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鍼灸治療で排卵障害を改善する仕組み

2018年6月28日8:17 AM カテゴリー:PCOS(多嚢胞性卵巣症候群),お勉強,自然妊娠

排卵障害を持つ女性には、母親や姉妹などに同じような排卵障害を持つ方が少なくありません。

こうした排卵障害は、遺伝的な要素を含んでいるということですが、母親が排卵障害を持っていても、あなたを無事産んでいるということは、逆に言えば、あなたにも母になる素質があるということです。

ただこうした遺伝的な背景がある場合には、予めそれを知っておくことで、不妊治療や妊活の手助けになることがあります。



【耐糖能異常は遺伝しやすい】

 

耐糖能異常とは、血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが、効きにくい体質のことです。

インスリンの働きが弱いため、血糖値が下がりにくく、結果としてインスリンが長時間分泌されることになります。

インスリンが長時間が分泌されると、卵胞の成長に必要なLHとFSHというホルモンバランスが崩れやすくなり、卵胞が成長し辛くなります。

卵胞が成長できないと、卵胞で作られるエストロゲンが多く作れない為、排卵が起こりません。

こうした耐糖能異常は、糖尿病の原因にもなります。糖尿病に遺伝が強く働くことは、聞いたことがある方も多いはずです。

耐糖能異常から起こる排卵障害にも、遺伝的な要素が強く働くと考えられています。

 

【耐糖能異常の方は糖質制限が効果あり】

 

耐糖能異常の方は、糖尿病の方同様、糖質を少し制限することで排卵障害を改善することができます。

つまり、インスリンがあまり長時間働かないようにするのです。そうすることで、LHとFSHがバランスよく分泌されるようになり、排卵障害は改善されます。

また病院に通院中の方は、糖尿病治療薬であるグリコランを服用することで、排卵障害を予防することができることもあります。

さらにミオイノシトールのサプリメントを服用することでも、改善することができます。

 

【鍼灸治療で排卵障害を改善】

 

鍼灸治療は、排卵障害の原因に対して、効果的な治療法です。

排卵障害は、脳内でのホルモン分泌や、卵巣でのホルモン分泌がスムーズにいかないことが原因で起こりますが、鍼灸治療はその両方に対して効果的に働くことが分かっています。

脳内からのホルモン分泌は、視床下部と下垂体に分かれます。視床下部から分泌されるGnRHと、下垂体から分泌されるFSH/LHが正常に分泌されないと、排卵障害が起こります。


鍼灸治療は、GnRHの分泌量を増やし、FSHとLHのバランスを整える働きがあります。

FSH/LHが1以下になると、排卵障害が起きるとされています。つまり、常にFSHがLHよりも多い必要があるのです。

鍼灸治療は、LHを下げることで、FSHとの比率を改善する効果が認められるため、排卵障害が改善されるのです。

さらに鍼灸治療は、卵巣に向かう血流を改善することで、卵胞の成長を促し、エストロゲンの分泌を増やす効果があります。

そのためエストロゲンの上昇を感知した視床下部からの指令で、排卵に向けての仕組みが正常化します。

鍼灸治療は、排卵誘発剤との併用効果も高く、副作用を減らす効果もあるため、卵巣過剰刺激症候群を予防する目的でも併用できます。

つまり不妊治療の効果を高めて、副作用を減らすということで、理想的な治療法だと言えます。

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