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【花粉症】兵庫県在住、30代男性、鍼灸治療のケース

2014年2月7日10:08 PM カテゴリー:症例,花粉症

花粉症へ鍼灸治療:患者様の感想「夜の鼻づまりがほとんどなくなりました!」

・今までの経過
ある日、突然、くしゃみが止まらず、鼻水もたれだした。

初めは、花粉に時期だけだったが、徐々に1年中、鼻炎になった。

目のかゆみもひどく、目薬を月に2つも使う。

薄い鼻水が止まらず、仕事がはかどらない。

夜寝る前に、鼻づまりになり、なかなか寝付けない。
来院当日は目のかゆみがひどく、目が充血していました。

またくしゃみを繰り返し、鼻水も出ていました。

仕事がはかどらないので、ストレスを感じているようでした。なにより鼻をかみすぎて、鼻腔が少し切れていました。

花粉症への鍼灸治療と施術後の状態について

初回の鍼治療

手や足のツボから4ヶ所を選択し、直径0.16ミリ、長さ15ミリの鍼を刺し、「気(エネルギー)の調整をし、そのまま、約30分間、寝てもらいました。

途中、「気」の具合を確認し、再調整をしました。

治療後は目のかゆみが無くなり、鼻がすっきりとした感じになっていました。

2回目の治療

初回の治療後、夜に鼻づまりになることが少なくなり、寝やすいとありました。

くしゃみの回数も減ったようです。

治療は初回と同じです。

治療後は目のかゆみや充血は改善されていました。

鼻の感じも自然になってきたようです。

3回目から9回目の治療

目のかゆみは楽になり、目薬を差すことを忘れることもあるそうです。

くしゃみをする回数も減り、同時に、鼻水も改善されてきたようです。

治療は初回と同じです。

10回目の治療

職場のある大阪から出張した時に、花粉に反応したようで、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水がひどくなったようです。

初回の治療に、脳血流を改善するツボに鍼を刺すことを加えました。使用した鍼は、初回と同じです。

治療後は目のかゆみは治まっていました。

鼻は通り、すっきりとした感じのようでした。

11回目から16回目の治療

くしゃみをすることがほとんどなくなり、同時に鼻水も出なくなり、仕事が捗るようになったようです。

目薬は、必要なくなったようです。

治療は、10回目の治療と同じです。

治療後は鼻炎の症状は、ほとんど治まり、夜の鼻づまりもなくなったので、16回目で一旦、終了としました。

施術者の感想

花粉症(アレルギー性鼻炎)はその症状も辛いですが、場合によって、今回の例のように仕事に支障をきたすことがあります。

鼻炎の症状と仕事がはかどらないストレスから、さまざまな症状を引き起こし、治り難くなる場合もあります。

この患者さまの場合は、ストレスは感じているものの、肩凝り、腰痛などのからだに症状は出ていませんでしたので、比較的早く、改善できました。

花粉症は、現在、分かっているところでは、免疫物質である、Th1,Th2のバランスの崩れにあるとされています。

Th2が増えたことにより、体内に入ってきた異物に対して、過敏に反応した結果が、花粉症といえます。

鍼治療は、このTh1,Th2のバランスを元に戻すことができます。

手や足のツボにごく軽い刺激の鍼をしますと、Th1の働きを強めることが知られています。

Th1,Th2はシーソの左右のようなもので、互いに牽制しあいながらバランスを保っています。

このため、Th1が強くなれば、自然に、Th2の働きが弱くなります。

鍼治療のこの作用により、花粉症が改善できるわけです。

一般には、大阪のような排気ガスの多いところが、花粉などのアレルギー物質にNOxなどがくっ付き、症状が激しくなりやすいとされています。

この患者さまは、大阪から地方に出張した際に、症状がひどくなっています。

地方で、多くの花粉を一気に吸いこんだことが原因と考えられます。

鍼治療により、Th1,Th2のバランスが整えられますと、花粉やほこりなどのアレルギー物質を吸い込んでも、アレルギー反応は起こらなくなります。

東洋医学からの視点

古代の医学では、目と「肝」、鼻と「肺」が相関しているとあります。

また、「肝」と「肺」も、その形から相関していると考えていました。

正常な状態であれば、「肺」が「肝」を抑制しています。

「肝」は伸びやかな状態を好むとされ、ストレスや日常生活の乱れなど、緊張感を強いられると興奮するとあります。

この状態が続きますと、「肝」の力が強くなり過ぎ、「肺」に影響を及ぼすようになります。

「肺」の働きが落ちたことにより、花粉やほこりなどに敏感になり、鼻の機能も乱れ、鼻炎症状になると考えています。

この時に、「肝」も興奮していますので、「肝」とつながりが深い目の症状も、出現するわけです。

古代の医学では、呼吸は「肺」が吸い込み、「腎」がからだの奥深くに納めて完成するとあります。

これは、空気を「宗気」とし、からだの働きに必要な「気」の一つとして考えていたからです。

「肺」の働きが落ちますと、当然、「腎」の機能も下がります。

この「肺」と「腎」の働きが悪くなったことにより、からだの上下の巡りが悪化します。

からだは「気」、「血」や「津液」(水分)巡ることにより、正常に働くことができます。

この巡りが悪くなれば、「気」だけでなく、「血」、「津液」という水分の循環も悪化します。

停滞した水分は、「湿」というドロドロしたものに、時間をかけて変化します。

からだは、当然、この「湿」を排泄しようとします。

目から出れば涙に、鼻から出れば鼻水になります。ドロドロしていますので、すっきりと出ることはありません。

目ヤニや鼻づまりとなります。

鼻炎の場合は、鼻の機能が落ちています。

「湿」のような病的な物質は、体の弱っているとこところに、移動しやすい傾向にあります。

このようなことから、花粉やほこりなどを吸い込み、時間が経った後、寝るころに鼻づまりになるとしています。

東洋医学から花粉症を診てみますと、くしゃみ、鼻水と目のかゆみと、一見、関係の内容なことも、上手く説明がつきます。

今回の患者さまの場合は、まさしく、上のパータンでした。

鍼治療で、「肝」の興奮を抑え、「肺」と「腎」の働きを活発にしていきました。

また、からだの巡りも良くなるようにし、「湿」をなくすようにしました。

鍼治療では、やはり、東洋医学的に病気を診て、治療法を考えることが大切になります。

花粉症だからといって、鼻や目の近くのツボに鍼を刺す必要がないことも、理解して頂けると思います。

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