これから妊活を始める方は、これを見て、いつから力をいれるべきか、どういった心持ちで不妊鍼灸を受けるべきかを考えてみて下さい。
鍼灸院選びにも病院選びにも役立つはずです。
【20代まで】
20代で不妊治療を開始しようという方は、意識が非常に高い方か、もしくは非常に重症の方が多いようです。
例えば初潮からずっと生理不順で、ホルモン剤なしでは生理が来ない方や、基礎疾患をお持ちで、その基礎疾患の施術を兼ねて来院される方などです。
そのため、結果は両極端になりがちです。時間を掛けて一つずつ問題をクリアしていくか、非常に早いタイミングで妊娠や出産に至るかのどちらかです。
残された時間は多いものの、周囲が結婚や出産ラッシュになっている場合が多いため、心理的な焦りは、年齢以上に感じている場合が多いようです。
そのため心理的なサポートも必要とします。
【30代前半】
不妊治療や不妊鍼灸の患者さんとしては、まだまだ若手の年代です。
治療効果も比較的出やすく、精神的にも安定していることが多いため、施術の効果も表れやすい年代です。
不妊治療を始める年代としては、ある意味ベストな年代だと思います。
友人の出産ラッシュも第一波は終わった方が多く、四大卒の方では結婚適齢期に当たるため、数的にもこの年代から来院が増えてきます。
【30代中盤】
この年代辺りから、個人差がかなり大きくなります。少しずつ新陳代謝が落ちてくる年代ですので、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患の影響が強くなってきます。
またAMH(抗ミューラー管ホルモン)の数値なども、大きく差が出てくる年代です。
そのため治療法の選択や、病院選びなどによっても効果の出方がかなり違います。
不妊鍼灸の中でも、しっかり専門性を持って知識がある鍼灸院を選んで下さい。
【30代後半】
30代後半以降は、早い方では閉経の兆しが出てきます。月経量の減少や、FSHの上昇などの症状が出てくると、基礎的なからだの改善が必要です。
血液検査で低コレステロールや貧血などの所見があれば、食事や日常生活の改善などの鍼灸以外での知識も必要とします。
30代後半からは、より専門性の高い施術が必要ですし、まずは現状の把握が必要な年代になります。
そういう意味でも、30代後半でこれから妊活を始める方は、治療は別としても、一度専門病院で検査することも、妊活を乗り切るためには重要かもしれません。
【40代前半】
40代前半は、急激に成功率が低くなる年代ですので、かなり計画的に施術を受ける必要があります。
病院の選択も、妊娠率を高める秘訣になります。鍼灸院との併用で妊娠率を限界まで高めるのか、鍼灸院だけで自然に任せるのかは、しっかりとご夫婦で方針を決めるべきです。
どちらかお一人で頑張るには、難しい年代になっています。
より高い成功率を狙うなら、タイミングをしっかり取りながら、子宮内環境を整えて胚移植するなどの方法が必要です。
こうした指導がしっかりできる病院や鍼灸院を選ぶ必要があります。
できるだけ40代以上の患者さんの施術歴や、成功例がある鍼灸院の方が良いと思います。
施術だけではなく、日常生活全般に渡って知識のある鍼灸師が良いでしょう。
【40代中盤以降】
40代中盤以降は、専門病院でも治療がワンパターンになりがちな年齢になります。
高刺激の排卵誘発で無理なら、自然周期や低刺激で卵胞の成長を待ちながら、採れるときに採卵するという方法が多いようです。
鍼灸治療においては、年齢で治療が大きく変わることはありませんが、実際のところ、鍼灸刺激に対する反応が悪くなってきます。
局所的な卵巣や子宮に対する刺激と、体調管理のための施術で高度な技術が必要になります。
少しでも質の良い卵が育つ確率を上げるため、短期的な目標と長期的な目標を設定し、明確な施術の意図を持たないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
質の良い卵を育てるためには3カ月が必要ですが、それと同時に子宮の状態を整え、からだ全体の施術にも力を注ぐなど、不妊鍼灸だけではなく、身体に対する広範囲の知識と鍼灸技術が必要になります。
できるだけ、ご夫婦で施術を受けて頂きたい年代でもあります。