今回は残りの症例と2021年妊活鍼灸の総括をします。
―症 例-
18.40代女性
〇これまでの経過
・4年前から妊活
・人工授精2回、体外受精5回、採卵8回
・2回陽性反応でたけど、初期流産した
・初期胚2個、胚盤胞2個残っていて、それぞれ1個ずつ戻す予定
・あと2回移植して、だめなら諦めるつもり
・足の冷え、首肩のこり、むくみ、食後の眠気
・子宮筋腫の手術を10年前にして、5年前に再発
・3日後に移植予定
〇鍼灸内容
【初回】
<うつ伏せ>
首、肩、の緊張を取り除き、交感神経の緊張をゆるめるための鍼をしています。
腰回りに鍼をして子宮・卵巣の血流を良くするようにしています。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
<仰向け>
身体全体の血流を良くして、身体に栄養を行きわたるように鍼しました。
長さ15㎜、太さ0.16㎜の使い捨て鍼を使用しています。
【2~3回目】
陽性判定が出て、妊娠5週目くらいとのことでした。
たまに生理痛の様な痛み、茶色いおりものがでるそうです。
<うつ伏せ>
刺激を弱めにして首、肩に鍼、腰にお灸をしています。
<仰向け>
お腹に酸素、栄養がしっかり行くように手足に鍼をしました。
お腹の血流を良くする為にお腹と足のツボにお灸をしています。
19.30代女性
〇これまでの経過
・半年前から本格的にクリニックへ通い、タイミング5回、人工授精1回試した
・2年前、生理が半年止まってしまった。旦那さんの転勤による引っ越しでバタバタしたから?仕事の忙しさもあって、しばらく不順だった
・子宮筋腫があり、筋層の中に入っているので手術はリスク高いと言われた
・仕事中の足首の冷え、たまに頭。
・2,3年前から生理前に胸の張り、腹痛がある
〇鍼灸内容
【初回】
<うつ伏せ>
首、肩、の緊張を取り除き、交感神経の緊張をゆるめるための鍼をしています。
腰回りに鍼をして子宮、卵巣の血流を良くするようにしています。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
<仰向け>
身体を温めるツボを選び鍼をしました。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
【2~7回】
鍼した後、肩がすごく楽で、身体もいつもより暖かかったそうです。
鍼をしだしてから生理前の症状がなくなったとのことでした。
転院して検査をしたらAMHが低く、体外受精を勧められたそうです。
FSHが高く、採卵できず、カウフマン療法をすることにしたとのことでした。
<うつ伏せ>
初回と同じ
<仰向け>
子宮、卵巣への血流を良くして、身体全体も温まるように鍼をしています。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しました。
【8~19回】
ホルモン数値がおちついたので採卵したら空砲で、その後も、なかなか卵が育たないようでした。
高刺激の注射を使っても良くならず、打たない方がいい気がするとのことでした。
誘発剤もレトロゾールに変えてもらい、FSH下げるために注射の代わりにエストロゲンのジェルを塗っているそうです。
<うつ伏せ>
初回と同じ
<仰向け>
今回より、子宮卵巣に良い血液が送られるように足とお腹にお灸を加えました。
鍼の内容は同じです。
【20~28回】
卵が育って、採卵して一つ凍結できたそうです。
その後、連続で採卵するも上手くいかなかったそうです。
FSHが高く、身体を休めようと思い、その間、着床診断テストを受けられています。
自力で生理をおこそうと思い、薬をやめたら自力で生理が起こったとのことでした。
卵胞も育っていたけれど、クロミッドとフェリング注射をしたらFSHが上がりダメになったようです。
【29~44回】
採卵したが空砲で、先に凍結胚を移植することになったそうです。
移植後、陽性反応が出たとのことでした。
悪阻が酷かったが、安定期に入ると落ち着いたとありました。
こむら返りをするようになり、意識して歩くようにするとでなくなったそうです。
31週目に入り、旦那さんの転勤先へ引っ越されています。
『タイミング、人工授精、移植後の鍼』
<うつ伏せ>
刺激を弱めにして首、肩に鍼をしています。
<横向き>
妊娠後、お腹が大きくなってきたら横向きで首、肩、腰に施術しています。
<仰向け>
お腹に酸素、栄養がしっかり行くように手足に鍼をしています。
お腹の血流を良くする為にお腹と足のツボにお灸をしました。
その後、出産報告や現況報告をLINEで頂いています。
20.30代女性
〇これまでの経過
・約8年前(働き出して)から生理不順になった
・20代の頃、頻発月経で不正出血もあった
・現在の生理周期は40~50日
・1年前から妊活をはじめて、漢方、ルトラールを処方された
・プロラクチンの数値が高く、黄体ホルモンの数値が低かったので薬を飲んでいた
・薬飲み終わってしばらくすると、数値が戻ってしまう
・4ヶ月前に転院して、無排卵といわれた
・セキソビットでは卵育たず、クロミッドでも育ちが悪く、小さい卵がいっぱい見えるといわれ、クロミッドの量を増やす予定
・10代後半から便秘。3,4日に1回
2日位で苦しくなるので漢方(マグネシウム)のんで出している
〇鍼灸内容
【初回】
<うつ伏せ>
首、肩、の緊張を取り除き、交感神経の緊張をゆるめるための鍼をおこないました。
腰回りに鍼をして子宮、卵巣の血流を良くなるようにしました。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
<仰向け>
ストレスを軽減し、子宮卵巣へ良い血液が送られるようツボを選び鍼をしました。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
【2~8回】
一度、タイミングを取られたがダメだったそうです。
卵胞を育てるのにクロミッドを飲んだが、育たずにリセットされたそうです。
次は、クロミッドとHCG注射を試すことになったそうです。
【9~14回】
クロミッドとHCG注射を打って、卵が育ち過ぎ、切り替えの注射をしてタイミングを取ったが駄目だったそうです。
卵巣が腫れていると言われ、今回は、またクロミッドのみでとなったとありました。
【15~22回】
タイミングを取ったが駄目だったので、転院して人工授精をすることにされたそうです。
卵が育ってなくて、レトロゾールかゴナールFの自己注射か選んでと言われ、レトロゾールを使うことにされたそうです。
卵胞が上手く育ち、人工授精され、陽性判定が出て、その後、無事、胎嚢確認もできたそうです。
21.40代女性
〇これまでの経過
・1年半前から妊活
・高温期が短い
・PCOSといわれた
・1年前に妊娠したが、心拍が止まり、流産
・その後、生理の状態が安定しない
・自然妊娠を目指している
・肩こり、頭痛
・足のむくみ、冷え
〇鍼灸内容
【初回】
<うつ伏せ>
首、肩、の緊張を取り除き、交感神経の緊張をゆるめるための鍼をしました。
腰回りに鍼をして子宮、卵巣の血流を良くするようにしました。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼を使用しています。
<仰向け>
冷えを改善させて、子宮卵巣へ良い血液が送られるようツボを選び鍼えおしています。
長さ30㎜ 太さ0.18mmの使い捨て鍼使用
【2~9回】
鍼をした後、お腹が温かい感じがしたそうです。
生理が2週間遅れできたが、、足のむくみ、胸の張りはましだったとのことです。
【10~13回】
今回は、生理が1週間遅れできたそうです。
生理周期が整ってきた感じで、基礎体温はちゃんと2相性を作るようになってきたそうです。
【14~21回】
また、生理が遅れたので、病院で検査すると、胎嚢が確認されたそうです。
つわりの症状などはなく、6週目に入り、心拍確認できたそうです。
その後、つわりの症状がでてきたが、10週目に入り、食事は少しずつなら食べれるとのことでした。
その後、順調に進んでいると報告がありました。
―総括―
2021年に妊娠された方は、20名を超えました。
これまでと異なるのは、40代女性が多く、大阪 心斎橋の鍼灸院 天空の妊活鍼灸を2年近く、あるいは、それ以上、頑張って受けて頂いていたその結果として花開いたという感じです。
やはり40代になりますと簡単にはいかず、根気よく通っていただく必要があるかなということを改めて、実感しました。
それでも根気よく妊活鍼灸を受けて頂ければ、うれしい結果が偉るという参考にはなるかと思います。
もちろん、良いことばかりではなく、症例報告にもありますように、胎嚢確認、心拍確認はできたものの、流産に至ることもあります。
また、昨年度の特徴としましては、シェーグレン症候群やNK細胞の数値が高過ぎるなどの基礎疾患を持っておられる方の妊娠もあったことです。
ここ最近の鍼灸の研究で鍼灸には脳の視床下部や前頭前野など脳機能全体を改善できる可能性があることが分かってきています。
地道に鍼灸を受けて頂くことで脳機能改善から自律神経やホルモンバランス、免疫力が整い、その結果が身体機能が上がることで、妊娠力も高くなるのではと推察されます。
来年度以降も少しでも妊活でお悩みのあなたの役に立てるように精進していきます。
今後は鍼灸だけでなく、あなたの身体つくりに大切な「栄養」についても学習をし、それを反映させていきたいと思っています。