自律神経失調症は、鍼で治るのか?
2013年9月23日11:39 AM カテゴリー:
自律神経失調症
自律神経失調症は鍼灸で治ります。
では、なぜ治るのかをお話ししていきます。
自律神経失調症は、ストレスや緊張感が続くことにより、交感神経が興奮したままの状態にあるといえます。
交感神経の興奮は筋肉の凝りや痛み、また、不眠を引き起こします。
交感神経の興奮が収まり、副交感神経とのバランスが取れれば、自律神経失調症は改善されてきます。
交感神経の興奮を下げるには方法が2通りあります。
1つは、交感神経の興奮自体を抑える方法です。
もう1つは、副交感神経の働きを活発にすることです。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、互いに抑制し合っていますので、どちらか一方が興奮しますと、別の一方は、あまり働かなくなります。
副交感神経を活発にしますと、勝手に交感神経の興奮が収まってくるわけです。
交感神経の興奮を抑える方法
交感神経の興奮を抑えるには、筋肉の凝りや痛みを取り除くことが有効です。
筋肉の凝りや痛みは、血流を悪くします。血流が悪くなれば、神経に栄養が行きにくくなり、興奮している神経はさらに興奮します。
凝りや痛みを取り除き、血流を良くしますと、神経に栄養が十分に行き、神経の興奮は収まってきます。
副交感神経の働きを活発にする方法
この作用は鍼治療の得意とするところです。リラクゼーションや整体などでも、凝りや痛みを取り除くことは可能ですが、副交感神経を活発にすることはできません。
これは、鍼による「体性自律神経反射」として、さまざまな方法で証明されています。
手や脚にあるツボに鍼を刺しますと、脊髄を通じて脳の視床下部に刺激が伝わります。ここで「上脊髄反射」という反射が起こり、副交感神経を優位にさせます。
副交感神経が優位になることで、交感神経の興奮は収まってきます。
これにより内臓の働きが活発になり、血流がよくなることが分かっています。具体的には、脳血流、心臓の血流、腎臓や子宮の血流が増えるとされています。
また、血圧が下がることも分かっています。
もちろん、これらのことは、凝りや痛みを取り除いてもある程度は起こります。全身の血流が改善されるからです。
ただ、手や脚のツボへの鍼刺激ほどではありません。
鍼刺激は、交感神経の興奮を直接、押さえ、そして、副交感神経の働きを活発にできますので、自律神経失調症を改善することができるわけです。
そして、どちらか一方を中心にしたり、どちらも同じように治療することも可能です。
たとえば、凝りや痛みがひどいときには、まず、それを取り除くことを中心にする。そうでない場合には、副交感神経を優位にする治療を中心にする。あるいは、どちらも同時に治療するなど、患者さまの状態に応じ、一番良い治療法を選択できます。
これも鍼治療の特徴といえます。