もし病院で、様々な排卵誘発をしても採卵できないようなら、是非鍼灸を併用してみて下さい。
鍼灸は、投薬の効果をより際立たせ、副作用を軽減する可能性があります。
【採卵ができないという方】
ショート法やロング法、アンタゴニスト法を試したけれど、排卵誘発剤を変えても卵が育たないというあなた。
採卵しようと思ったら、全てが空胞だったというあなた。
多くの卵を育てて採卵したのに、全く受精しないというあなた。
胚盤胞しか移殖できないのに、初期胚しかできないとお悩みのあなた。
鍼灸治療では、高額な治療費を掛けたにも関わらず、胚移植に至らないという方でも、良質の胚を育てるお手伝いができます。
【鍼灸は受精卵の質を向上させる】
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19873910
こちらの研究では、卵巣機能の低下が見られた女性を対象に、鍼灸刺激の効果を調べています。
鍼灸治療を施した方では、血清エストラジオール(E2)、受精率、卵子成熟率、良質胚率および移植率、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、観察群の卵胞液および血清中の幹細胞因子(SCF)で改善が見られたそうです。
日本では、こうした専門的な医療機関と提携して実験ができる施設はほとんどありません。一部の鍼灸大学附属病院でできる程度ですから、私たちのような一鍼灸院でこうした研究ができないのは残念です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25951635
こちらの研究では、217人のPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性を対象に鍼灸治療の効果を調べています。
PCOSの女性は、小さな卵胞は複数育つのですが、成熟した卵胞は育たないため、排卵ができません。
体外受精の際に排卵刺激をすると、元々複数の卵胞が育つ傾向があるため、採卵数は多い傾向がありますが、良質の胚が採れないことも多いようです。
そこで鍼灸治療を行った結果、『HCG日のE2レベルおよび高品質胚率と正の相関があった。対照群と比較して、高品質胚率は有意に増加し、EA群においてGnの用量および日数は有意に減少した。臨床妊娠率は8.36%改善した。』とあります。
【鍼灸の血流増加作用】
鍼灸は、副交感神経の興奮作用や交感神経のブロック作用で血流増加をさせることが分かっています。
副交感神経は、血管を拡張させる働きがあります。交感神経のブロック作用は、元々血管を収縮させる働きの交感神経をブロックすることで、血管の拡張をさせる働きです。
こうした働きで血管を拡張させることで、卵巣血流を増加させる作用があります。卵巣への血流が増加することで、体内で分泌された女性ホルモンや、投薬で添加された女性ホルモンが卵巣へ速やかに届けられます。
また栄養や酸素も卵巣へ豊富に送られるため、卵の成長に必要な栄養や酸素も届きやすくなります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14614964
こちらの研究では、ラットの卵巣血流が、鍼灸刺激でどう変化するのかを調べています。
ラットに鍼灸刺激をして卵巣血流を調べた後、卵巣に繋がる交感神経を切断して更に調べました。
すると鍼灸刺激による卵巣血流の改善と、交感神経切断後は卵巣血流増加が見られなかったことが分かりました。
つまり、交感神経が切断されてない状態では、先ほど書いた交感神経のブロック作用ができなかったため、卵巣血流の増加が無かったということです。
【卵の質改善をするための鍼灸】
当院では、卵の質を改善するための鍼灸を行っています。卵の質を良くするには、卵胞の中で女性ホルモンや成長促進因子、様々な栄養を受取る期間である3カ月間、十分な血流を確保する必要があります。
そのため採卵自体が難しい方や、卵の分割が進まない方には長期的な鍼灸をお勧めしています。