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私たちが考える不妊鍼灸とは

2018年8月8日3:44 PM カテゴリー:不妊症

【天空の不妊鍼灸とは】

 

当院が行う不妊鍼灸は、トータルで妊娠しやすいからだを作り、無事出産ができるからだ作りを目指します。

妊娠率だけ高ければ良いのではありません。できるだけ安全に、快適に妊婦時代を過ごして頂き、お子さまとの対話ができるからだ作りこそが、私たちが目指す妊活です。

元気な状態で妊娠して妊婦になると、ギリギリの状態で妊娠するのとは全く違った、毎日が楽しめる妊婦生活が待っています。

 

【不妊治療における男女の違い】

 

ここで男女の違いと、不妊鍼灸に関してお話させて下さい。不妊鍼灸を始めとして、不妊治療では女性が治療を受けることが殆どです。

不妊自体は、男女とも半分くらいの原因を持つと言われます。その割には、男性が参加する割合はかなり少なく、私たちとしても少し戸惑いを感じます。

男性と女性で、不妊になる要素の違いを少しご紹介します。


非常に簡単ではありますが、不妊の要素としては、男女共通するものとして、脳からのホルモン分泌(視床下部・下垂体)と、大きく体調にまつわるもの、そして生殖腺(卵巣・精巣)の問題があります。

さらに女性特有のものとしては、子宮の問題があります。男性には子宮がありませんので、当たり前だと言えます。

男女共通する部分の問題は、実は殆ど変わりません。例えば、女性の排卵障害としてよく見られるPCOSや高プロラクチン血症も、男性では精子の異常として起こり得る問題です。


ただ生理周期がないせいで、生理不順としては表面化しないため、男性は精子の異常に気付くことはありません。

精液検査になって初めて、自分の精子に異常があることに気付きます。それでも男性は、精子に対する思い入れが無いため、あまり大きな問題とは捉えません。

ここに男女の大きな違いがあります。男性が、不妊の問題に真剣に取り組まないのは、精子に対する思い入れが無いことと、精子や妊娠に対する無知が関係しているのです。

女性の場合には、上にあるような4つの要素が絡み合いながら、不妊傾向を作ります。男性の場合には、3つの要素が絡み合いながら不妊傾向を作ります。

西洋医学の場合には、この一つ一つを別々に解決するために、投薬や手術を行いますが、鍼灸治療の場合には、その大元を見付けることで、連鎖的に問題が解決するようにします。

病院での治療の場合、女性の治療は、不妊の要素が多く複雑なため、より影響力が強いホルモン分泌をコントロールするために投薬がなされます。

男性の場合には、手術療法が選択されるか、生活習慣の改善が主となります。こうしたことも、男性が、積極的に不妊治療に参加しない原因ではないかと思います。

つまり、非常に敷居が高い手術療法か、生活改善と言う、男性にとって苦手で面倒なことが、治療のメインになるからです。

 

【不妊鍼灸では男女差や治療をどう捉えているか】

 

不妊鍼灸治療においては、女性の4つの要素、男性の3つの要素の内、からだ(体調)に関する部分を重視します。

全ての要素は、他の要素と繋がっているのですが、からだの要素は非常に重要で、全ての要素を束ねる存在だと考えても良いと思います。


例えば、多嚢胞性卵巣症候群を持つ女性がいたとしましょう。多嚢胞性卵巣症候群は、遺伝的な要素が、強く関係する排卵障害です。

多嚢胞性卵巣症候群の体質を持つ女性は、当分の摂り過ぎや肥満、ストレスなどで簡単に排卵障害を起こします。

また多嚢胞性卵巣症候群を持つ女性は、非常にストレスを感じやすい傾向があり、不妊治療の中で抑うつ状態を起こすことがよくあります。

さらに排卵誘発剤を使用すると、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりやすいことでも有名です。

来院患者さまの中には、こうした多嚢胞性卵巣症候群を持った上で、高プロラクチン血症や甲状腺機能低下症を併発される方も多くいらっしゃいます。


 

もしこうした患者さまに、一つ一つの症状に対する施術を施せば、治療部位や鍼の数は果てしなく増えていきます。

そこで私たちは、こうした複数の症状や診断名を持つ方の施術をする場合、お話をゆっくり聞いた上で、その人の生活習慣や病歴の中で、核になるものを見付け出して対処します。

それは生活指導や食事指導のこともありますし、鍼灸治療のこともありますし、お話を伺うこと自体が目的になる場合もあります。

症状や病名に紛らわされず、あなたの生命力やからだの状態により、最も必要なことを提供できるようにするのが良いと思います。

また、女性の場合には、不妊専門病院に通院していることが多いため、病院での治療とのバランスや投薬の影響などを考えて、適切な施術を選びます。

男性の場合には、女性に比べて性的な問題をタブー視する傾向があり、中々心の内を明かしてくれません。

そのため、からだのアプローチ(施術)から、心の問題に取り掛かることが多い様に思います。女性の場合には、からだの面から心にアプローチする場合、心からからだにアプローチする場合、その両方向からアプローチできる場合があります。

当然ながら、両面からアプローチできると、治療効果は早く上がりやすいということになります。こうしたきめ細かい配慮が、不妊鍼灸には必要だということです。

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