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排卵後1回だけの鍼灸で妊娠率を上げる

2017年11月1日10:47 PM カテゴリー:不妊鍼灸

 

さて今日は、「少しでも費用を節約したい。」という方のための不妊鍼灸についてです。不妊治療は何かとお金がかかるため、病院と鍼灸の併用は経済的に難しい、でも少しでも妊娠率を上げたいという方には、排卵後に1回のみの鍼灸治療をお勧めします。


排卵後1回のみの鍼灸の意味

排卵期だけ鍼灸治療をしても、あまり効果が挙がらないと思っていませんか?

確かに、卵の質を上げるためには、約3か月間の治療が必要です。何故なら、あなたの卵は、排卵の3か月前から排卵までの間成長を続けているからです。

また生理周期を整えるためにも、週1回の治療が一定期間必要です。これは、女性ホルモンの分泌に、複雑な内分泌の応答システムの調整が必要だからです。
ただ、そうした卵の質や女性ホルモンの分泌に問題がないのでしたら、排卵後1回だけの鍼灸でも効果を期待できます。

排卵後の鍼灸治療はなぜ効くのか?

排卵期の鍼灸治療は、排卵の4~5日後に受けて頂きます。これは、子宮内膜へ着床する少し前になります。

卵胞から排卵された後、あなたの卵は卵管の端にある卵管采にキャッチされます。キャッチされた卵は、卵管の中を移動して少し広くなった卵管膨大部で、ご主人の精子と受精をします。

<トートラ解剖学より>

この受精卵が卵管の中を移動し、子宮に戻るのが、排卵から約5日後になります。そして、子宮内膜に無事受け入れられると、妊娠が成立します。

排卵の4~5日後に鍼灸治療を受けて頂くと、この子宮内膜で受け入れる能力が高くなる可能性があります。

鍼灸治療を、体外受精の胚移植当日に行うことで、受精卵(胚盤胞)が子宮内膜に着床しやすくなる効果が認められています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18440533
IVF妊娠率は移植当日に行うと明らかに増加する

上の論文は、体外受精を胚移殖日に行う鍼灸治療の効果についての論文です。胚盤胞移植は、受精日から5~6日目の受精卵を指しますので、ちょうど同じ時期に鍼灸治療を受けたことになります。

また、排卵後は、黄体期に当たります。黄体期に行う鍼灸治療の効果を表した論文もあります。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16616748
黄体期の鍼治療は、IVF / ICSIの結果に良い影響を与える。

こちらの論文では、二つのグループに分けて黄体期に鍼灸治療した結果を分析しています。

116人が黄体期に鍼灸治療を受け、もう一方の109人がプラセボ鍼を受けています。

その結果、鍼灸治療群では33.6%の妊娠率となり、もう一方のプラセボ群では15.6%でした。

実に、2倍以上の妊娠率だったということです。

月1回で妊娠率が上がる可能性がある方の条件

この月1回の鍼灸治療で、妊娠率を上げて妊娠できる可能性があるご夫婦は、次の二つの条件が満たされている必要があります。

・ご夫婦ともに特に不妊原因がない(機能性・原因不明の不妊)
・タイミングの回数が十分にとれる(排卵前後に複数回)

この二つの条件が満たされるのなら、月に1回の鍼灸治療でも効果が期待できます。

特定の不妊原因がある場合には、その内容に応じて治療回数が決まります。

またタイミングの回数が極端に少ない場合には、不妊の原因がタイミングの少なさという可能性があります。

 

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