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視力が落ちる、目の痛みの原因が心(脳)に?!

2020年9月4日8:27 PM カテゴリー:眼科疾患

長引く強いストレスにより視力が落ちる、目の痛みが生じるケースが多くなっているようです。

 

特に、今年は新型コロナウイルス感染症流行に対する予防や「感染者数、医療崩壊」などのキーワードにより強いストレスを感じる方が多く、目の症状に限らず自律神経失調症など、いろいろな症状でお困り方が多いようです。

 

8月24日の日経新聞に井上眼科病院の若倉名誉院長が「多くの眼科医は見るという行為に脳の機能が関わっていることを軽視してきた。」と述べられています。

 

眼は人体の中でも精密な感覚器で、レンズとしての目と脳の共同作業で「物が見える」という視覚を作り上げています。

 

このようなことから、レンズとしての眼球に異常がなくても、心理的な要因で、いろいろな目の症状が生じることがあります。

 

例えば、視力低下、視野が狭くなる、目の痛み、まぶしく感じる、かすむ、ぼやける、ちかちかする、あるいは、瞼がぴくぴくするなどです。

 

では、なぜ、このようなことが生じるのでしょか?

 

 

見えるとはどういうことなのか?

 

まず、あなたはどのようにして「見えているのか?」がポイントになります。

 

物の見え方


物体を水晶体(レンズ)が光としてとらえる



眼球内のいろいろな部分を通過して網膜に伝わる



網膜は光エネルギーを電気信号に変換し、視神経に伝達



視神経では、視交叉により、左右の視神経が半分ずつ入れ替わり、脳の側頭葉・頭頂葉に伝わる



頭頂葉では物体の動きや奥行きを処理し、側頭葉では色や形の情報を処理し、そこに記憶や注意などの状況に合わせて活動を変化させながら脳の視覚野に伝達される



他の感覚器情報の影響を受けながら、 脳の前頭前野が「物体」に対してどのように「見るのか」という情報を与え、脳の視覚野が活動します



「物体」が見えるとなります

 

 

このように「物が見える」のは、主に脳の前頭前野と高次視覚野の相互作用によります。

そこにさらに、脳のその他の情報も修飾され「見える」ということになります。

 

すなわち、あなたが「見える」のは眼球(レンズ)ではなく、脳全体で見ているということになります。


 

 

目のいろ色あ症状の真の原因は心(脳)にある?!

 

あなたが「見える」ということは、眼球だけでなく脳全体と「コミュニケーション」を取った結果といえます。

 

このためにあなたに持続される強いストレスがかかりますと、「はっきりと見えない」ということが生じたりします。

 

このような状態を「心因性視覚障害」と呼んでいます。

 

この病気の症状には、以下のようなものがあるとされています。

 

・視力の低下

・視野が狭くなる(視野狭窄)

・目の痛み

・まぶしく感じる

・かすみ目

・視界がぼやける

・目がちかちかする

・瞼がぴくぴくとする

などです。

 

ただ、心因性視覚障害は自律神経失調症と同じで、本当の病気がないかをちゃんと調べる必要があります。

 

例えば、視力や眼球運動、色覚などの通常の眼科の検査を通じて、眼球や網膜などに異常がないかを調べる、CTやMRIなどにより脳に腫瘍など病気がないかなど、目と脳に異常がないことを確認する必要があります。

 

これらの検査に何も異常がないことにより、初めて心理的な側面を探っていくことになります。

 

眼科で目の状態に問題がなく、脳にも問題がないが、目の症状がある場合は、ストレスによるものの可能性が高くなります。

 

では、なぜ、ストレスにより目の症状が生じるのでしょうか?

 

「見える」とは脳の前頭葉や側頭葉・頭頂葉と情報交換することが必要になります。

 

脳の前頭葉は思考と密接に関連した場所です。

あなたが心理的なストレスで思い、悩む、つらい感情が繰り返される出来事や不眠により、ストレスホルモンが分泌され続けて、前頭前野のグリア細胞を減少させることが分かってきています。

 

側頭葉はストレスの影響を強く受ける、行動の知覚の機能があります。

 

また、頭頂葉は身体感覚や言語機能があり、どちらもストレスの影響を受けやすいです。

 

このように、持続された強いストレスを受けることにより、視覚と関連の深い脳機能が低下します。

 

これにより、「見える」ということにも「狂い」が生じ、眼科で異常がないといわれたにも関わらず、「見る」ということに関してのいろいろな症状が出現するわけです。

 

 

眼科で異常のない視力の問題や目の不快な症状に鍼灸を!

 

一般に眼科では「目」を中心に診ていますので、目に異常がなければそれ以上の対応は難しいことがよくあります。

 

ただ、最近では8月24日の日経新聞に「心療眼科」の記事があり、そこにこのようなことに詳しい専門医の団体として「日本心療眼科研究会」、「日本神経眼科学会」などがあり、そこに専門医が紹介されているようですので、参考にして頂ければと思います。

 

また、あまり知られてはいませんが、鍼灸も有効な手段ではあります。

大阪 心斎橋の鍼灸院 天空にも目でお悩みの方が多くいらしています。

 

それは、鍼灸がストレス緩和に役立つことが分かっており、また、脳機能を改善することや脳血流量を増やすこともできるからです。

 

これらのことは、『医学のあゆみ』に明治国際医療大学での「鍼灸による抗ストレス作用」や『人間学研究論集』の武蔵野大学での「ストレスと精神的健康に対する鍼灸医学」に詳しく説明されています。


 

他には、目の血流量を増やすことも分かっています。

 

首のツボや手足のツボに鍼を刺すことにより、網膜への血流が増えるとの研究が明治国際医療大学にて結果づけられています。

 

持続される強いストレスは、交感神経が興奮し血流を悪化させますので、血液を多く必要とする目に障害が生じます。

 

パソコン作業などを長時間することによりドライアイや眼精疲労になることが知られていますが、それは、まさにこのようなことによります。

持続される強いストレスから、目の症状にお悩みのあなたに、鍼灸を選択肢の一つに加えて頂ければと思います。

 

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