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生理痛を解消して妊娠しやすいからだを作りましょう。

2017年12月2日5:42 PM カテゴリー:不妊鍼灸

生理痛は、多くの女性にとって悩ましい痛みです。


当院に来院される方の中には、生理不順にもかかわらず、放ったらかしの女性も多く来院されますが、そういった方は決まって、「生理は来ない方が煩わしさが減っていい。」とおっしゃいます。

生理の煩わしさの中には、生理痛の痛みも含まれているのではないでしょうか?

こうした生理痛の原因をなくしながら、妊娠しやすいからだになるために鍼灸治療をお勧めします。


【生理痛の原因】

生理痛の原因は、妊娠に至らずに要らなくなった子宮内膜を排出する際に起こります。

この時、内膜を子宮から排出するために、プロスタグランジンという物質を使って子宮を収縮させます。

プロスタグランジンは、痛みを起こしたり炎症を起こす作用もあるため、プロスタグランジンが子宮でたくさん分泌されると、生理痛も強くなります。

プロスタグランジンが多く分泌されるのは、子宮内膜が排出されにくい条件があるため、強く収縮する必要があるからです。

子宮で血流障害が起こることで、子宮の筋肉が硬くなったりすると、収縮しにくくなります。

経血をスムーズに排出するためには、子宮をより強く収縮させる必要があります。その結果、強く収縮するために、大量のプロスタグランジンが分泌されます。

血行障害→子宮筋が固くなる→強い収縮のために大量のプロスタグランジン

となり、生理痛になるということです。

【ひどい生理痛を起こす子宮内膜症】

子宮内膜症は、子宮内膜が本来肥厚するところ以外で増殖する病気です。

 

子宮内膜は、周期的に脱落するときにプロスタグランジンによる炎症や痛みが起こります。

この痛みや炎症が、子宮内膜以外のところで起きるため、より強い痛みを発することがあります。

子宮の筋層でおこれば子宮腺筋症と言い、卵巣で起こればチョコレート脳腫となります。

場所によっては、スムーズに脱落できずに、炎症だけが強く起きることもあるため、激しい痛みがなかなか治まらず、月経期以外にも痛みや不快症状を発することもあります。

【血流を改善して排出をスムーズにする】

血流が良い状態であれば、子宮の筋肉が柔らかく活動的に動いてくれますので、経血の排出がスムーズになります。

また炎症物質も素早く取り除かれるため、痛みが長引くことが少なくなります。

炎症が長引くと、癒着などを起こすことがあるため、子宮内膜症を抱えている人などは、特に血流には気を配るべきです。

ただからだの内側の血流は、自分の力ではコントロールできません。

こうしたからだの内側の血流は、自律神経を調整することでコントロールできます。

自律神経を調整し、からだの内側の血流をコントロールすることができる方法が、鍼灸治療です。

鍼灸治療は子宮や卵巣の血流を増加させ、妊娠力を上げる効果が分かっています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22152767(鍼灸治療が子宮の血流や筋収縮に及ぼす効果の論文)

『子宮内膜血流は、子宮内膜受容体に直接関係し、それにより、体外受精および胚移植(IVF-ET)転帰に影響を及ぼします。近年、伝統的な中国医学が子宮内膜血流および胚移植を改善する役割を果たすことが示されている研究が増えています。鍼灸治療は、様々な血管増殖因子の発現を調節し、子宮の血管平滑筋収縮の阻害することによって、子宮内膜血管の形成を促進し得ることが確認されています。鍼治療は、体外受精の胚移植に10年以上使用されてきました。漢方薬と西洋薬の組み合わせと、さらに鍼灸治療の組み合わせにより効果が増強され、より大きな臨床効果が得られます。』

【痛みを直接ブロックしたり、抗炎症作用も】

鍼灸治療の効果は、血行促進だけではありません。鍼灸治療の刺激は、脊髄降格に働きかけ、痛みをブロックする作用があるとされています。

痛み刺激を脳に伝える働きをブロックするため、痛みによるストレスも軽減することができます。生理痛を周期的に起こしていると、どうしても痛みが記憶として、脳に残ってしまいます。

脳に残った痛みの記憶は、痛みに対する恐怖心を生み、更に痛みに対する記憶を深くしていきます。こうした痛みの連鎖も、鍼灸治療で改善することができます。

痛みを記憶として残しておく海馬や、痛みに対する恐怖を感じる扁桃体という部分が、鍼灸刺激により過剰な反応をしないようになることが、様々な実験でもわかってきました。

こうして鍼灸は、心身に渡って生理痛を解消する手助けをしてくれます。

【生理痛解消は有効な妊活になります】

先程までは、鍼灸治療が生理痛の解消に役立つ子をご説明しました。

・子宮の血行促進
・子宮筋の運動性向上
・子宮での抗炎症作用
・抗ストレス作用

こうした作用は、妊活に最も重要な要素を含んでいます。

子宮の血行が促進されれば、子宮内膜の肥厚や新鮮な酸素や栄養を子宮内膜に送ることで、着床しやすい内膜を作ることができます。

子宮筋の運動性向上は、精子を卵管内に速やかに移動させることに役立ちます。

子宮での抗炎症作用は、必要のない免疫作用を抑え、精子や受精卵に対する攻撃を緩め、妊娠しやすくなります。

抗ストレス作用は、肉体的にも精神的にもツラい妊活を乗り切る、強い味方になります。

生理痛を解消させることは、非常に有効な妊活となるということです。

 

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