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静かな所でお腹の音が鳴らないかすごく不安になる…もしかすると過敏性腸症候群かも。IBSに対する鍼灸

2018年10月4日6:39 PM カテゴリー:自律神経失調症,過敏性腸症候群

 

授業中や、会議中などの静かな所で、グゥーっとお腹の音がなると、とても恥ずかしい思いをしますよね。

お腹の音が鳴ってはいけないようなシリアスな場面でお腹が鳴ると、恥ずかしさから顔が赤くなったり、穴があれば入りたい!と気持ちになってしまいます。

若い女性が思春期などの多感な時期に、このようなことが繰り返し起こると、一種のトラウマとなってしまうこともあります。


私が緊張しやすいから・・・

お腹が弱い体質だから・・・

と早々に諦めないで下さい。

 

このような状態が長く続く場合、過敏性腸症候群になっている可能性があります。

過敏性腸症候群はしっかりと治療をしていけば、治っていきます。

 

 

過敏性腸症候群について

 

簡単に言いますと、名前の通り”腸が過敏になっている状態”です。

大きく【便秘型】【下痢型】【ガス型】に分類されます。

腸が過敏になることで、以下のような症状が起こります。

・おなかの痛み(排便すると痛くなくなる)

・下痢

・便秘

・お腹の音が大きくなる

・おならがよく出るようになる

 

お腹の音が気になる場合は、下痢型または、ガス型に分類されていることが多いです。

 

お腹が減っている時は、誰でもお腹がなります。

しかし、「過敏性腸症候群」になりますと、通常よりも、お腹の音が大きくなるようになってしまいます。


 

静かな所お腹の音が鳴ったらどうしよう緊張お腹がなる

 

と、このように条件反射のような形で、静かな所に入ると緊張してしまい症状がでやすくなるという方もおられます。

また、知人や友人が近くに来るだけで緊張し、お腹がなったり、便意が出るという場合もあります。

 

学生の場合は、教室の中で、自分の後ろに誰かが座っているというだけで、緊張度合いが増してしまい授業に集中できないとおっしゃる方もおられます。

 

その場合は、学校側にそのことを伝え、席を後ろの方にしてもらうなどの対応をして頂ける場合もあります。

 

病院で一般的な検査をしても特に異常は見つからないため、整腸剤だけ処方されることが多く、それだけで治ることはまれなため、どうしていいか分からず、困り果ててしまいますよね。

当院には、そのような患者さまが多く来院されています。

 

鍼灸治療がお腹の症状にも効果があるんですか?

肩こりや腰痛だけだと思っていました。

と、よく言われます。

 

 

過敏性腸症候群になる要因

・感染性胃腸炎になった

・ストレスが多い

・腸内細菌叢の状態が悪い

 

この中でももっとも強い原因となるのは、“ストレス”です。

ストレスによる心理的な落ち込みや不安は、腸の運動を激しくします。

 

ストレスを感じるとCRHというホルモンが脳内で分泌されます。

このホルモンが増えることで、大腸の運動が活性化されます。

静かな所などで、緊張するとお腹がなったり、便意を催したりするのは、このためです。


 

また、過敏性腸症候群の患者さんは、ストレスを感じやすい傾向があることも分かっています。

実際に過敏性腸症候群の方に、ストレスをかけた実験があります。

ストレスをかけると、副腎皮質というところからストレスに対応するためのコルチゾールというホルモンが分泌されます。

過敏性腸症候群の患者さまは、そのコルチゾールに対する感受性が高まっていることが実験で分かっていました。

このことから、ストレスに対して過剰に反応してしまうことが分かります。

 

その他にも、脳において、感情を制御するところの神経が萎縮している傾向もあることが分かっています。

これにより、ちょっと注意されただけで泣いてしまったり、お腹の音がなったことに過剰に落ち込んだりする傾向が強くなりやすくなってしまいます。

 

 

CRHやコルチゾールはストレスを感じた時に分泌されます。

これに対して、オキシトシンやセロトニンといった、リラックス時に分泌される物質があります。

この二つの物質を過敏性腸症候群の患者さまに投与すると、緊張状態が和らぎ、症状が緩和されたとの結果になることが分かっています。

また、CRHの効果を抑制するお薬(CRH拮抗薬)を投与することで、大腸の運動も抑制されます。

 

 

過敏性腸症候群に対する鍼灸

 

鍼の施術をすることで、脳に刺激が伝わり、セロトニンやオキシトシンなどの物質が活性化されることが分かっています。

全日本鍼灸学会のホームページにある「基礎と臨床の対話」にも記載されています。

 


これらの物質が活性化されることで、リラックス感が得られ、緊張状態が和らいでいきます。

 

鍼の施術をしているときや鍼をした後に、眠たくなるのは、このためです。

 

緊張状態が和らぐことで、腸の運動が落ち着いていきます。

 

すると、不安感も感じにくくなります。

 

 

継続して鍼を行うことで、ストレスに過剰に反応することも徐々に少なくなっていきます。

 

すると、緊張感を感じる頻度も減っていき、緊張度合いも低くなるので、お腹の音もならなくなっていきます。

 

 

また、足やお腹にお灸をすることで、腸の運動が抑制されることが分かっています。

このことは全日本鍼灸学会のホームページの「基礎と臨床の対話」にも記載されています。

 

お灸は自宅でも手軽にできますので、セルフケアとしてされることもオススメです。

お灸はシールが付いていて手軽にできるものが使いやすいと思います。

ドラッグストアやインターネット上でも販売しています。

 

 

おススメのツボ

足三里:ヒザの下にあるツボです。

胃腸に関連しており、腸の運動を抑制することが期待できます。


天枢:大腸に関連しているツボです。

お腹にあります。おへそから指3本分外側にあります。


 

緊張する場面でお腹の音が鳴ったり、下痢になりそうになると、余計に緊張してしまいますよね。

仕事にも支障がでてしまい、休職せざるを得ないことにもなりかねません。

そうなる前に、鍼灸でストレスを緩和し、胃腸の状態を整えましょう。

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