2018年8月10日10:37 AM カテゴリー:
不妊症
【通院範囲】
今回ご紹介するのは、当院へ通院して頂いた患者さまのデータです。これから通院する患者さまや、現在通院している患者さまも、気になるところなのではないかと思います。
当院は、大阪市内でもかなり交通の便が良いところにありますので、かなり広範囲の地域から通院して頂いています。
大阪メトロの御堂筋線、堺筋線、長堀鶴見緑地線の駅から徒歩で5分以内で着きますので、現在通院して頂いている方でも、兵庫県(神戸市、尼崎市、西宮市)、大阪府(大阪市、松原市、堺市、吹田市、高槻市など)、京都府、奈良県、和歌山県など、他府県からも、多くお越しいただいています。
【患者さまの年齢】
患者さまは、妊活に限って言うと、やはり30代前半から中盤が多く来院されています。
ご覧のように40代の方も多く来院されており、全体の1/3が40代の方であることが分かります。これは、私が高度医療の補助や、難治性の機能性不妊を多く手掛けているせいだと思います。
同じ不妊症でも、年齢が高く高度医療を複数回受けている方の場合には、格段の配慮が必要になります。
複数回体外受精を失敗していると、採卵数の減少や卵の質の劣化などの、通常では妊娠が難しい例も増えてくるため、根本的な体質改善が必要になります。
鍼灸治療だけではなく、生活面や栄養面でのサポートなどの多面的な配慮が必要になるのです。
【通院患者さまの治療内容】
これは、当院での不妊鍼灸ではなく、当院以外での治療を指しています。つまり、病院でどのような治療を受けているのかです。
このデータは、ほぼ3等分になりました。タイミング法の方は、大きく3つのグループに分かれます。
1.これからステップアップを望む方
2.一旦ステップダウンしてきた方
3.ステップアップの予定が無い方
当院では、卵の質を根本的に変えたい方や、以前の不妊治療では効果が出難かった方には、3カ月程度、からだ作りの期間を提案しています。
そのため、1や2のグループの方には、タイミングをしながらのからだ作りをして頂いています。この時期に、自然に妊娠に至る例もあります。
体外受精で妊娠しなかったのに、からだ作りだけでタイミング法で妊娠できる方がいるということです。
30代後半以降の方は、年齢的に時間的な焦りが強いため、からだ作りをせずに、採卵を繰り返す場合もあります。
その場合、かえって時間が掛かり、妊娠をしにくくなってしまうことがあります。治療プランは、お話し合いで決めますが、実際には、患者さまの意向が強く反映されます。
そのため、できるだけデータに基づいて、効果的な鍼灸治療をしたいと心掛けています。
【実際に妊娠に至った補助療法】
これは、実際に当院の患者さまが妊娠に至った時に、病院で受けていた治療内容になります。
当院には、多くの体外受精や顕微授精の患者さまが来院されますが、実際に妊娠に至った例を見ていると、案外タイミングや人工授精の方が多いことが分かります。
これは先ほどご紹介した、ステップダウンやステップアップ準備中のものが含まれますので、患者さまが意図した治療法以外でも、案外妊娠できるということが分かります。
人工授精などは、あまり効果的でないと思われることが多いですが、当院では人工授精での妊娠も多いのです。
これは、人工授精の適応となるまでに、からだが回復したことや、無駄なステップアップを避けた結果だと思われます。
逆に、私たちの意見を聞いて頂けずに採卵を繰り返し、からだを弱らせた結果、妊娠に至らないこともあるため、こうしたデータを利用して、患者さまの負担を減らすことができればと思います。
鍼灸院で利用される妊娠率は、病院の妊娠率と違い、かなりバイアスが掛かっています。鍼灸院において、生理周期1回当たりの妊娠率を挙げているところは、ほぼありません。
鍼灸院で挙げているデータは、患者1人が、通院期間中に妊娠するかどうかを、%で表しているところが殆どです。
そのため病院の妊娠率と比べても、鍼灸院が表すデータは、妊娠率が高く感じるに違いありません。
こうしたデータを理解していないと、効果的な病院の治療を避けて、鍼灸院に通うことで貴重な時間を浪費することもあります。
そのため当院では、統計学的にはっきりとするまでは、こうした不明確なものに関してはデータとして使用しません。
【まとめ】
・当院に通院している方は、近畿地方の広範囲から来院しています。
・通院患者さまは、30代前半が最も多いが、次いで40代が多い。
・タイミング法でからだの調整している人が多い。
・当院では、タイミングで妊娠する人が最も多い。