PAGE TOP

体外受精や顕微授精の妊娠率を高める鍼灸

2017年11月26日8:42 AM カテゴリー:不妊鍼灸

鍼灸治療には、体外受精や顕微授精の妊娠率を高める効果があります。鍼灸治療が、こうした高度生殖医療の、どの部分に働いているのかをご紹介します。


【卵胞を育てる効果】

鍼灸治療は、卵巣への血液循環量を増やし、卵胞の発育に必要な栄養や酸素、女性ホルモンを十分に届ける手助けをすることができます。

そのため排卵誘発などで、複数の卵胞が発育する場合でも、卵巣に必要な大量の血液を運ぶことができるようになります。

また内臓機能の働きを整えることで、消化器での栄養の吸収、肝臓でのコレステロール増産にも働きかけ、卵胞の発育を助ける作用があります。

海外での臨床実験では、卵の質の改善が報告されています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25951635
多嚢胞性卵巣症候群の女性に対して、アゴニスト法での排卵誘発を行いました。採卵日まで鍼灸治療を行い、紡錘体とポリオ細胞の位置関係、回収された卵子の数、受精率、切断率、高品質胚率、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発生率、臨床妊娠率、早期中絶率、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)の日に、ゴナドトロピン(Gn)の投与量と時間、エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P)、黄体形成ホルモン(LH)のレベルが観察されました。
その結果、卵子の質が改善し、臨床妊娠率は8.36%改善した

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26054202
体外受精 – 胚移植(IVF-ET)を受けた合計200人のPCOS患者を無作為にコントロール群(n = 98)とEA群(n = 102)に分けました。
血清卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、テストステロン(T)、エストラジオール(E2、甲状腺ホルモン)、卵巣刺激ホルモン血清中のSCF含量および卵胞液を検査機器で分析したところ、採取された卵子の数、受精率、分裂率、高品質胚率、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発生率臨床的妊娠率、早期中絶率、Gn投与量および投与期間、ならびに高品質胚率とSOFレベルとの相関を確認しました。
鍼灸治療は、高品質の胚発生率を改善することができた。

【採卵時の疼痛軽減と抗ストレス効果】

採卵時の最も大きなストレスは、採卵の痛みと結果に対する不安感です。

鍼灸治療は、抗炎症作用や鎮痛作用が高い治療法ですので、この二つに対して鍼灸治療は効果的に働きます。

そのため採卵時のストレスが大幅に軽減されることで、体調の早期回復や妊娠率の上昇に効果を発揮します。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22499825
43人の体外受精を受ける女性を2つのグループに分け、不安感をどの程度感じるかという調査をしました。鍼灸を受けた群では、不安感の低下が見られた。

【黄体期に行う鍼灸の効果】

排卵後は、「着床の窓」と言われる、子宮内膜に受精卵が着床可能な期間、つまり妊娠可能な期間があります。

この着床の窓が開いている期間は、人により長さが違います。着床の窓が開いている時間が長いほど、その女性は妊娠しやすくなります。

着床の窓は、免疫の働きが大きく関係するため、着床の窓を長く開けようとすると、子宮内膜の免疫系を整える必要があります。

鍼灸治療には、こうした質の良い内膜を作る働きがあるのです。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24396391
鍼灸治療は子宮内膜の免疫系を整え妊娠率を向上させる。

その結果、鍼灸治療を受けた方では、妊娠率が高くなります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16616748
IVFを受けている、225人の不妊症患者を対象にした鍼灸治療の効果です。
グループを2群に分け、グループIでは116人の患者が東洋医学の原則に従って黄体期鍼治療を受け、グループIIでは、109人の患者がプラセボ鍼治療を受けました。
グループIでは、臨床妊娠率および進行中の妊娠率(それぞれ33.6%および28.4%)は、II群(15.6%および13.8%)より有意に高かった。

ただ実際には、黄体期のみ施術を受けるということはお勧めしません。良い黄体期とは、良い卵胞から作られます。

排卵後の卵胞が黄体になることを考えれば、良い卵胞期が良い黄体期を作ると言えます。

 

宜しければ記事のシェアをお願い致します。

診療時間のご案内 トップページへ戻る
2022/12/9
2021年 妊活鍼灸の振り返り ー症例と総括ー
2022/12/3
2021年妊活鍼灸の振り返り4 ―症例―
2022/9/23
2021年妊活鍼灸の振り返り3 ―症例を中心に―
2022/4/17
2021年妊活鍼灸の振り返り2 -症例を中心に-
2022/2/14
2021年妊活鍼灸の振り返り1 -緒言と症例-
2021/11/30
2020年 妊活鍼灸の振り返り -症例と総括-
2021/4/21
2020年妊活鍼灸の振り返り ―症例を中心に―
2021/2/12
2020年妊活鍼灸の振り返りー緒言と症例ー
2020/1/7
2019年 妊活鍼灸の振り返り ―その3― (症例とまとめ)
2020/1/5
2019年 妊活鍼灸の振り返り ―その2―(症例を中心に)
>>もっと記事を読む
診療時間のご案内 当院アクセスマップ
トップページへ戻る

カテゴリ別記事

過去の記事

※免責事項:掲載された事例や患者様の体験談は個人の感想や成果によるものなので、全ての人への効果を保証するものではないことと御理解ください。施術による効果には個人差があります。