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不妊の原因を整理して鍼灸治療を施す

2018年8月9日11:18 AM カテゴリー:不妊症

【不妊の原因とは】

 

一口に不妊と言っても、その原因は様々で、多くの場合には、複数の要因が絡み合うように存在しています。

その一つ一つに対して治療を加えていては、かなりの手間が掛かりますし、からだへの負担も掛かります。

そこで主たる原因や、きっかけになった原因、或いは改善可能なものから手を付けていくことで、あなたを妊娠に近付けようというのが、当院の不妊鍼灸や妊活の形になります。


これは非常にざっくりではありますが、不妊の原因になる要素を、4つのグループに分けて表したものです。私が個人的に作成したため、学術的な分類ではありません。

グループ分けには色々と方法がありますので、これが唯一の正解な訳ではありません。あくまでも、個人的に考えやすいように分けただけです。

そのため、脳のグループがあるにも関わらず、からだのグループにストレスがあります。これは、ストレスが体調に影響を及ぼすことを意味しているだけで、からだのストレスということではありません。

 

 

1.脳のグループ

 

脳のグループは、視床下部と下垂体から分泌されるホルモン分泌が主となっています。こうしたホルモン分泌が原因になって、不妊傾向が出ている方を表します。

脳のグループは、西洋医学ではホルモン療法で治療がなされるグループです。鍼灸治療では、これを補助的に行う場合もありますし、投薬なしで行う場合もあります。

鍼灸治療の臨床実験では、ホルモン分泌を促す作用が多く報告されています。

 

2.卵巣のグループ

 

卵巣は、脳からの指令でホルモン分泌を行うグループです。卵巣からは、エストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。

また育ちかけの卵胞から出るAMHは、卵胞の成長を抑制する働きもありますので、高すぎるAMHは下がるのを期待して施術をします。

逆に低いAMHは、卵巣機能が弱まったいることを表しますので、卵巣に積極的に血液を送ることで卵胞を成長させ、AMHを高くするようにします。

ここで重要なことは、卵胞がしっかり育つから、エストロゲンやプロゲステロンが分泌されているということです。

卵胞の成長ができないまま、ホルモン剤でエストロゲンやプロゲステロンを足しても、十分な効果が得られないのは、そのためです。

まずは卵巣に栄養をしっかり送れるように血流を増やし、飲食物を適切に摂ることが重要です。その上で、卵胞から分泌されるホルモンを観察すると、正しい卵巣の評価ができます。

 

3.卵管・子宮のグループ

 

卵管と子宮は、その形態と機能が重要です。精子が入って来る、経路としての子宮と卵管では、異物に対する免疫反応が適切でないと、精子や受精卵を攻撃してしまいます。

卵管や子宮は、免疫活動が非常に活発なところですから、こうした免疫が過剰過ぎず、かといって弱すぎず働くことが重要です。

免疫活動には、自律神経の働きやホルモン分泌が大きく関係するため、こうした卵管や子宮以外の状態が影響を与えます。

鍼灸治療で自律神経を整えると、血流だけではなく、免疫の面でも有益に働きます。

全てのグループでも、他のグループとの関連が影響を与えますが、子宮の状態に関しては、特に他の影響を受けやすいと思って下さい。

生理不順もなく、男女ともに原因不明な場合には、全身状態から子宮に与える影響を考えると、案外早く妊娠に至るかもしれません。

 

4.からだのグループ

 

からだのグループでは、ありとあらゆる全身の要素が含まれます。心身のストレスから化学物質、飲食、タバコ、酒、運動習慣、病気、就寝時間、etc….。

こうした多くの要素が、妊娠や出産には関係します。

多くの不妊に悩む男女が躓くのは、こうした基本的なことに対する対処ができていないせいです。不妊専門病院でも、こうした直接妊娠に関係しないことは、各個人での自己管理が基本だと割り切っています。

当院では、問診や日々の施術の際に、色々細かいお話をさせて頂くことで、病院ではできない自己管理の部分を掘り起こして、ご指導させて頂きます。

全ては生まれてくるお子さまのためだと思い、是非私たちの声を聞いて下さい。

また、全身状態を良くするための鍼灸治療は、他の治療法には無い治療効果を挙げます。西洋医学では妊娠できなかった方が、鍼灸で妊娠に至るのは、こうした全身状態が良くなったせいだと思われます。

 

【男性の場合には?】

 

男性不妊においても、基本的には同じだと考えて下さい。男性の場合には、子宮はありませんので、妊娠に関する部分は関係ありません。

それ以外の要素は、全てあると思って間違いありません。男性不妊は、最近でこそTVでも取り上げられていますが、それでも十分ではありません。

報道のされ方を見ていると、男性不妊の場合には、生活改善で全て改善が可能だと思われがちですが、それは女性と同条件です。

男性には閉経がありませんが、精子の質は年齢とともに劣化します。また、生活改善をして、質が良くなるのは、精子だけではなく卵も同様です。

是非、妊活はご夫婦で取り組み、先ずは自分の状態を正しく把握することから始めて下さい。そのためには、精液検査やフーナーテストを積極的に受けることをお勧めします。

元気なお子さまを授かるためには、男性の協力は欠かせません。妊娠後10カ月も養生を続ける女性のことを思うと、精子を出すまでの養生は、親としては当たり前なのかもしれません。

鍼灸治療は、男性不妊においても、高い効果を発揮します。特に精子の質を上げるために、精巣の血流を良くする鍼をすると、西洋医学よりも高い効果を発揮する傾向があります。

精子の質に問題がある方は、全身状態の調整とともに、鍼灸治療を受けてみて下さい。

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