます。
参考に関連した論文を紹介しておきます。
(4)鍼通電刺激が視床下部―下垂体―副腎皮質系に及ぼす影響―血漿コルチコステロンを指標として―
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関連リンク
[クリックすると論文のPDFファイルを閲覧することが出来ます。]
鍼治療は、この系の働きの乱れを改善したり、ホルモンの過剰な放出を押さえ、不眠を解消できるわけです。
この視床下部―下垂体―副腎皮質系(HPA系)はストレスがかかりますと、反応する系です。
鍼治療は、ツボに鍼を刺すことにより、神経がその刺激に反応し、脊髄に伝え、更に、脳へと信号を伝え、この系に作用することが知られています。
これを鍼刺激のボトムアップ効果と呼んでいます。
鍼治療により、ストレスの改善も期待できるわけです。
そして、この視床下部―下垂体―副腎皮質系は自律神経とも関係しています。自律神経の内の交感神経は筋肉にも入り込んでいます。
この系の乱れは、自律神経の乱れを引き起こし、筋肉にコリ、緊張が生じます。
鍼治療により、筋肉のコリや緊張を取り除くことにより、自律神経の安定が図れ、そこから、この系の乱れを改善することもできます。
すなわち、鍼治療は、2方面から、不眠の改善ができるというわけです。
まず、しっかりとお話を聞くことから始まります。生活習慣が不眠とつながっている場合もよくありますので、大事な点です。
鍼灸治療を進めるにあたり、肩凝り、腰痛などのからだの症状がある場合は、まず、そちらからアプローチします。
これは、不眠症の根本を改善する鍼治療は、脳に刺激を与え、視床下部―下垂体―副腎皮質系の乱れの改善をする治療です。
凝り感や痛みを起こしている原因を先に取り除いておきますと、神経伝達の調整が上手くいきやすいからです。
自律神経のフィートバック機構を調整する際に、先に邪魔をするものを取り除くというわけです。
その後、自律神経のフィートバック機構を調整する鍼治療をします。鍼を刺すツボは、主に、肘から下の腕や膝から下の脚にあります。
その中から、患者さまのその日、その時の状態に一番良いツボを数か所、選択し、鍼を刺します。
鍼を刺すツボが、毎回、異なることもあります。
そして、神経伝導の調整をしていき、脳の働きを改善するように持っていきます。
これらのツボは、生理学的にも、その有用性が明らかにされてきています。
手や足のツボに鍼を刺すと、そこにある神経から、脊髄に信号が伝わり、更に脳の視床下部へと伝わっていき、脳の神経の働きや、脳への血流量が増えることが分かってきています。
神経伝導の調整をした後に、2,30分ほど、そのままの状態でいてもらいます。
この時に、手足にムズムズ感や、ぼんやりと重い感じ、あるいは眠くなったりすることがあります。
この場合は、その流れに乗って頂ければ、鍼治療の効果は上がります。
また、このようなことが起きなくても、鍼治療の効果は出ますので、安心してください。
不眠症への鍼灸治療の特徴
このように、不眠症はストレスからだけでなく、脳の働きや筋肉の緊張など多方面から考えて鍼灸治療を進めることが大切です。
治療時間は、全体で約1時間程度になります。治療間隔は週1回程度がお勧めです。
週1回のペースが難しい場合は、ご相談くだされば、対応いたします。
不眠症が順調に治らないということを知るだけで、治療への大きな前進になります。
不眠症も慢性化しますと、一直線上に改善していくことはありません。良くなったり、悪くなったりしながら治っていきます。
ただ、悪くなっても、最初ほど、悪くなることはありません。
主には、以下の6グラフのいずれかのパターンをたどります。
どのパターンにおきましても、一直線上に治っていくことはありません。症状が改善されながらも、途中に落ち込み、悪化することがあります。一種の「スランプ」のような状態です。よりよい改善のための準備期間です。
この点を理解して施術を受けて頂きますと、効果が上がります。
また、最初に少し状態が悪くなったり、何も変化がない場合もあります。このような場合でも、鍼灸治療の効果は、必ず出てきますので、安心して施術を受けてください。
2005年の睡眠障害国際分類改訂版によりますと、不眠症とは、以下のようであるとしています。
①夜間に眠れないという訴えがある
②睡眠に関連し、日中、起きている時間帯に精神やからだの機能が低下している
また、アメリカのNIHによれば、うつ病などの精神的な病気に伴う、不眠症は別扱いにするべきとしています。
不眠症は、一度、起こりますと、自然に段々と悪化していく傾向にあります。
不眠になりやすい方は、一般にストレスや葛藤により生じた情動を内面化により、抑圧・解消しようという傾向にあるとされています。
この傾向により、情動的に覚醒が続き、寝付けなくなるとされています。
すなわち、不眠症では、夜間に眠れないだけでなく、日中に、緊張、不安、疲労感、イライラなどが生じます。これらの日中の症状も、不眠症の症状になります。
これらの症状は、交感神経の緊張、脳波上の覚醒増加、代謝率の亢進、体温上昇、心拍数の増加など、脳における神経が覚醒したままということから生じます。
不眠症は、心理的な面と神経的な面の両方から起こるわけです。
不眠症が慢性化しやすいのは、もともとの素因に、それを促進する因子や慢性化する因子が加わることによります。
すなわち、ストレスの長期化、睡眠時間を気にしすぎる、誤った睡眠習慣を続けることなどが原因で、慢性化していきます。
不眠症はその概念は、まだはっきりとされていません。
しかし、生理的な興奮状態、睡眠の状態や精神的な問題、そして長期にわたるストレスなどにより、引き起こされ、慢性化していくとされています。
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鍼灸施術費用
鍼灸内容 | 回数 | 値段 |
一般鍼灸治療
※院長指定の場合は、別途3,500円発生します。 | 1回 | 6,500円 |
不妊鍼灸
※院長指定の場合は、別途3,500円発生します。 | 1回 | 6,500円 |
美容鍼灸(美肌全身コース) | 1回 | 9,500円 |
小児はり | 1回 | 3,000円 |
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