【妊活をどう始めるのか迷ったら】
「 今までは何となくタイミングを取っていたけど、そろそろ本格的に妊活でも始めようか。」
と考えたまでは良かったのですが、いざ妊活となると、何から初めて良いのか分からない、という人は多いのではないでしょうか?
恐らく妊活を始めようと考えた人の大部分は、婦人科や専門病院に行って、基礎体温の測り方や体温表の付け方を習い、血液検査でホルモン値を測ります。
積極的なご夫婦なら、精液検査やフーナーテストを受けて、ステップアップの準備をするかもしれません。ところが、敢えて私は、
鍼灸治療から始める妊活をお勧めしたいと思います。
【鍼灸院から始める未妊治療】
鍼灸治療で妊活を始める場合、できるだけ
不妊治療や婦人科に対して、理解が深い治療所を選ばれることをお勧めします。
もしあなたが選んだ鍼灸師に、不妊治療や婦人科の知識がなければ、あなたは
適切な治療の方法やタイミングを失ってしまう可能性があります。
鍼灸には、元々診療科目がないため、一人の鍼灸師が腰痛や肩こりから婦人科疾患、小児ヒステリーなど、様々な疾患や症状に対して施術を行います。
そのため、慣れてくると、鍼灸師自身も、何でも治せると過信しがちになります。また仮に何でも一定は治せるとしても、それにかかる時間や費用を考えると、
必ずしも鍼灸が第一選択にはならないものもあります。
不妊治療にしても同様で、妊娠に至るまでの時間や費用を考えると、その費用対効果を知らなければ、返って長引いたり高くついたりしてしまいます。
私の場合も、早く安全に妊活が終わるなら、敢えて鍼灸治療だけに拘る必要はないと思います。そのため、ファーストチョイスで鍼灸院に来て頂いても、
その方に合った病院を紹介することは多々あります。
妊活に利用する治療法を選ぶときには、その効果と、効果が出るまでのスピードは、かなり重要です。効果が出るまでに時間が掛かれば、妊活中のご夫婦も年齢が上がります。
年齢が上がることは、やはり妊娠には不利な条件ですから、病院でスピーディーに治療を受けるか、鍼灸でじっくりからだを治すかの判断は、しっかり付けなければいけません。
鍼灸治療は根本治療ですから、病院で行うような不妊治療と異なり、
あなたのからだを内側から変化させて、自力で妊娠や出産ができるからだ作りを行います。
病院で受ける不妊治療は、あなたに足りない部分を薬で補い、手術で矯正し、補助医療を用いて、あなたやパートナーの代わりをしてくれます。
この両方を使い分ける、あるいは併用することができれば、あなたの妊活は、非常に速やかに終わりを迎えるはずです。そのために、
敢えて鍼灸治療をファーストチョイスにして頂きたいのです。
病院に通って様々な治療を施してからであれば、あなたのからだにダメージが蓄積している可能性があります。そのダメージを回復させる時間が、私たちには勿体なく感じるのです。
鍼灸治療を3ヶ月程度受けてから病院に通うと、驚くほどスムーズに妊活が終了できるのは、今までの経験で数多く見てきました。
少しでも早く妊活を終えたい方は、鍼灸治療をファーストチョイスとして頂ければ良いのではないでしょうか。
【投薬と鍼灸との併用を考える】
鍼灸治療でからだを変化させるときに、大きな働きの一つに血流の増加があります。
血流が増加すれば、運ばれる酸素や栄養素が増えるため、妊活には非常に効果的です。
例えば、卵胞の成長に必要な酸素や栄養素、ホルモンなどは、血液の中に溶け込んで卵胞まで届けられます。卵胞は、成長に必要な血液がたくさん運ばれなくては、成長をすることができません。
不妊治療で使用されるホルモン剤も、血液の中を運ばれて卵巣や子宮内膜に働きかけます。そのため
鍼灸治療とホルモン剤を併用すると、ホルモン剤の効果が高くなります。
また使用されて残った薬剤は、肝臓に運ばれて解毒されますが、血流が良くなれば、肝臓に素早く運ばれるため、解毒するスピードも速くなります。つまり、
ホルモン剤などの副作用が出にくくなるのです。
海外でも様々な不妊治療と鍼灸治療の併用が試みられていますが、最も報告が多いのは、
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の薬物治療との併用と、体外受精での排卵誘発剤との併用、さらに胚移植との併用です。
多嚢胞性卵巣症候群に対する鍼灸治療は、世界各国から臨床報告がされています。その中でも多いものは、多嚢胞性卵巣症候群の女性が、体
外受精と鍼灸治療を併用したものについてです。
多嚢胞性卵巣症候群の女性は、
排卵障害があるだけではなく、
卵の質が低下しやすく、
血液凝固異常があるため、
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりやすいのですが、鍼灸治療を併用すると、こうしたネガティブな面が少なくなるそうです。
鍼灸治療と多嚢胞性卵巣症候群に対する投薬治療や、排卵誘発剤を併用した効果は次のようなものです。
鍼灸治療を受けてからでも、必要があれば専門の鍼灸師は、病院への紹介を躊躇いません。また病院では見逃していた体調の問題も、鍼灸師なら気付くことがあるかもしれません。
こうしたことを考えても、不妊鍼灸や未妊鍼灸、妊活鍼灸など色々と表現はありますが、
専門的な知識と経験がある鍼灸師をファーストチョイスとすることは、あなたの妊活を早く終わらせる秘訣となるかもしれません。