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胃腸のトラブルを解決して妊活を成功させる

2017年12月1日9:54 AM カテゴリー:お話,不妊鍼灸

少しでも早く妊娠し、健康的な妊娠や出産をするためには、胃腸の働きを調整する必要があります。

ひょっとするとあなたは、「胃腸と妊娠?」と思うかもしれませんが、胃腸の働きを調節している自律神経は、からだの免疫にも深く関わり、妊娠や出産にも大きない影響を及ぼしています。

また消化吸収機能が低下すると、妊娠に必要な栄養も足りなくなるのです。


【胃腸と自律神経】

食道や胃腸などの消化器は、自律神経の命令で働いています。自律神経の中でも、副交感神経は胃腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、食べたものをどんどん先に送り出す命令を出しています。

食べたものを下に送る力が落ちてくると、消化管全体の機能も失調しがちになり、逆流性食道炎なども起こしやすくなります。


この副交感神経がしかっり働くのは、あなたがリラックスしている時です。リラックスしている時間がなければ、副交感神経は働くことができず、胃腸の働きは上手くいきません。

お仕事やプライベートが忙しく、妊活が上手くいかないせいでイライラしていては、交感神経ばかりが活動し、胃腸の血流も悪くなります。

胃腸に血液が循環しなければ、上手く消化吸収機能が働きません。消化吸収機能が上手く働かなくなれば、いい卵や分厚い内膜を育てるための栄養も摂取できないことになります。

胃腸が上手く働かないということは、いくら高価なサプリメントを飲んでも、その効果が出ないということです。

【自律神経と免疫】

胃腸が上手く働いていない人は、自律神経の働きが悪い人だとも言えます。自律神経は、免疫のバランスを取る働きもしています。

そのため、自律神経失調気味の方は免疫機能が狂いやすく、アレルギーなどを起こしやすくなります。


自律神経の失調状態が長期間に及ぶと、交感神経や副交感神経は、どちらか一方が働くというよりも、両方が過敏に働きだすことがあります。

アレルギーなどは、副交感神経が過敏になると起こりますが、副交感神経が働きすぎると命に関わる程悪化します。

胃腸の機能も副交感神経が優位だと働くといっても、働きすぎると害を及ぼします。

また免疫機能は、子宮の中でも働いています。免疫反応が異常を起こすと、精子や受精卵に対しても免疫反応を起こしてしまい、不妊や流産の原因になります。

こうした免疫異常にも、鍼灸治療は効果を挙げています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22315633
免疫環境を整えることで胚盤胞移植を成功に導く

こちらの論文では、体外受精で得られた胚盤胞(5日目受精卵)を移植する際に、鍼灸治療を加えたグループとそうでないグループを比較しています。

胚盤胞移植の場合には、頸管粘液不全や男性不妊、受精障害などは関係ありませんので、着床に関する部分をクローズアップして見ることができます。

今回の実験では、鍼灸治療を施したグループでは、リンパ球の一種であるTh1とTh2のバランスに注目して観察しています。

Th1が増えすぎると、抗精子抗体が強陽性になり、子宮の免疫で精子を攻撃することが知られています。

受精卵にも同様に攻撃を仕掛けるようですが、鍼灸治療を施したグループでは、このTh1の機能が抑えられ妊娠率が増えたそうです。


Th1はただ下がるだけではなく、バランスを保ちながら下がることが必要です。

Th2が増えすぎると、アトピー性皮膚炎を発症することが分かっていますので、どちらか一方を下げれば良いのではなく、あくまでもバランスを取る必要があるということです。

【胃腸の鍼灸治療】

鍼灸で消化機能を向上させるには、大きく二つの方法があります。

一つは手足のツボを使って、脳の視床下部を刺激して自律神経の働きを活発にする方法です。

有名な足三里というツボは、消化吸収機能を刺激して血液を作るツボだとされています。

三陰交というツボは、消化器にも影響を与えますが、子宮の血流を増やすツボとしても有名です。

 

こうしたツボを刺激すると、消化吸収を活発にして栄養を含んだ血液を、子宮や卵巣へ起こりこむことができます。

また自律神経を介して刺激するため、免疫系にも作用すると言われています。

もう一つの方法は、背部や腹部に鍼灸刺激を加えて、脊髄反射を利用する方法です。

特に胃腸に炎症を持っていたり、機能亢進をしていて痛みを訴えているような場合には、こうしたツボは効果的に働きます。

胃兪や脾兪などは、そのまま消化器に関連する名前が付いたツボです。

また上脘、中脘、下脘などは胃の上中下という意味でもあります。

 

こうしたツボを、症状や体質に合わせて使い分けます。

更にストレス性のものに使うツボや、飲みすぎ食べ過ぎに使うツボなど、多くの胃腸疾患に対して、使い分けることができます。

胃腸の調子を整えると、妊活を乗り切るための気力も湧いてきます。妊活に疲れ、食欲がなかったり、お腹の調子が悪いという方は

ぜひ鍼灸治療でリフレッシュしてみて下さい。

 

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