【排卵誘発剤を使うと妊娠しやすくなる?】
排卵誘発剤は、病院で不妊治療を始めると、最初に受ける不妊治療の一つです。特にクロミッドとセキソビットは、殆どの病院で使用される排卵誘発剤です。
では実際のところ、排卵誘発剤を使用すると、妊娠しやすくなるのでしょうか?
その答えは、人によるとしか言いようがありません。少し考えてみて下さい。あなたがもし、毎月の排卵がある人なら、排卵誘発剤を使用する意味は、あると思われますか?
もっと分かりやすく言うなら、ご主人の無精子症が原因で妊娠しづらい人にとって、排卵誘発剤の使用は意味がありません。
クロミッドを長期服用することになれば、副作用による子宮内膜の菲薄化が起こり、返って妊娠しづらくなる可能性もあります。
それでも多くの病院で、排卵誘発剤は第一選択として使用されます。これは悪習慣としか言いようがありません。
排卵誘発剤を飲んで妊娠しやすくなるのは、あくまでもそこに原因がある人だけだということです。
ただし、自然に排卵をしている人の中にも、一定の効果が表れる方がいらっしゃいます。
それは排卵はあるけれど、決まった周期ではない人の場合です。排卵が決まった周期になければ、どうしてもタイミングが取りにくいため、妊娠率が下がります。
排卵誘発剤でコントロールすると、人によってはタイミングよく排卵するようになるため、妊娠しやすくなることがあります。
ここも、あくまでも人によってはですので、ご注意下さい。
【排卵誘発剤を有効に利用するには】
排卵誘発剤を有効利用するためには、排卵誘発剤の意味を少し理解すると良いと思います。
元々卵胞は、複数が一度に成長を始め、成長が進むに連れて数が制限され、最終的には1個の卵胞が育ちます。
育ち始めの卵胞から徐々に閉鎖していくため、最初の育ち始めから卵胞の数が増えることはありません。
また育ち始めの卵胞は、約3カ月程度かけて大きくなるため、排卵誘発剤を使用して排卵させる場合も、実際に排卵する卵は、3カ月前から成長を始めた卵だということになります。
こうしたことを理解していると、卵胞を育てる期間を設けて、その期間にしっかり栄養や血流をコントロールして、まず小さな卵胞を育てることが大事だと分かります。
その後、排卵誘発剤を使用することで、育ちかけの質の良い卵胞が成長し、排卵をすることができるのです。
排卵誘発剤を使う前の段階で、あまり質の良い卵が育っていない場合には、例え排卵しても妊娠には繋がりません。
しっかり3カ月計画でからだ作りをして、その後排卵計画を立てた方が良いということです。
【鍼灸治療と排卵誘発剤】
3カ月間の卵を育てる期間鍼灸治療を行うと、その後使用する排卵誘発剤も、その効果が十分に発揮できます。
鍼灸治療と排卵誘発剤を併用した臨床研究は、世界で行われており、特にPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)においては、とくに有名です。
PCOSと鍼灸治療を併用した臨床研究では、次のような効果が認められています。
・卵胞数(採卵数)の増加
・胚盤胞の質向上
・採卵時の鎮痛効果
・抗ストレス効果
・妊娠率向上
・妊娠継続率向上
・子宮内膜の肥厚
・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の予防
鍼灸治療を併用することで、単に妊娠しやすいというだけではなく、副作用も防いでくれるのですから、利用しない手はありません。
排卵誘発剤だけでは効果が無かったという方は、鍼灸治療を併用することをお勧めします。