先日、久しぶりにご予約を頂いた患者さまは、胚移植前の鍼灸治療で来院して頂いた方でした。
前回の胚移植から約1カ月が経っていましたので、前回の結果をお聞きしたのですが、着床後2週間で化学流産になったということでした。
着床後2週間ということは、恐らく染色体異常などの異常胚移植の影響だと思われます。さぞかし落ち込んでいるだろうと予想していたのですが、この患者さまの反応は違いました。
「やっと一歩前に出た感じです!」
第一声は、非常に前向きなお言葉でした。
この患者さまは、当院に来院される前までに、既に3年間の不妊治療を受けていらっしゃいました。
来院前にも1度胚盤胞移殖をされていましたが、陽性反応は今までに出たことがなかったそうで、手ごたえの無い不妊治療と比べると、今回の陽性反応は非常に自信になったそうです。
前回は移植前に1回と、移植後に1回のみの治療でしたが、今回は移植までに2回治療をしてから胚移植に臨みたいということでした。
流産という結果にも、前向きに考えることができるのは、当院でのカウンセリングや治療を受けて頂いて、しっかりとした手ごたえを感じたからではないでしょうか。
病院の計画通りに不妊治療を進めていても、言われたことを淡々とするだけで手ごたえが無かった不妊治療が、当院で2診目に行う栄養指導や、からだの状態の詳しい説明を聞くことで、少しずつ自分が妊活をしているという実感が出てきたようです。
その結果、残念ながら流産にはなりましたが、初めての着床反応を得ることができたのです。
こうした手ごたえを感じながら妊活をしている方は、妊娠まであと一歩と言うところまで近付いています。
それはタイミング法でも人工受精でも、体外受精でも同じなのです。自分がしていることの意味を知って、変化を感じることは、最も王道の妊活をしているということです。
前向きに妊活に取り組めると、目の前の小さな結果だけではなく、もっと大きな妊娠、出産という目標までの、道筋が見えてきます。
不妊鍼灸の効果は、ただ妊娠がしやすくなるというだけではなく、前向きに妊活に取り組めるということ、そして自分が妊娠に近付いているという手ごたえを、肌で感じることができるところにあります。
あなたは前向きに妊活に取り組めていますか?