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ストレスと不妊の関係

2018年6月26日9:54 AM カテゴリー:不妊症

ストレスが、妊活には大敵だと、何となくは理解していると思いますが、もう少しストレスのことを理解すると、色々と対策が見えてくるのかもしれません。

 

ストレスと視床下部性不妊

 

殆どの人の日常は、ストレスに溢れています。仕事、生活、家族関係、不妊治療などの全てが、ストレスの原因になります。

お仕事をしている人は、「ストレスなんて誰でもあるでしょ?」と皆さん仰ります。勿論ストレスはどの人にもあるとは思いますが、ストレスの影響が出るところは、その人によって違います。

お肌の荒れとして出る人や、胃腸の弱りとして出てしまう人、精神的な不安定として出る人、そして生殖能力の低下として出る人がいます。

生殖能力の低下に大きく関わるのは、脳にある視床下部という部分の働きです。


視床下部は、脳の真ん中にあり、ホルモン分泌や生命維持のための機能をコントロールする場所です。視床下部は、私たちの生命をコントロールしているところなのです。

この視床下部では、ストレスに対する適応反応もコントロールしています。視床下部は、心身のストレスを感じ取ると、からだの各部位に働きかけて、ストレスを感じている状況に対して防御態勢を取ろうとします。

その一つが、副腎と呼ばれる内分泌器官へのホルモン分泌の命令です。副腎は様々なホルモンを分泌する内分泌腺ですが、ストレス刺激に対しては、視床下部からの命令で副腎皮質ホルモンである、コルチゾールを分泌します。

コルチゾールは、抗炎症作用を持ち、免疫抑制や血管収縮の作用も持ちます。またコルチゾールは、視床下部に対してGnRHというホルモンの分泌抑制をする働きがあります。


GnRHは、生理周期の最初に分泌されるホルモンですから、GnRHが抑制されると、その後に続く生理周期に乱れが生じます。

するとストレスがきっかけになって、生理周期の乱れが生じることになり、不妊傾向が出てしまいます。これを視床下部性不妊と言います。

 

不妊治療のストレスと前向き感

 

不妊治療が上手くいかないと、徐々に前向き感が薄れてきます。つまり、「また失敗するのではないか、もう妊娠しないのではないか。」という感情が強くなってきます。

これは視床下部の近くにある、扁桃体という部分から、前頭前野という部分への働きかけが薄まるためです。


この扁桃体からは、ドーパミンという脳内物質が分泌されており、このドーパミンが前頭前野に働きかけることで、前向き感が出てくるのです。この働きを脳の報酬系と言います。

不妊治療を続けいていると、この報酬系が徐々に働かなくなり、ドーパミンの分泌が少なくなってしまいます。またドーパミンを受取る受容器の働きも鈍くなります。

すると、どうしても不妊治療に希望が持てないため、後ろ向きな治療を続けることになり、ストレスはより強くなります。

ストレスを強く感じるようになると、先ほどの視床下部性不妊の傾向が強くなり、不妊治療は負のスパイラルに陥ります。

病院での治療では、この負のスパイラルを、単に性ホルモン分泌の低下と捉え、ホルモン剤を使用しますが、脳内のドーパミン量は変わりませんから、前向き感が出ずに後ろ向きな不妊治療を続けることになります。

ところが、あなたも陥っているかもしれない、こうした状況を変えることができる方法があります。

 

前向き感を出して不妊治療を乗り切る鍼灸治療

 

鍼灸治療の効果は、単に血液循環量を増やすだけではありません。

鍼灸治療は、扁桃体の活動性を高めることで、ドーパミンの分泌を増し、報酬系の復活に働きかけることが分かっています。

鍼灸系大学の先駆けである、明治国際医療大学の臨床実験でも、セロトニンやドーパミンと言う脳内物質の変化を、鍼灸治療後に確認しています。

またストレスレベルが高いほど、妊娠率が下がることは、海外の臨床試験でも確認されています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2904299/

「鍼治療を受けた女性は妊娠64.7%を達成し、鍼治療を受けていない女性は妊娠42.5%を達成した。ドナー受給者のステータスによって層別化された場合、非援助受給者のみが潜在的に鍼治療(鍼治療なしで35.5%対鍼治療で55.6%)で改善した。この鍼治療を受けた患者は、以前のETとET後のストレススコアは、そうでなかった患者と比較して低かった。ベースラインと比較して感知されたストレススコアが低い人は、鍼の状態にかかわらず、この減少を示さなかった人よりも妊娠率が高かった。」

とあります。

鍼灸治療で脳に対して積極的に働きかけると、脳の報酬系が活発に働き、不妊治療への前向き感が出るとともに、妊娠率の向上も期待できるのです。

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