不妊治療をしていると、ステップアップをするご夫婦は数多くいらっしゃいます。逆に、ステップダウンを選ぶご夫婦は、全体からすれば一握りです。
ステップダウンして妊娠しやすくなる場合があることを、あなたは知っていましたか?
不妊治療は、ステップアップが絶対ではありません。そこでステップダウンして妊娠しやすくする方法をご紹介します。
ステップアップとステップダウンの考え方
一般的な不妊治療では、タイミング法から始まり、一定期間で人工授精(AIH)へとステップアップします。AIHへステップアップして3~6カ月程度で、次の段階である、体外受精へと移行される方が殆どです。
年齢や条件次第では、いきなりAIHから始まったり、顕微授精から始まる方もいますが、通常の流れとしては、
タイミング法→人工授精→体外受精→顕微授精
というのがステップアップの流れになります。
不妊治療は、足りない機能を補う補助に徹するべきですが、大抵の病院では、ステップアップは機械的に行われます。すると、必要ではない治療を受けることで、より妊娠しにくくなる方が出てしまいます。
例えば、普通に生理周期が来ていて、卵の質にも問題がない方が、排卵誘発剤を連続して使用すると、無排卵になってしまうことがあります。
女性には全く問題がないにも関わらず、タイミングを合わせやすくなるというだけで投薬を行い、その結果排卵異常を起こしてしまうと、ステップアップで不妊を作ることになります。
体力がある方なら、しばらく休めば排卵は元に戻りますが、全ての人がそう上手くいくわけではありません。薬剤性の排卵異常が長引くことで、どんどん強い投薬を受けることになり、不妊傾向が強まる方もいます。
ステップアップをする時には、その治療が受ける人にとって適応であるかどうかをよく考える必要があります。
また違う例を挙げると、元々卵の質に問題のある方は、体外受精や顕微授精にステップアップしても、妊娠する確率は自然妊娠やタイミング法と何ら変わりません。
卵の質以外にも複数の問題があれば、話は別ですが、それでも卵の質に問題があれば、ステップアップは妊娠率を上げることにはなりません。
【高度医療で解決できない問題】
・卵の質が悪い
・着床障害(着床の窓、免疫異常)
・精子の遺伝子異常
・不育症
高度医療で解決できない問題が分かっているときには、ステップダウンをして体調を整える治療をした方が、妊娠しやすくなることがあります。
鍼灸治療もその内の一つです。卵の質を良くする治療や、子宮での免疫状態を整えて着床しやすい内膜を作ったり、精子の質を上げることで、ステップダウンすることで妊娠しやすい状態を作ります。
ステップダウンへの鍼灸治療の活かし方
ステップダウンが決してマイナスの治療ではないことはお判りいただけたでしょうか?、その人の状態に合っていれば、ステップアップ以上に効果的な選択になります。
ステップダウンして妊娠を目指す場合には、そのステップダウンが適当な判断であるかどうかを知る必要があります。
そこで自分のからだの状態を深く知る必要があります。
・そもそも自分にはステップアップが必要であったか
・ステップアップして体調をとり戻す時間的余裕があるか
・ステップダウンして失われる機能はないか
こうしたことをしっかり考えた上で、ステップダウンはするべきです。それが分からなければ、担当の医師か、私たちのような人間にご相談下さい。
【ステップダウンのポイントまとめ】
・ステップダウンは妊娠率を上げることがある。(多い?)
・自分の状態を知ることが一番
・時間的余裕を考えて実行
・鍼灸治療はステップダウンの強い味方になる
【ステップダウン鍼灸のまとめ】
・鍼灸は卵の質を上げる効果がある
・鍼灸は免疫を整え、着床率UPする効果がある
・鍼灸は精子の質を上げる効果がある
・鍼灸は妊娠機能に強く働く