不妊の原因は人それぞれなのに、どうして決まったツボやサプリメントで効果があるとされるのかを、ご説明します。
【不妊鍼灸で使うツボについて】
不妊鍼灸でよく使用されるツボがいくつかあります。
①太谿、復溜、腎兪、志室
②太衝、行間、蠡溝、期門、曲泉、肝兪
③太白、公孫、三陰交、地機、陰陵泉、血海、脾兪
④関元、気海、帰来、子宮、中髎、次髎
⑤合谷、内関
①~③のツボは、各臓腑との関連で使用されています。そのため症状をグループ分けして、それに近いものには、このツボを使うという感じでしょうか。
①は腎のグループです。腎は生殖をつかさどる臓器とされています。そのためホルモン系のトラブルなどは、このグループのツボを使用することが多いようです。
②のグループは肝のグループです。肝は血を蔵するとされていて、血にまつわる婦人科系トラブルを持つ方が、このグループに入ります。
例えば子宮筋腫や子宮内膜症、PMSなどの女性が、多くこのグループのツボで施術をされます。またストレスなどもこのグループで施術されることが多いようです。
③のグループは、脾のグループです。消化器系のトラブルを抱えていたり、肥満やアレルギー疾患、様々な慢性的な体調不良を抱えている人を、このグループのツボで施術することが多いようです。
④は腹部や臀部の局所に対する施術で、直接子宮や卵巣の血流を良くするときに使用されます。かなり即効性があるため、①~③にプラスして使用されます。
⑤は手のツボで、上下のバランスを取る際に使用されたり、主に気の病を改善するときに使用されます。
こうしたツボの使い方を、最大公約数的に症状に対して使用します。これは最大公約数ですから、症状が多かったりすると、はっきり線引き出来ないため外れることが多くなります。
こうした枠から外れるような、慢性的な疾患を持っていたり、長期間不妊治療を受けていたりする方では、パターン治療は効果が挙がりにくくなります。
一定の軽症の不妊治療の方には、上記のパターン治療でも、十分な効果が挙がります。
【妊活サプリについて】
妊活サプリは、かなり人によって効果が変わります。妊活サプリが効果を表す人は、食事の不摂生や偏食があり、あまり良い食事を摂れていない人です。
サプリメントは、あくまでも栄養の補助をしているだけですので、食事内容が適切なら、あまり必要ありません。
私自身も、10年以上サプリメントを使用して、妊活の支援をしていましたが、実際のところ十分な効果が得られたのは、卵が採卵できなくなっていた女性と習慣性流産の女性がほとんどのような気がします。
もしあなたが適切な食事を摂り、しっかり排卵をしていて、内膜の肥厚も十分であれば、日常の食生活だけでも十分栄養は摂れています。
逆に、内膜が最近薄くなってきた人や、排卵ができない、採卵ができない、卵の質が悪い、流産傾向が強いという方なら、栄養療法は効果的に働くかもしれません。
【サプリの有効利用にはコツがあります】
サプリメントを効果的に働かせるには、少しコツがいります。
サプリメントは薬と違って、標的器官が設定されているわけではありません。つまり、口から入って消化吸収されると、血液の循環で受動的に運ばれるだけですから、どこに行ってどこで働くかは分かりません。
卵巣で働かせるためにビタミンDを摂っていても、免疫系でも使われますし、骨の形成でも使われます。
そのため、体内に必要な量を全て満たす量で摂る必要があります。
栄養は、体内で複雑な化学変化をしながら、身体で利用できるようになりますので、化学変化に必要なほかの栄養も一緒に摂っておく必要もあります。
サプリメントも同様で、必要な栄養素がすべて満たされるように栄養補助をできれば、サプリメントは有効に働きます。
・サプリメントは、必要十分量摂ると効果が挙がる。
・サプリメントは、単品で摂っても効果が薄い。
・サプリメントは、必要なもの全てを同時に摂れば効果が挙がりやすい。
・栄養の摂取ができていれば、サプリメントは必要ない
ということです。もし現在妊活サプリを利用しているなら、こうしたことを理解して、有効利用して下さい。
素晴らしい効果が出ることもあります。