当院では、排卵前の鍼灸治療と、排卵後の鍼灸治療で治療内容が変わります。
排卵前
子宮や卵巣の血流を増加させる。
卵巣:卵胞に必要な栄養や酸素、女性ホルモンをしっかり送り届けるため。
子宮:子宮内膜への血流を確保し、急激に成長するらせん動脈の形成を助ける。
排卵後
免疫系の調節をする。
子宮:精子や受精卵に対する免疫寛容を行うため。
こうして生理周期で治療方針を変えることで、同じツボを使っていても、手技や鍼の深さなどを微妙に変化させています。
【排卵前の鍼灸治療】
排卵前の時期は、生理直後の時期から排卵前までの時期に当たります。
生理期間は個人差もありますが、1週間程度あると思います。この1週間の前半は、子宮の活動性を高め、月経血が固まらないように、しっかり排出することを目的として、鍼灸治療を行います。
生理の後半になり、経血量が少なくなると、だらだら出血が続かないように、治療を変化させます。またこの時期からは、急激に大きくなる卵胞へ、必要な物質を届けるために、血流を意識して施術します。
子宮内膜も急激に肥厚し、子宮内膜へ向かって、子宮から動脈が伸びてくるため、やはり血流は重要になります。
この時期の治療は、直接的に腰部や腹部を意識した治療が必要になります。
【排卵後の鍼灸治療】
排卵後は、免疫機能が過剰に働かないように、免疫に命令を出している自律神経を意識して鍼灸治療を加えます。
免疫系への治療は、脳から自律神経を介して行うため、手足の末梢にあるツボを意識して行います。東洋医学では、本治法と呼ばれる治療で、確かな知識と技術が必要な治療です。
子宮の中では、生理周期によって、免疫の状態を変化させています。
排卵後、免疫機能が働きすぎると、精子や受精卵まで攻撃してしまうため、妊娠ができなくなります。
そのため、排卵後は一時的に免疫機能が緩くなる、免疫寛容という働きが起こります。
免疫寛容に関係するリンパ球は、自律神経の影響が大きいため、自律神経を整えておくことが、免疫寛容や着床には大事になります。
【体質や体調によっても治療は変わります】
同じ生理周期の時期でも、その人により鍼灸治療のツボや手技は変わります。
その人によって最適なツボや手技を選べることが、鍼灸治療の強みであり難しさでもあります。
冷え症は、血行障害から起こり、不妊の原因にもなりますが、同じ冷え症状であっても、人によって原因は様々です。
同じ症状、同じ病名を抱えていると、病院では同じ薬が処方されますが、当院ではそれらを詳しく検討し、その人に最適な治療を受けて頂きます。
当院では、あなたにとって最適な治療法を選んで、提供することができます。
【嬉しいご報告】
本日来院された患者さまが、リュックサックにキーホルダーを付けて来院されていました。
担当の女性鍼灸師(堀内)も驚いていましたが、まだスリムお腹には、なんと双子ちゃんが入っているそうです。
<堀内先生>
もうしばらくは、つわりと肩こりの治療をする予定です。
当院では、妊娠初期の体調安定化や、不快症状の改善にも力を入れています。