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不妊の大きな原因になる瘀血(おけつ)とは

2018年4月18日9:52 AM カテゴリー:不妊鍼灸

 

東洋医学には、瘀血(おけつ)という病理産物が、体調不良の原因になるという考え方があります。

瘀血とは、血が滞り固まったものを表します。分かりやすく言うと、内出血でできた血の固まりや、肉腫、筋腫などの腫瘍、血栓、梗塞などの血管の中でできた血の固まりなどを言います。

不妊の中にも、瘀血の影響で妊娠しにくい状態になったものがあります。

・子宮内膜症
・子宮筋腫
・子宮腺筋症
・チョコレート嚢胞

こうした東洋医学的には、瘀血と分類されるものには、漢方薬や鍼灸治療が高い効果を示します。


【瘀血は強い痛みが特徴です】

瘀血の特徴は、強い痛みです。刺痛と呼ばれる、刺しこむような痛さが瘀血の特徴なのです。
子宮内膜症の強い生理痛は、瘀血特有の痛み方です。

また内膜症が無くても、毎月の生理痛にお悩みの方は、瘀血を作りやすい状態か、既に瘀血ができている状態だと思っても良いと思います。

瘀血の特徴が強い痛みということは、生理痛の改善は、一つの瘀血解消の目安とも言えます。

投薬を使用せず、毎月の生理痛が軽減しているようなら、あなたは少し妊娠に近付いたと考えて良いと思います。

【瘀血は下すのが基本です】

瘀血は血の固まりという概念ですから、血の固まりを取り除くのが基本的な治療になります。

西洋医学的には、手術療法ということになるのですが、婦人科疾患の場合には、毎月の生理で体外へ排出することもできます。

つまり、生理の時にしっかり出血させることが、瘀血を治すことにも、瘀血を作らないことにも繋がるのです。

子宮からの出口に当たる子宮頚管は、その内径が非常に細く、ストローのような状態です。

ストローの細さしかない子宮頚管から、血液をしっかり出そうとすると、血の固まりが多いと出にくくなってしまいます。

そのため子宮内膜をしっかり溶かすことと、子宮がしっかり収縮することが大事になります。

瘀血傾向の方は、血液凝固異常という、血液が固まりやすい状態を持った方が多いようです。

これは不育症検査であるような、血液凝固異常とも関連しますので、瘀血傾向の方は、妊娠しにくく流産しやすいとも言えます。

こうした血液凝固異常が、ある出来事で激変することがあります。それは出産です。

妊娠しにくい女性が、出産したと同時に生理痛から解放され、2人目以降は全く苦も無く妊娠や出産をした、という話はよく耳にします。

これは出産により、瘀血が一気に下ったことが原因だと解釈されています。生理で瘀血を下す代わりに、出産で瘀血を下したという事です。

【瘀血の治療】

瘀血を無くすには、幾つかの方法があります。

・肉類をあまり食べない。
・定期的な運動をする。
・生理でしっかり出す。
・漢方薬を飲む。
・鍼灸治療を受ける。

一つ目の肉類を減らす方法は、そもそもの血液を作る材料を減らすことで、瘀血を作らない方法です。

この方法は、妊活中の女性にはお勧めできません。妊娠する能力自体が下がるからです。

定期的な運動は、血の滞りを無くすことで、瘀血を作らない方法ですので、妊活中でもお勧めできます。

是非、定期的な散歩などで血を巡らせて下さい。

生理をしっかり排出することは、女性の瘀血に関しては最も重要です。そのための手段として、漢方薬と鍼灸を使うことになります。


【漢方薬と鍼灸】

漢方薬には、瘀血を下す目的で作られた漢方薬があります。確かに効果的なお薬ではありますが、妊活中ということを考えながら処方して頂く必要があります。

しっかりと妊娠計画と瘀血を下す時期を分けて考えるか、瘀血を下すのではなく、血を巡らせることで瘀血を無くす、という処方にしてもらう必要があります。

また瘀血を下す処方にこだわり過ぎると、体力を奪ってしまい、卵胞の成長などに影響が出る場合があります。

その場合も、しっかり瘀血を下す時期と、卵胞を育てる時期に分けて考えた方が良いと思います。

鍼灸治療の場合にも、瘀血を生理の時期に下すということと、それ以外の血液を巡らせて瘀血を作らないという施術を組み合わせます。

鍼灸の場合には、生理周期に合わせて施術内容を変えることで、細かく体調を整えることができます。

また漢方薬と鍼灸治療を併用したり、栄養療法と併用すると更に高い効果が実感できると思います。

特に、瘀血と体力の低下が合併している方の場合には、漢方薬と鍼灸、栄養療法の併用が高い効果を発揮します。

・強い生理痛がある。
・子宮内膜症、チョコレート嚢胞がある。
・卵胞の成長が悪い。
・採卵ができない。
・卵の質が悪い。
・流産傾向がある。

などの服数が合併した不妊の方は、漢方薬と鍼灸、栄養療法を併用すると効果が挙がりやすいです。


 

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